新人はまさかの三人でした
「今日はよく集まってくれた! 全員がこの場に揃うことは滅多にないが我らの騎士団に新人が出揃ったのでな! 自己紹介して貰うことにする!」
休みから二週間後、私は基礎訓練と辺境伯様の依頼をこなしつつ静かな毎日を過ごしていた
エミリア副団長が帰ってきたのは三日前でスポットは小さかったようで想定以上の被害が出ることなく怪我人数名で解決が出来たようだった
帰ってきて早々、エミリア副団長に言われたことが私の頭から離れない
《クロエにはこれから調査依頼が舞い込むでしょう。命の危険が多くなる仕事です。気を引き締めて当たって下さいね》
その言葉通り、私は訓練を終えたら各地域を定期的に循環する仕事を団長から直接言い渡された
これは責任重大で絶対に失敗の許されない仕事だ。正直もの凄く怖いけど震えてなんかいられない。団長にお前なら出来ると信じてると言われてるんだから
「では、右から自己紹介しろ!」
そんなことよりも気になることが二つある。その一つ目が………
「うぃっ。俺は喧嘩屋の称号を持つオランだ! 喧嘩上等、ここにいる先輩、全員ボコるんで夜露死苦」
早速、騎士の先輩たち全員に喧嘩を売ったのはオランと言うヤンキーみたいな男
こいつが話題の問題児らしくあちこちで問題を起こしてる新人騎士
そのオランは私を敵視していて明らかにライバル視されてるのがわかる。私だって負けられないんだからね
「その息だ! 私も是非超えて強くなってくれ。次!」
「はい! 皆さんのご存じの通り、嫌われ者の称号を手にしたクロエです! 先輩たちに負けないように切磋琢磨しますので宜しくお願いします!」
私の顔はある程度知られていてみんな優しい笑顔と拍手で歓迎してくれた。オランの時と全く反応が逆でオランなんか睨まれてもいたもんね。まぁあんな言い方したらそうなるのも仕方ないけど
「みんなも知っての通りスポットの発見や村を早速救ってくれた期待の新人だ! クロエに先輩の意地を見せてやってくれよ!」
「「「おぉ!!」」」
「よしっ、次!」
今年の新人は三人で一番の問題が次の人なんだよね。団長はなんでこの人を連れてきたんだろうか。私がイジメられてることを知らなかったんじゃないよね?
「はいっ! 私はそこの嫌われ者の称号持ちと同じ学校に通っていたルミナスと申します! クロエよりも立派な活躍が出来る自信があります! 宜しくお願い致します!」
拍手はまばらでそれなりに歓迎されてるって感じ。でも、私は歓迎出来ない。だって私をイジメていた主犯の女なんだから
「ライバルの誕生だな! お互い切磋琢磨して頑張ってくれ。では、全員の自己紹介してしまうと日が暮れてしまう! 称号持ちだけ君たちに名乗ろうではないか! 先ずはシュゲルツ!」
「うぃー。逃げ腰のシュゲルツって呼ばれてる。称号はスナイパー。平凡な男だけどよろよろ」
シュゲルツさんは私を見て手を振ってくれた。 シュゲルツさんの称号はもちろん知ってるし腕前も知ってる。騎士団の一番高い塔はシュゲルツさんの仕事場でもあると聞かされた時は本当に驚いた。だって、あそこから街中の敵を発見し矢で仕留めれる腕前なんて凄すぎるもんね
「よし、次はゴートンランガ!」
「おぅ、わしはゴートンランガ。称号は術戦士だ」
相変わらず体が大きくて身長なんて二メートルを軽く超えてる。顔も体も傷だらけだけどそれだけ最前線で戦ってることを意味してる。目があったから笑顔で手を振ったら沸騰して倒れちゃった。シュゲルツさんが慌てて支えて騎士の人たちが呆れた顔でタンカーで運んでいった。後でもっとからかって遊ぼうっと
「全く、次はルナだ!」
「はーい、この騎士団の紅一点のルナで~す♪称号は舞踏師、新人の三人さんよろしくね♡」
和服と呼ばれてる東洋の服装で丈は短いし胸の谷間が見えてる。あんなエッチな格好でいいのかなと思ったけど本人は気にしてない様子。本人がいいならいいんだけど私としてはどうなんだろうと思ってしまった
「相変わらず可愛いぞ! では、副団長、自己紹介してくれ」
「はい、私の名前はエミリア、お三方には既にお会いしてますし自己紹介も済ませてますが称号を教えておきますね。私の称号は月姫となっています。改めて宜しくお願いします」
相変わらず丁寧で見てるだけでドキドキしてしまう。エミリアさんの優しそうな笑顔は本当に心から救われちゃうもん。時々悪戯っ子のような意地悪もしてくるけどね
「最後に私だな! 自己紹介する必要がないぐらい有名な自信があるが一応名乗ろう! 閃光のバーニアと呼ばれていて称号は光の勇者だ! 三人ともヨロしくな!」
この人が人の国で最強の一角を担ってる伝説の人だと思うと感動してしまう。あまり会う機会がないしいつも騎士団にいないから見かけもしないけどこんな凄い人にスカウトされたんだと思うと涙が出そうになるよ
「自己紹介はいいだろ。三人とも団長室へ来るように。君たちの今後の活動方針を話すからな」
「はい」「うぃ」「承知しました!」
私たち三人は団長と副団長に連れられ団長室へと向かっていく。まさか信じられないことを告げられてしまったのだから
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