第十話 責務
結局、道は決まっていて。
当然、結末は分かっていて。
必然、その通りにしかならなくて。
だからこそ、自分の選択だけは後悔したくない。
それが、犠牲を払う道でも。
せめて選んだ道だと思っていきたいから。
ガタガタと揺れる軽トラックの振動が、麻痺しかけた思考を揺さぶる。
助手席の僕は、ただ膝の上で握りしめた自分の拳を見つめていた。
ハンドルを握る秋山さんは、一言も発しない。
その横顔は、岩のように険しいが、そこには怒りではなく、沈痛な色が浮かんでいた。
「……君が責任を感じる話じゃない」
僕の家の近くで車が停まる。
秋山さんの声は、低く、諭すようだった。
「前に言ったろ。君は大人の事情でここに来ただけだ。……子供の君が背負う必要はない」
「でも! ヒビキさんが……紫音さんだって!」
「わかっている!」
僕の反論を、秋山さんが強い口調で遮った。
彼はハンドルを強く握りしめ、悔しそうに歯を食い縛る。
「わかっている……。だが、どうにもならんこともある。我々は、約定の中でしか生きられない」
彼はふと、僕の方を見た。その目には、どこか懐かしむような、そして申し訳なさそうな色が宿っていた。
――やめてくれ。あなたがそんな顔をする必要なんてない。
「……夜が明けたらこの村を出ろ。そして忘れなさい」
僕は何も言い返せなかった。
車を降りると、窓に向かって頭を下げる僕に、秋山さんはポツリと呟いた。
「そうだ、お父さんに伝えてくれ。やるだけの事をしてくれたのは分かってる、と」
それがどういう意味なのか、ぼくにはよくわかっていた。罵倒された方がまだましだ。
そのまま車は夜の闇へと消えていった。
鍵を開け、真っ暗な家に入る。
電気をつける気力も起きない。僕は居間へと上がり込み、泥のように座り込んだ。
頬に、紫音さんに叩かれた痛みが蘇る。
手に、ヒビキさんの手の温もりが残っている。
『あなたが余所者だからよ』
『子供の君が背負う必要はない』
みんな、僕を守るために、僕を拒絶した。
優しい人たちだ。本当に、どうしようもないくらい優しい人たちだ。
倒れていた母の写真を起こす。
――母さん。
思考が泥沼に沈んでいく。
ジリリリリリリリリ!!
静寂を引き裂いたのは、黒電話のけたたましいベル。
ジリリリリリリリリ!!
ジリリリリリリリリ!!
まるで僕の逡巡を責めるかのように、それはなり続ける。
溜息を一息つく。僕は目の前の受話器をのろのろと持ち上げた。
「……もしもし」
「あ〜もしもし、フツオか? 今大丈夫か?」
受話器から聞こえてくるのは平素と変わらぬ父親の声。
「うん……仕事はどうなの?」
「ほとんど片付いたな。いちばん厄介な部分もなんとかなった」
いつもと同じ太平楽な調子が、今は妙に癪に障る。
「そっか……終わったんだ、仕事」
「ああ、意外に早く片付いてお前も残念かもしれないが、引っ越しの準備を……「ふざけるなっ!!!」」
気づけば電話口に叫んでいた。
「何も終わっちゃいないじゃないかっ! ここの【討ち漏らし】はどうするつもりなんだよ!!!」
腹の底で煮えたぎる怒りが、押し殺しきれず声にでる。
「……フツオ、お前も知ってるだろ? 私たちの【仕事】は常に人手不足で、優先順位がある」
そう答える父親の声は先ほどと一切変わらない。なんなら優しげでさえある。
それがたまらなく腹立たしい。
「この村のことはさ、ずっと知ってたんだよね?」
「ああ、正確にはもう百年以上になる。外の人間を巻き添えにしようとせず、自分たちで戦い続けてきた……」
「――そう言う人達を助けるのが、僕たちの【仕事】なんじゃ無いのかよっ!!」
「…………そうだな。それが我ら【刀伊祓い】の使命だ」
刀伊祓い……正しくは外夷祓。現世の外外より来る夷狄を祓うモノ。忌まわしき我が家の稼業。
