相性最悪三人組
「さて、三人とも集まってくれたな」
団長室に最初に来たのは私で次にオラン、ルミナスの順番だった
オランは相変わらず怪我だらけでシュゲルツさんに相当痛め付けられたみたいだ
ルミナスは性格が変わったのか私を見ることもなく真っ直ぐ団長を見詰めていて私なんか論外だと言わんばかりに無視してる
あれだけ人のことを馬鹿にしといてその態度が逆に腹が立ってしまったけど今は無視だ
「先ずはクロエの状況から聞こうか」
「は~い♪ クロエっちは苛めに苛め抜いたけど最後までやりきったよ♡ やっぱり相当負けん気が強くて根性だけは騎士団のなかでも有数かもね。私との勝負も工夫に工夫を重ねて対策を何重にも張り巡らせてたし私は少なくとも合格させてもいいと思ってるよ♪」
褒められたんだろうけど馬鹿にされてる気がするのは気のせいじゃないよね? って言うか。やっぱり嫌がらせだったんじゃん。あんなキツイ訓練どうかしてるって思ってたけどやっぱり異常だったんじゃんか
「わかった。次にオランはどうだ?」
「俺の見解じゃやっぱりこいつは性根が腐ってるんじゃなくて腐ってる奴が許せない馬鹿でしたね。街での騒動はどれも弱いものイジメや暴力を振るってるもの、万引きやゆすりなどを発見して犯罪者を痛め付けたもの。喧嘩っぱやいのは馬鹿としか言えないですがちゃんとした対処を教えたらキチンとやってくれましたよ。まぁ、それでも未だに俺に歯向かってくる馬鹿ですけど俺としては合格としてもいいんじゃないですか?」
「うっせぇ!」
オランはいい人だったってことか。言動とかはあれだけど直せば問題ないぐらい強いんだもんね。これから同じ仲間になるんだし仲良く………なれると言うかなりたくないなぁ。怖いものは怖いんだもん
「よし、次」
「ルミナスは見事に称号を獲得し直ぐ様、使い方をマスターし大型を一人で同時に三体相手しても倒せるようになりました。実力は申し分もなく結果も残しています。問題ないかと」
「えっ?」
思わず声が漏れてしまった。称号って十三歳の一定時期じゃないと手に入れられないんじゃないの? もしかしてそうじゃなくても手に入れられるの?
「全員問題なさそうだな。改めてお前らの入団を歓迎する! だが、問題を起こしたり実力が足りないとわかればすぐに追放だ。常日頃から研鑽し行動に気を付けろ!」
「はい!」「………けっ」「了承しました!」
「次にクロエにはリーダーとしてこの二人を引き連れ頼んでいた仕事をあたって貰いたい。仕事の詳細はクロエに聞くように。では、解散だ!」
「えぇ? ま、マジで?」
思わず声が漏れてしまって団長がニヤリとこっちを見て笑っていた。副団長を見てもニコニコと笑顔を向けてるだけ。二人ともわかっててやってるよね? もう確信犯過ぎてなにも言えないじゃん
団長室から出た私たちに待っていたのは沈黙だけ。私から話した方がいいんだろうけど………
「む、むり」
ただでさえコミュニケーション能力が低いのにこの二人を連れて任務とか無理すぎる。一人はオラオラ系のヤンキーでもう一人は私を嫌っててイジメてた主犯。そんなの纏めあげろとか無理難題でしょ?
「おぃ!」
「ひゃ、ひゃい!」
「黙ってねえで何するかさっさと言えや! 殺すぞ!」
怖いよ、本当に心から怖いよ。この人に優しさとかないの? いい人だと思ったんだけどやっぱりいい人じゃないじゃんか
「え、えっと………」
「エミリア副団長からある程度は聞いてるから私が説明するわ。闇の魔物の調査とか村の状況確認、スポットの発見とかでしょ?」
「そ、それ! そうなんです!」
まさかルミナスに助け船を出されるとは思ってなかったけど助かった。くそぉ、これで帳消しになったとか思うなよ! あんたのことなんか大嫌いなんだから
「ならとっとと行くぞ! ちんたらすんじゃねぇぞ」
「えぇ………とぉ………」
「馬鹿でしょ? 準備を整えてからよ! 出るのは明日、言わなくてもわかるでしょうが」
「んだとてめぇ!」
「なによ? やるの?」
「け、喧嘩は駄目だよぉ」
この三人相性最悪じゃん。一人はオラオラだし一人は元イジメっ子、リーダーの私は臆病だしどうすればいいの? こんなの纏めあげれる自信ないよ
「つ、疲れた」
何とか自分の部屋に戻ってこれたけど、あの二人を宥めるのに全体力を消費した気がする。今から明日の準備とかしないと駄目なのに
「取り敢えずイヤリング三つに陰口セットしてと」
これは明日、副団長に渡しておけば団長と辺境伯様に渡してくれるだろうから問題なし。この後は地下に行ってそこから必要なアイテムを購入して………駄目だ。考えただけで目眩がする。あの二人を連れて歩くとか拷問でしかない。絶対に連れて歩きたくないんだけど
「一人で買い物出来るだけマシか。ゆっくり買い物しよ」
そして、今日はさっさと寝てしまおう。いい夢を見て明日からの苦痛の時間に備えよう
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