誰も成し遂げなかったこと
特異型が目の前まで接近してきて私は流石に死ぬ覚悟をした。だけど、特異型の腕が切り落とされ何処かへと飛んでいき攻撃されることはなかったのだ
「へっ?」
「ボーとしない! 攻撃のチャンスでしょうが!」
「は、はい!」
【サンダーボルト】
「グァァァァ!!」
特異型も私も一瞬呆然としてしまって動きを止めたけど先に動けたのは私の方でゼロ距離で魔法を放ちダメージを与えることに成功した
雷魔法で麻痺を付与したけど動けるようになるのは時間の問題………
ここで畳み掛ける!
【フレイムサイクロン】
魔法を唱えた瞬間に後ろに飛び退いていき距離を大きく開ける。私の全力で放った魔法は天にも届きそうな勢いで渦巻き燃え盛ってる。これで死んでなかったら結構ヤバい
「っつ」
【ヒール】
ルミナスが回復してくれたけど少しだけ気持ちが落ち着いたら痛みが一気に襲いかかってきた。さっきの一撃で両腕の骨にヒビが入ったかも
「ありがと、ルミナス」
「ふん、それより警戒しなさいよ。あの程度で死ぬとは思えないから」
「うん」
【闇風】
警戒していた時、やはり炎の中から暗く重たい声が響き
炎が消えていく。そこから現れたのは体が少しずつ削られて灰をこぼしながらこちらを睨む特異型だった
「優しくしていれば図に乗りやがって!」
【闇羽】
【エアーシールド】
慌てるように魔法で防御したけど黒い羽が突き刺さった瞬間、魔法が少しずつ消されていく。それを見たルミナスは私の首根っこを引っ張って直ぐ様離脱してくれた
「あんがと!」
「お礼は後! 来るわよ!」
私とルミナスは左右に別れ飛び退いて特異型の攻撃を避ける。さっきの炎の魔法を今度は纏っていて地面が少しだけ溶けてる。攻撃受けたら今度は一発で死んじゃうね
「ちっ?」
ルミナスは飛び退きながらナイフを投げて特異型に牽制していく。特異型はそれを手ではね除けたのだけど急に手を抑えルミナスを睨んだ
「じわじわと苦しめばいいわ」
おそらく毒が付与されていたんだ。しかも悪口の効果でステータスが下がってるから私とルミナス二人でもなんとか戦えてるから勝てるかもしれない
「………人間風情が。楽に死ねると思うなよ!」
【闇呪】
特異型から黒い霧が発生し私もルミナスも慌てるように距離を取るけど黒い霧が迫る方が速く逃げられない。そして、覆われた時には私もルミナスも体が思うように動けなくなってしまった
「くぅ」
「う、動けない」
必死に動こうとするのだけど体が言うことを聞いてくれない。そこに特異型が近寄ってきて私の体を蹴りあげた
「カハッ?」
何度も何度もボールのように蹴られ口から血が大量に吹き出てしまう。そして這いつくばって逃げようとした私の体を踏みつけられ腰の骨を折られてしまった
「アァァァァ!」
「優しくしてやれば調子に乗りやがって!」
このままじゃ死んじゃう。速く回復魔法をかけないと………で、でも、もう少しもう少しだけ耐えて
「ケホッ!」
「さて、死ね!」
【闇羽】
「アァァァァ!」
体から血がどくどくと流れ出ていくのがわかる。全身が熱いのに力がだんだんと抜けていく。視界がぼやけてきた。本当に限界かも………
【フルインパクト】
「ゲホッ!?」
「クロエ、よく我慢してくれたわ!」
「る、ミナス、と、くだいの魔法を使うか、ら、隙を作って?」
「わかったから喋らないの!」
【ヒール】
「第二ラウンドと洒落込もうか? 糞やろう!」
「何故生きてる? 殺したはずだ?」
「あぁん? 俺が簡単に死ぬかよ!」
そんなもん種は簡単でオランが私を放り投げた瞬間に陰口でオランをシールドの魔法で守っただけ
当然、戦いながらグレーターヒールで回復し続けていたから私はヒールを使えなかった
慣れれば両手で二人を回復とか出来るんだろうけ………今の私の実力じゃ一人を回復するので精一杯だから
「ハァ、ハァ、集中しないと」
オランが参戦したことで戦いは安定したけど勝てる戦いじゃない。その証拠にオランとルミナスの二人でも押されていて少しずつダメージを蓄積してる。あの闇呪とか言うふざけた魔法はアンチカースの魔法で解呪は出来るけど二人同時に出来なかったからルミナスを優先したせいで私は死にそうになった
それでも、私が参戦するよりかは遥かに安定すると考えたからルミナスを回復させた
もし、もう一度闇呪を使われてしまったら私たちは全滅するけどギリギリまで使わなかったし今も使う様子がないことから使う条件があるのかもしれない。それならそこが私たちの勝機だ!
「これで倒せなかったら私たちの敗けだ」
今から行う魔法は誰も成し遂げてない魔法で私が独自に作り出した最強の魔法
陰口があるからこそ初めて成り立つ魔法で、論理的に不可能だと言われ続けた魔法だ
古の賢者が作り出した魔法は二重詠唱まででそれ以上は人間には不可能とされてる
理由は幾つかあるけど同時に唱えられるのは二つが限界だったんだと思う。何らかの称号の力で二重詠唱を可能にしたんじゃないかと言われてる
それ以降、誰にも実現が出来なかったからそう言われてるみたい
「でも、私は四重詠唱を成功させたもんね」
二重は一人では不可能だけど二人なら可能とされていて実現は出来ない訳じゃない。だけど、古の賢者の二重詠唱は城をも吹き飛ばす威力だったと言われてるけど他人同士でやるとそんな威力にはどうしてもならない
その理由が最近の研究で解明されたのが人は一人一人魔力の波長が違うことがわかった
つまり、同じ人間の魔力の波長でなくては増幅されず他人同士ではただの二つの魔法を合算しただけの魔法と言うことになる
「絶対に成功させる!」
今は痛みを忘れろ、タイミングを見失うな、最高の瞬間を見付け出せ、絶対にここで倒すんだ!
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