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カタストロフィーを撃ちなさい

「もう一つお聞きしたいのですが独り言にセットできる魔法は一つだけですよね?」


「はい、今のところはそうですね」


「今からでは遅いですし………ドルキア卿、あれをお渡ししても?」


「構いませんが………まだ試験段階ですよ?」


「それで結構。今は使えるだけでありがたいですから」


何を渡されるのかと思ったら一つの腕輪を渡された。これは何だろうと思っていたらどうやら特定の信号を送り出す道具のようだった


「二種類の信号しか出せませんので二つの魔法を信号に合わせて出して欲しいのです。一つはシールド、もう一つはエアーインパクトです。どちらも使えますか?」


「どちらも使えますので構いません」


信号が単発だった場合はシールドを信号が長かったらエアーインパクトと決まった。これによってアイシャ様に使う魔法は三種類と決まった。本当ならもう少し種類を増やしたかったみたいだけどこれが限界だもんね


「それとクロエさんにこちらの事情をお伝えしときます。私は王都から逃げてきたのです。あそこにいれば必ず殺される。ですので、私の味方のなかで最大勢力の力を持つドルキア卿のもとへと来たのですよ」


「………ははっ、そんな気はしてました」


「この話はバーニア、エミリアにも伝えてある。それとクロエには陰口をセットして欲しい場所がある。この場所に全てセットしてきてくれ」


「………わかりました」


私が渡されたのはこの街の詳細がかかれた地図で赤印の場所に陰口をセットして欲しいと言われた。全部で五ヶ所で何故ここなのか聞きたくなるがなにか事情があるのだと思う。実際にやってみればわかるでしょ


「独り言のセットできる人数は何人だ?」


「まだ三人です。私は残りをルナ先輩とルミナスにしようと思ってるのですが」


「いや、そこら辺は任せる。多いなら私にもお願いしようと思っただけだ。私は私でどうにかするので気にするな」


「わかりました」


そこからアイシャ様も辺境伯様もどちらも奇襲を恐れていて街中で騒ぎを起こされることを想定していた。それ以外にも可能性のある襲撃方法を想定していて私の予想を遥かに越えたパターンを考えてるんだから流石だなとしか言えなかったや


「この話は外部には漏らすな。特にルミナスにはな」


「やっぱり………ですよね?」


「可能性だが頭に入れとかねばならん。エーゼルド公爵の謀略は我々の想定を簡単に越えてくるだろうからな」


「では、ルミナスを見張った方がいいのですか?」


「それはこちらで見張らせている。今のところ不穏な行動はしてないと報告が上がってるが………囮として使われているか既に何らかの方法で指令を伝えたか、ルミナスには要注意するようにな」


「………はぃ」


やっぱりルミナスは要警戒体制か。私としてはルミナスを見張るようなことはしたくないし警戒なんてしたかないけど辺境伯様や王女様は警戒してる

それだけ父親であるエフォルド・フォン・エーゼルドが危険人物だってこと。本当に厄介なことになってしまったかも


私は一人フリーとなった………と、言っても今から街の警備に当たるんだけど街のあちこちを様子を伺いながら頼まれた場所に陰口をセットしていく

何処も大通りではなく裏通りで地図には番号が書かれていたけどセットする場所には何も描かれていない

ここで本当にいいのだろうかと思いながらも地図に記された場所と物にセットしていった


「見渡しても普通の裏通りなんだけどな」


まぁ店はあるけど寂れていて人通りが少ない。知る人ぞ知る隠れた名店なのかもしれないけど入りづらくて何の店かもわからない。そもそも営業してるのかもわかんないし………気にするだけ無駄かな


「後は………ルナ先輩に会いたいんだけど」


ルミナスなら直ぐに出会えるだろうけどルナ先輩は意外と忙しくて出会える機会が少ない。何をしてるかは私も知らないんだけど、団長か副団長から何かをお願いされてるんだろうな


「副団長のところへと行ってみよ」


副団長なら執務室にいるだろうし全員が何処で何をしてるか把握してるはず。ルナ先輩の行方を教えて貰わないと


「ルナですか? 申し訳ないのですが団長が何処へ連れていったのでわからないのですよ」


「え"っ? じゃ、じゃぁ………団長は?」


「………行方不明です。このくそ忙しい時に何処へ行ったのかもわからず連絡の一つも寄越してこない。ほんっと………どうなってるんですかね?!」


「え、エミリア副団長、ぺ、ペンが………」


副団長が赤いペンを笑顔で握り潰してインクが垂れてる。書類にかかってるけど大丈夫なのかな? でも、それを指摘するのも怖いし………って言うか何時ものような爽やかな笑顔なのに怒りのオーラがめっちゃ見える。団長、早く出てこないとものすごく怒ってますよ!


「許可します」


「は、はい?」


「カタストロフィーでしたか? あの魔法を団長を見付け次第全力で放つことを許可します。いいですか? 全力ですよ? 手加減は許しません。この世に塵一つ残すことなく消し飛ばすのです。いいですね?」


凄い過激発言をし始めた。両手を組んで机に肘かけて笑顔でこっち向いてるけどインクが赤だったせいか血が垂れてるように見える。やばい、これは流石に止めないと


「そ、それは流石に………」


「あぁ、被害は気にしなくて結構ですよ。何のために周辺貴族に恩を売ってきたと思ってるのです? もみ消します。被害? そんなものはありませんでした。誰も何も見ていない何も知らない。全て私が全力で私の今まで培った実績を使って全てをもみ消してみせます。ですので何も気にしなくて結構ですよ」


気にしてるのそこもだけどそこじゃない!


団長は普段からどれだけエミリア副団長に怒らせるようなことをしてるのよ。自由、自由と思ってたけど自由すぎて団長としてダメな奴じゃん!


これは今すぐ逃げよう。そうじゃないと本気でカタストロフィーを撃たせられる。そうなった場合………この街は吹き飛びかなりの被害者が出てしまう。副団長の言葉じゃないけど個人の感情より優先されるは人命だ。このままじゃ私は国に指名手配されてしまうんだから


「そ、その………用事を思い出しました」


「そうですか。では、約束していってください。団長を見付け次第、カタストロフィーを放つと」


「あぁ、忙しいなぁ! し、失礼しましたぁぁぁ」


「クロエさん? 約束をぉ!」


私は急いで部屋から飛び出して魔法を使ってダッシュで逃げた。きっとこれで街の安全は保たれはずだ。人知れず人を救うのって難しいね

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