古来より、人外のモノは、人の声を真似ることはできても、同じ言葉を繰り返すことができないとされている。だから「もしもし」と必ず声をかけるのだ。電話の相手が人間であることを確認するための儀式。
そんなバカみたいな事を大真面目にやっている連中だ。
少なくとも今までずっとそう教わってきた。それがいやで、普通の生き方と言う奴を選択してみたくて、目をそらしていたのに……。
「いいか、フツオ。その村にいるのは眷属の一柱にすぎん。おおよそ150年ほど前に食われた奴の成れの果てだ。狡猾で力も侮れないが、序列としては中の上と言ったところだろう」
「でも、それならなんで――」
「なあ、フツオ。……その理由はお前もよく分かっているだろ?」
父さんの淡々とした言葉に、言葉が出ない。
強大な力を持つ存在を討つには手間が懸かる。
いきなり頭を潰すのはリスクが高すぎる。仕損じて報復に一地方が吹き飛ぶレベルの祟を食らっては目も当てられない。
まず本体の手足となる《《序列の高い眷属を先に始末する》》のだ。そうして本体に力を上納している経路を断つ。そして一気呵成に本体を討ち取る。
数百年と膨大な犠牲の果てに生まれた定石である。
「大本とその周囲の有力な連中は、こちらでほとんど始末した。とはいえ残党全てを始末するには時間も人手も足らん。それはお前も知っているだろう?」
――そんな事は嫌というほど分かってる。
幼い頃から回りの大人たちに耳にタコが出来る程聞かされてきた。
「でも、主だった連中はもういないんだろ? なんでアイツは贄を求めるんだ」
首魁含めて父さんたちが討ち果たすと分かっていたからこそ、追い払えれば良い、という結論に達したのだ。
「我々のやり方も完璧というわけじゃない。このやり方は一つ欠点がある。上の統制から解き放たれた枝葉の眷属たちはどうすると思う?」
「……まさか!?」
「そうだ。今度は自分が【親】になるために行動する。より貪欲にな」
――今よりもさらに貪欲に……。
アレが普段にない行動を取ったのはその為だったのだろう。
眷属であると言う事は大きな怪異の力の一端を端末として行使できる反面、その在り方に縛られる。
だから、あくまで約定のとおりに「祀り」を行う体を守っていた。だが、その約定によって村を保護すべき相手であるより上位の怪異や他の眷属はもう居ない。
つまり約定を守って「祀り」を行ったところで字久良さんやヒビキさんは……。なにせ、怪異は「保護の必要が無くなったら捧げられた贄を帰さなければならない」と言う約定は結んでいないのだ。
故に怪異からすれば約定を破った事にはならない。
――だから笑っていたのか。
嗤っていたのだ。愚かな人間が何も知らずにありもしない希望に縋る様を……。
嘲笑っていたのだ。これから得る事の出来る絶望の味を想像して……。
「……」
「我々はいつも間に合わなかった……だが、今回は違う」
いつもとは打って変わった決然とした口調。
「お前が今そこにいる」
どうやら、僕の考えはとっくの昔に見抜かれていたらしい。
「……最初からそのつもりか」
僕をこの村に送った理由。すべてはこの村とそこに生きる人々を見せる為……。
「もちろん。何事も最初が肝心だ。そこは良い村だろう? 我々が何の為に戦うのか、フツオにはきちんと理解して欲しいからね」
悪びれる事もなく父さんは平然と答えた。
「…あんた絶対まともな死に方しないぞ」
「我々の一族はみんなそうだよ。せめてお前には畳の上で大往生してほしいが」
「っ……どの口で!!」
その地方が吹き飛び、国家が転覆するような災害が一地方村落に転がっているならば、それに対抗する手段を打たないバカはいない。
そうしなかったなら、とっくの昔に滅びている。
なら、どうすればいい?
