タンポポとドクダミの段
たちの悪い種族の人間がいる。気を付けていたのだが、いつのまにやら我が領地に侵入してきてしまっていた。奴らの最大の特徴は可憐であることだ。華やかでもある。奴らはその姿をもって我らを欺く。人畜無害そうな見た目に若輩者はいともたやすく騙され、吾輩のしもべなんかも数年前までは見かけるたびに胸を躍らせていた。
片隅にあの姿を見つけた時は頭を抱えた。奴らが現れてしまったらもうおしまいなのだ。
何度屠ってもやつらはすぐに蘇る。気味の悪いことに同じ個体が何度でも復活する。一方ですさまじい繁殖力を活かしてどんどん仲間を増やしもする。
ほんと嫌。なんなのその図太さ。なお、似たような特性を持つすごい臭い種族もいる。こいつもまた臭いけどきれいっちゃきれいではある。なんで知っているかというと、やっぱり領地の端っこにいつのまにやら住み着かれたからだ。一応倒してみたら、断末魔はまたひときわ臭くて以降手を出すのに躊躇している。
嗚呼なんたることだ、来られたら終わりと思っていた奴らがまんまと来てしまった。いっそのことたちが悪い同士、お互いに食い合って滅べばいいのに。いやでもそれを待っていたらいよいよ我が領地はわくわく人間ランド堕ちしてしまう。最悪、わくわく人間シーもできてしまうかもしれない。
いやだ、我が領地にわくわく人間リゾートができるなんて。根絶やしは難しくとも、せめて城に近づかぬよう目を光らさなければ。
愚かなる扇情の種よ、貴様らに呪いあれ




