成果を出せ
「単刀直入に言う! お前たち三人は我が騎士団に相応しくなく実力も経験も全く足りていない。つまり、この一年で我が騎士団に相応しいと思われるだけの実績を上げてこい!」
「「「………」」」
思わず三人とも沈黙してしまっていた。わかっていたつもりだけどわかっていなかった。私はどうやら浮かれていたみたいだった。だって団長の放つ言葉に何一つ言い返せなかったからだ
「先ずクロエ!」
「はい!」
「確かにスポットの早期発見や村の救護活動は称賛に値するが中型の魔物三匹程度も一人で倒せない酷い有り様。あの程度、我が騎士団は称号持ちでなくても一人で解決できてしまう! 圧倒的な実力不足と経験値不足! 称号持ちなら一年で大型を一人で十は倒してみせろ!」
「じゅ、十ですか?」
「文句があるのか?」
「ありません!」
大型の魔物はゴートンランガさんがいたからこそ私は倒せたけど私の魔法じゃ傷一つ付けられなかったのが現状だ。つまり、単純なパワー不足でもっと魔法の威力を高めないと駄目ってことだ
「次にオラン!」
「あぁん? 俺は一人で大型なら二十はいけるぜ?」
「実力ではなくお前の場合は性根が腐ってる! 私を倒して最強になりたいと言うのならば先ずは住民に認められてこい! お前はスタートラインにさえ立ててないことを自覚しろ!」
「ちっ、うっせぇな」
「出来ないなら出ていけ。別にお前など必要としていない。お前が私を倒したいと言うから連れてきてやったのだ。口先ではなく行動で示してみろ!」
「………ちっ」
同い歳なのに大型を倒せるとか凄すぎでしょ! 喧嘩腰で喧嘩っぱやいのはよく聞いてたけど大丈夫かな? 同じ新人なんだから出来たら仲良くしたいけど………
「なに見てんだよ?」
「ご、ごめんなさい」
めちゃんこ怖いんだよね。この人と仲良くなるのは無理かも
「次にルミナス! 戦術の成績や魔法試験の好成績は確かに凄いが称号持ちがいなかった場合での成績なのは自覚あるな?」
「………はい」
「確かに通年ならお前ぐらいなら称号を貰えてもおかしくない実力だ。実力者が集まった今回は運が悪かったと言える………が! その程度で諦め挫折したお前に価値はない。それでも諦めず努力した女がクロエだ! お前が卑下にする価値はないと思え!」
「は、はい」
「お前は私に直談判しクロエよりも優秀な結果を残せる自信があると断言したな? 残してみろ。クロエは既に辺境伯に認められ村を一つ救っている。確かに半年先に入団し期間はあったがだからどうした? ここは闇の魔物がもっとも出没する最前線だ! 結果を出すにはいい場所だと思わないか? 口先だけではないと言うこと証明してみせろ!」
団長が私の代わりに怒ってくれた。それだけで凄く嬉しいし心がスッキリしていく。そんなルミナスは悔しそうに唇を噛み締めていた。一応貴族様の出身で平民の私に負けることが許せなかったんだろうけど私だって負けられない理由があったんだしイジメるのは間違ってる。怒られて当然だから助け船は出しません
団長が団長の仕事をしてる。やはりこの人は凄い人で口先だけではないと私に知らしめてくれる。頑張って気を引き締めないと。団長の期待以上の結果を出さないと駄目なんだ!
「話は以上だ。冷たいことを言ったが裏を返せばお前たちに私は期待している! これ以上の言葉は必要あるまい。行け、私が信じたお前たちなら出来ると言うところを見せてくれ!」
「はい!」「けっ」「頑張ります!」
絶対にルミナスなんかに負けられない。負けてたまるもんですか。もっともっと頑張って強くなるんだからね
「それではお三方、私からも話があります」
部屋を出ようとするとエミリアさんが笑顔で話しかけてきた。一番最初に振り向いたのはルミナスで次に私でキョトンとしてしまいオランなんてエミリアさんを睨んでる。オランからすれば誰でも敵なんだろうな
「それぞれに指導員を付けます。クロエにはルナを、オランにはシュゲルツをルミナスには私が付きますので」
「や、やった!」
「………」
「いらねぇよ」
「これは団長と話し合った結果、一番それがいいだろうと言う話になりました。では、ルミナスさんは残ってください。二人は扉の向こうに待ってますので彼らの指示に従ってください」
何でルミナスなんかが副団長直々に指導を受けれるの? 私だって副団長がよかったしそれだけの付き合いがあると思ってるのに。やだ、こんな感情やだ。団長だって副団長だって嫌がらせでこんなことをしてる訳じゃない。考えないようにしなきゃ
「おっ、クロエっち♪」
「よっ、オラン! 行こっか」
「あん? 何でてめぇに従わ………ガハッ?」
「俺に一撃与えられたら好きにさせてやる。それまで黙って付いてこい」
「てめぇ!!」
「おっ! 喧嘩だ喧嘩♪ どっちも頑張れ」
シュゲルツさんが強いのは当然ながら知ってる。だけど、本当にオランはものすごく強い。私だったらとうの昔にやられてるぐらい鋭い一撃が次々と放たれてる。なのに、赤子を捻るかのようにシュゲルツさんは笑いながら何度もオランを地面に叩き付けてる。最終的にはオランの両腕の骨を折って顔面を地面に埋め込んで気絶させた。そして、髪を掴んで何処かへと連れ去っていった
「………」
「えぐっ、ヤバくない? シュゲっちも優しくなったね♪ 昔なら容赦なく殺してたろうに」
「えっ?」
「ふふっ、クロエっちも行こっか。私は暴力反対派だから安心してね♪」
背中を押して私を連れていくルナさんは明るくていい人に見えたけどここからが地獄だった。一番の外れくじを引いたんじゃないかと思えるぐらいに
いいねや高評価してくれると嬉しいです。ブックマークが増えると作者は小躍りします。誤字、脱字の報告何時でも受け付けてます