特別な存在を生み出すために環境を整える。
それを教育する。
それらを支える組織を用意する。
使えるものは何でも使う。使えるように丁寧に作り上げる。
そうして生まれたのが、我が家の家業。
怪異殺しの集団「刀伊祓い」なのである。
「それで? お前はどうする? 勿論、私が来るのを待ってもいい……」
相変わらず父親の声は穏やかだった。その声には咎める色はかけらもない。
「……」
真実、咎める気はないのだろう。ここでどういう選択をしたところで、その結果を噛みしめる羽目になる事には変わらないからだ。
「それがこの世界の真実で、お前の現実だ。それで――お前はどうしたい?」
――だから、こんな稼業なんて大嫌いだった。
普通の生活が、「人並みの青春」が欲しかった。
――それでも……。
開けずにいたトランクを見る。
この箱を開けなければ、まだ普通のふりを続けられる気がしていた。
――もう知らないふりをするのだけは御免だ!!
「……やる」
「なに?」
「乗せられてやる、って言ったんだ!!!」
言いながらトランクを蹴りあけた。重たい音とともに上蓋が跳ね上がる。
「結構。それでこそ我が息子だ」
本当に誇らし気な声音。真実、掌で転がした愉悦など欠片もない。
この人たちはいつもそうだ。冥府魔道を善意で舗装して、懇切丁寧に誘うのだ。
だからこそ、今までこの国は存続する事が出来た。
――そうしなければ、生きてはいけなかったから。
理解できてしまう自分が一番腹だたしい。
トランクの中に詰め込まれていたのは、誰かに見られれば通報不可避であろう武器の数々だ。
物心ついた時からこの「仕事」の為に必要な全てを叩き込まれてきた。
受話器を肩に挟んだまま、僕はケースの中身を掴みだしていく。
銃身と銃床を短く切り詰めた上下二連式の散弾銃、銃弾、護符、霊水の入った小瓶に、籠手や鉢金。重く冷たい武器の数々が広げたブルーシートの上でゴトリと音を立てる。
そして最後に取り出したのは、鋼で作られた「面頬」。牙を剥き出しにした狗の形相を模して造られたそれは、刀伊祓いの証にして「人類の走狗たれ」と言う理念の象徴。
僅かに鼻をつくのは、鉄と焚き染められた末香の匂い。
その想いに突き動かされるように、僕は散弾銃を手に取った。
銃身を折る。 その冷たい銃身の奥を覗く。異物はない。
逆さにした散弾の箱からニ発の実包を掴み、薬室へと滑り込ませた。
銃身を戻すと、室内の静寂を金属音が一瞬乱した。
――あいつは嘲笑っていた……。
――あの子を泣かせて……奴は嗤っていた。
――あの人達を、奴は嘲笑っていた
学ランの上から様々な弾の差さった弾帯を締める。
襷にかけた負い紐を散弾銃のグリップについたリングに引っ掛けた。
――自分より誰かを守ろうとしてきた人達を……。
視界が明滅する。
―――そんな人たちの想いを、
苦しみを――
アイツは嘲笑いやがったんだ!!!!
