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襲撃 ①

「ルミナス、どう思う?」


「私に聞かないでよ。私こそ聞きたいわ」


「でも、元貴族だからそこら辺詳しいかなって」


「あんたね? 十三歳の小娘がそこまで知ってたら気味悪いでしょうが」


「それもそっか」


オランのことを訪ねたけどやっぱり知らないしわかるわけないか。そんなオランはどこか機嫌が悪そうにしていて難しい顔をしてる。気に食わないけど約束だから護るって感じかな?


そんな私たちは今、王女様を連れてメディアバーニヤの街へと向かってる。王女様は馬車に乗っていて姿は全く見えていないが王都から連れてきたルースフィア騎士団によって厳重に護られてる。そんな騎士団を見てルミナスは疑問に思っていたことを呟いた


「………クロエ、悪いけど今すぐ団長、副団長に報告してくれる?」


「なにを?」


「警備しているルースフィア騎士団にもしかすると称号持ちがいないかもしれないわ。私の見解だけどね」


「わかった。ルミナスが言うなら間違いないと思うし」


今は深く聞かない方がいいかもしれない。私はルミナスのような貴族じゃないから上手い具合に気づいてない振りとか出来そうもないし、こう言うのは団長や副団長、辺境伯様が考えて行動する案件だから


「このまま何事もなく街まで着けばいいけど」


「何かあるかもしれないの?」


「可能性の話よ。気に止めといて」


周囲は聞こえないけど私には聞こえるぐらいの声量でルミナスは呟き私はそれに対して返事をする。まさか、襲撃がある可能性があるとか言われるとは思わなかった。これは警戒した方がいいかも


一応、メディアバーニヤの守備隊は後方に80、前方に20いて後方をしっかりと護るようにしてる。前方には私やルミナス、オランがいるから前方から攻撃されても何とか出来るけど後方は囮にして姫様を逃がすために多く配置してる。後方の指揮はバザルさんやソフィアさんもいるから問題ないし二人には陰口や独り言をセットさせて貰ってる。何があろうとこれで対策は万全のはずだ


「おぃ」


「うん? どうかした?」


周囲を警戒していた私とルミナスだったけど少しだけ後方にいたオランが近付いてきて話しかけてきた。このパターンは前回もあったな。嫌な予感が的中したかも


「まだ遠いが馬車が置き去りにされてんぞ」


「………ルミナス」


「えぇ、少し見てくるわ」


馬車が壊れたから置き去りにした………そんな可能性も無きにしろ非ず。だけど、このタイミングで? 私たちはこの街道を通ってきたけど行きも帰りも馬車に乗ってる人にしか出会っていない。徒歩だけの人は出会ってなかった。いや、馬車で出会った人がメディアバーニヤに行く途中で壊れたから置いていった可能性もあるけど近いのは私たちで騎士団も守備隊もいるんだから助けを求めてもいいはず。確かに王族を迎えに行く途中だったけど、それを知ってるのは極僅かな人だけで道ですれ違った人が知ってるとは思えない


駄目だ、完全に疑心暗鬼に陥っていて悪い方向ばかり考えちゃう。気にしないように気にしないようにあれは本当に壊れてるだけだと考えるのはやはり不味い。何かがあると警戒した方がいいかな


「バザルさん、ソフィアさん………警戒体制を。王女様の護衛にも警戒しろとお伝えください」


一応、団長や副団長にも伝達はしておこう。何もなければそれでよし。何かあったら………全力でアイシャ王女様を護らないと


「オラン、王女様を護りに行って」


「ちっ、わぁったよ」


オランは自分の後方にいる王女様のもとへと行った。だけど、考えればわかったことなんだけどオランと護衛についてきたルースフィア騎士団が揉め始めた。こんな時に喧嘩しないでよね。本当にどっちが悪いとか言いたくないけど喧嘩してる場合じゃないのに


「クロエ、馬車の周囲には誰もいなかったわ。馬車の荷も調べたけど空。馬車を引いていた馬もいない。これは………?!」


「総員警戒を!!」


ルミナスが戻ってきたタイミングで霧が現れ周囲の視界を奪っていく。やはり何らかの奇襲攻撃が始まったと考えてもいいわ。こんな視界の悪い状況じゃ魔法なんて撃てない………短剣で戦うしかないかな? いや、この霧は………


「グァァ!」


「き、奇襲だ!!」


やっぱり攻撃を受けてるみたい。この霧もおそらく魔法によって作り出されたんだろうね。水の魔法のミストを発動させたと考えていいかも


「なら………」


【サイクロン】


魔力はそれなりに込めて威力は強めにしたけど効果範囲を広げたから人が吹き飛ぶことはない。一気に視界が広がって奇襲してきた人たちの姿が見えた。全員黒ローブを羽織った謎の集団だ


「数はこちらが勝っていますので落ち着いて撃破を!」


ルミナスは的確に相手の機動力を奪うために足に向けてナイフを生成して投げていく。相手の数は100にも満たない数でこちらが圧倒的に優位だ。だけど、あまりにもお粗末で計画性がないと言わざるを得ない。何を考えてるの?


そう思っていた私が馬鹿だった。この黒ローブの正体を見抜くことを優先しなかったなんて


「グァァァァ!!」


「なっ?」


「面倒なことをしてきたわね!!」


黒ローブの人物を誰かが殺した? のかもしれない。恐らく切っ掛けだったようで次から次へと自爆して爆発に守備隊の人が巻き込まれていったのだった

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