終結
「くっ!」
杖で何とか立ててた私は大爆発に巻き込まれ何処までも転がっていく。慌てるようにオランが駆け付けてくれて私を爆発から守るように盾になりルミナスが私を支えてくれた。そんな三人の視線は爆発の中心に集まっていた
「これで死ななかったら勝てないわ」
「けっ、そん時は俺がぶっ倒してやる!」
「ははっ、頼もしいや」
正直言って魔力はあまり残ってないから死んで欲しいのが本音なんだけどね。二人にかけたバフ魔法も何時までも効力が残るわけじゃないし特異型のデバフもそろそろ切れる時間なんだもん
これで死んでなかったら全滅間違いなしかな
「………くっ」
「けっ、やってやんよ」
「嘘でしょ?」
そんな考えのせいでフラグが立ったのか黒いヒビだらけの球体が空に浮いていて中から特異型が出てきた
ダメージは多少受けてるものの動けない訳じゃなさそうでこちらを激昂しながら睨み付けていた
「殺す! お前らはここで殺す!」
私は支えがなかったら立つことも出来ない状態。あの特異型のデバフもそろそろ効果が切れる。味方のバフの効果も何処まで持つか不透明。それでも絶対に負けられない
「簡単に死んでやらないんだから!」
「死ぬんじゃねぇ! 倒して生きて帰るぞ!」
「私だって念願の騎士になれたんだから倒してみせるわよ!」
そんな特異型が空を駆けるかのように向かってきた瞬間、特異型と私たちの間に黒い壁が現れ特異型の動きを止めた。そして、壁が消えると特異型は苛ついた様子で自分の影に向かって怒鳴り始めたのだ
「邪魔すんな! ラフレシア!」
「あら? これ以上は限界だったし邪魔してなかったら………死んでたわよ?」
影から現れたのは女性型の特異型と思われる闇の魔物。一匹でも厄介なのに二体目が現れるなんて………どうしたらいいか悩んでいたら私たちの目の前に一人の女性が現れた
「遅くなって悪かったな」
「だ、団長」
私たちに向かってニコッと笑うと直ぐ様、二体の特異型を睨んでいた。一触即発状態の空気の中、口を開いたのはラフレシアと呼ばれた特異型の方だった
「あなたたちを見逃す代わりに見逃してくれないかしら? ほら、このまま引くから戦いはここで止めましょうよ」
「そう言って何度も騙してきたおまえが言う台詞か?」
「今回は本当よ? 新人さんを殺そうと思ってクロギクをぶつけたのに倒せなかった。こいつが弱いのか………その新人君たちが強いのかしら………ね?」
「今年の新人は大粒揃いで自慢の新人だ。当然ながら強いに決まっている」
「そう、なら………殺しておかなきゃね!」
ラフレシアと呼ばれた特異型がニタァと嗤った瞬間、周囲に大型の特異型が十も現れた。団長は素早く反応して吹き飛ばしたのだが直ぐに特異型を見ると影に吸い込まれていくところだった。そして、クロギクと呼ばれた特異型は私に殺意を向けながら消えていく
「ちっ!」
「またお会いしましょう。新人君の三人さん」
「女! おまえは殺す! 絶対にだ!」
大型を倒さないと私たちが危険だと判断したんだと思う。団長は大型を数秒で始末し周囲の危険を確認して警戒していた。そして、安全だとわかった瞬間に私たちに近付いてきた
「もうすぐエミリアが来る。私が見張りをしているからポーションで回復して休んでいろ」
「あぁ? 俺はまだ………」
「おまえが一番休め! 全身の骨が折れてるのはわかってるんだぞ」
「………ちっ」
団長に突っ掛かったオランは軽くこつかれるだけで地面に倒れ転ばされてしまう。つまり、それだけ体が限界に近く戦える状態ではなかったと言うこと。そんな状態になっても戦ってくれていたオランに感謝しかないや
「だ、団長。アイツらとは何度も?」
「あぁ、ここは最前線だからな。何度もやりあってるし何人もの新人が殺されてる。残った称号持ちは五人で二十人以上の称号持ちが殺されたし恐怖のあまり逃げ出したのも少なくない。だからこそ厳選して選ばなければならないし過保護とも思える体制を作ってるんだ」
入隊する条件が難しかったのはそんな理由があったんだ。そして、私が外に出歩けたのはゴートンランガさんやルナさんが警戒してるなかだったからで、今回は三人で行動させたからだ
何だかんだと団長は考えて行動してる。何でこの三人なんだろうと思っていたけどキチンとした理由があったんだ
「本来ならこの周辺でもアイツらは出てこないのだが………よほどお前らを始末したかったようだ。いや………クロエをか」
「えっ?」
「いや、何でもない。よく戦い生き抜いたな! お前らの勇姿は見れなかったが………どれだけの激しい戦いだったかは見ればわかる。よくぞ生き残ってくれた」
「はい!」
「けっ」
「褒めていただき感謝します」
そこから一時間もせずに副団長は騎士団数十名を連れて私たちを迎えに来てくれた
結果、私とオランは全治三ヶ月の大怪我でルミナスだけが全治二週間程度の怪我だった。何だかんだと大変だったけど生きててよかったと心から思える戦いだったなぁ
いいねや高評価してくれると嬉しいです。ブックマークが増えると作者は小躍りします。誤字、脱字の報告何時でも受け付けてます




