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ルナの試練 ②

「クロエちゃんとデートか♪ 楽しみだな♪」


「のわりには近寄ってくれませんよね?」


「だって………近付いたら陰口仕込むでしょ? 悪口のデバフも怖いしさ」


怪しく笑うルナ先輩は私を警戒して一定の距離から近寄ってこない。やっぱり陰口の範囲を熟知してるから簡単には近寄ってくれないか


陰口をセット出来る範囲は一メートルにも満たず敵にセットするのはなかなか難しい。そう簡単には引っ掛かってくれそうにないのはわかってたから別に構わない。これはディー先輩とブロンクス先輩の両者も言ってたから問題ないもん


訓練場に行くと数名の騎士が自主的に訓練していたけどルナ先輩が声をかけると場所を開けてくれた。今からルナ先輩をあっと驚かせて参ったと言わせるんだから


「言っておくけど模擬戦だからと言って私は手加減しないよ? 称号持ちの強さを知っておくのもいい教訓になるでしょうから」


【焔蛇之舞】


ディー先輩とブロンクス先輩からルナ先輩の戦闘スタイルは聞いてる。遠近両方を得意とし私と同じように攻撃もサポートも回復も何でもこなす万能タイプ

特に舞いから放たれる特殊な攻撃はどれもが強力無比で中型の魔物なら一撃で葬り去る攻撃力を持ってるとのこと

舞いの種類は二人が知ってるだけで十種類以上あり攻撃に四パターン、バフに三パターン、デバフに二パターン、回復に二パターン知ってるとのこと


その一つである焔蛇之舞は中距離から放たれる自動追尾攻撃

七匹の燃える蛇が敵として認識した対象を攻撃し続ける上に蛇は破壊不可能。破壊しても直ぐ様、再生し敵を狙い続けるのだから厄介極まりない


しかも舞いは半永久的に効果を及ぼし続けるから攻撃なら永遠に攻撃し続けるしバフやデバフも効果時間を切れるのを狙うとか無理。回復だってずっと傷をいやし続けると言うふざけた力を秘めてる


そんなふざけた舞いの能力にも当然ながらデメリットが存在してる

舞いは一度に一つしか発動させることが出来ず複数の舞いを同時に発動は不可能

そして、半永久的と言ったのは理由があって使ってる術者が舞い続ける必要があるってこと

そのデメリットを打ち消すため、ルナ先輩はスタミナを騎士団のなかで最も鍛えに鍛えてスタミナお化けのような存在になってしまったとのことだ


「つまり! ルナ先輩を攻撃すれば………すればいいんだけどムーリー!!」


【エアライド】


燃える蛇が四方八方から襲いかかってルナ先輩を狙う隙間がない。ルナ先輩は笑いながらこっちを見てる。自分の弱点を知られてるのはわかってるけどこっちにそれが出来ないとわかってるんだ

だからこそルナ先輩は陰口を警戒して私に近付かなかった。デバフの魔法を唱えられたら動きが鈍り舞うのが難しくなる。特に悪口なんて警戒しまくってるのはわかってる。ルナ先輩は私の側に居続けて悪口の効果を最も見続けた人だもん。発動条件に気付いていてもおかしくない!


【アイスキャノン】


蛇の頭を吹き飛ばしても一瞬で復活して無駄に終わる。やっぱり蛇を攻撃しても無駄だ。ルナ先輩を攻撃して動きを止めないと駄目だ


【ウォータースプラッシュ】


七つの頭を吹き飛ばして再生する前に一つの魔法を唱え突撃する。この一瞬にしか私の勝機はない!


【エアドライブ】


「ごめんね? みんな、そうするから対策出来ちゃうんだよね」


私は信じられないものを見てしまった。ルナ先輩は舞うのを一瞬止めて動きを止める。その瞬間、当然ながら焔の蛇は消えてしまう。そして………


【焔蛇之舞】


これは聞いてないんだけど!


舞いの効果を一旦キャンセルし再度、舞うことで強制発動させる。そうすることで離れていた蛇たちはもう一度ルナ先輩周囲から出現してくる。そんな使い方もあるなんて誰でもいいから教えてよ!


「くっ? 使いたくなかったけど」


【トルネード】


七つの頭が一斉に正面から向かってきてくれたのが幸いだった。一辺に吹き飛ばせたから攻撃を避けることは出来たし逃げる時間を稼げた。これは早々に作戦を実行した方がいいかも


【サンダー】


私が魔法を唱えると手のひらから小さな稲妻が発生して焔の蛇の頭を吹き飛ばす。それと同時にルナ先輩の後ろからも魔法が発動する。歩いて通ってきた時にあちこちに陰口をセットしたんだもん。これには………うっそー


「残念でした♪」


ルナ先輩の周囲から更に二本の焔の蛇が出てきて攻撃から守った。本当は九本なのを隠して七本しか出さなかったとか卑怯じゃないですか! 本気で私を倒そうとしないでよ!


「先輩なんだから手加減して下さいよ!」


「しないって言ったでしょ? それに手加減して負けても私は参ったって言わないよ? それでもいいの?」


「それは困ります」


ルナ先輩は本気で私を倒そうとしてる。これは本当に作戦通りだ。ディー先輩とブロンクス先輩に感謝しないと駄目かも。ルナ先輩は油断をしないし隙も見せない。不真面目に見えて実は一番の努力家だと聞かされた


「だから私の指導員なんだ!」


私と同じタイプの万能タイプで努力家。それがわかってるからこそルナ先輩に認められる実力を示せ。団長はそう言ってるんだ! なら、私が見付け出した無敵のコンボをここで披露してやるんだから!

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