「怒ってるな。フツオ」
父親の静かな声。
「怒りはな、人の足を支える最後の杖だ」
「っ……! 今は、そういう話をしてる訳じゃ――」
「――そういう話だ」
初めてだった。父さんがこんな風に僕の話を遮るのは……。
「フツオ――怒りを燃やせ」
穏やかだが決然とした言葉。それが心に沁み込むように響く。
「理不尽と言う闇の只中でも、その炎を決して絶やすな」
――これは「正義」のためじゃない。
「他人のため」ですら、ない。
最後に目の前に置かれた面頬を見る。
牙を剥き出す、犬の形相を象ったそれ。その裏に刻まれるのは「遍く人間の番犬たれ」と言う願い。
――理不尽に流されるのが許せない。
それを顔の下半分に装着し、カチリと留め金を締める。
――これは全部、ぼくが納得するためだ。
床の間の祭壇に置いた三鈷を手に取る。
いまこの瞬間もアレは愉悦に浸っているのだろう。この先もその欲望のままにむさぼっていくのだろう。
そう思えば腹の底より湧き上がるものがある。
刹那、手に取った三鈷が伸長する。伸びた中央の突起の周囲にあふれ出した深紅の光が幅広の大刃を形成する。
不動倶利伽羅金剛剣。それは持ち主の憤怒を刃にする法具……。古より伝わる怪異殺しの呪い刀を模倣したそれ。
この怪異の溢れる世の中にあって、曲がりなりにもその脅威に対抗できるのは、恐るべき呪物を複製してこうした法具を作り出す「なりふりを構わぬ執念」があるからだ。
鏡に映った自分は、もうただの高校生ではなかった。
「……父さん」
最後に電話口の父に向けて頭を下げる
「なんだ?」
「…………ありがとう――いってきます!」
電話口の前の父が少し驚いていたような気がした。
「行ってこい、我が息子よ」
山道に、松明の明かりが揺れている。奥社での儀式を終え、下山する村人たちの列だ。
重苦しい沈黙の中、誰しもが口をきかず、振り返ることも許されず、ただ足元の闇を見つめて歩いている。
先頭を歩くのは、神主の字久良影治と、猟師の秋山。
影治の足取りは重く、まるで魂を抜かれたようにふらついている。無理もない。彼はたった今、実の娘を死地へ置き去りにしてきたのだから。
ジャリ……ジャリ……と、前方の闇の中より砂利を踏みしめる重い音が近づいてきた。
「……!?」
秋山が素早く猟銃を構え、松明を掲げる。
闇の中に浮かび上がったのは、異形。
顔の下半分覆う、牙剥く犬を模した面頬。頭に巻いた鉢金との間から見える目は、静かに燃えるような眼光を滾らせる。
黒い詰襟の上に、たすき掛けにされた弾帯、手には短く切り詰めた上下二連の散弾銃。
「……刀伊原、さん?」
影治が、震える声で呟く。
かつてこの村を訪れた怪異殺しの組織から派遣されたと言う男。村の男たちが願ってやまなかった快挙を成し遂げた者。
だが、その様相は彼らの記憶のモノとは違った。
近づくにつれ、彼の着ているのが学生服だと言う事が分かる。面頬の隙間から見える顔も、ずっと若々しい。
「……君は――フツオ君か」
秋山が呻くように言った。
その言葉に、「さっきの坊や」と村人たちがどよめく。
あのひ弱そうな余所者。ただの子供とは思っていなかったが……。
その目に宿る冷たく鋭い殺意は、父親のそれを思わせる。
「君もそうだったのか――」
フツオは足を止めず、彼らの横を通り過ぎようとする。
その迷いのない歩調に、秋山も村人たちも黙って道を譲った。
「待ってくれ……!」
そう言って、彼の足元に転がるように跪いたのは神主である影治であった。
村の有力者としての威厳も、大人のプライドもかなぐり捨てて、影治はフツオの足元に縋り付いた。
「頼む……! 紫音を、ヒビキちゃんを……娘たちを助けてくれ!!」
涙で顔をくしゃくしゃにした男の懇願。
フツオは立ち止まり、影治を見下ろした。
「我は外夷祓」
鉄の面頬の奥から放たれる、くぐもってはいるが確固たる意志を感じさせる声。
「――現世の外より来る夷狄を祓う」
その瞬間、影治はその背から立ち上る焔の如き殺意を幻視した。
遠ざかる背が、なおくっきりと分かるほどのそれは、並々ならぬ決意と信念の為せるわざか。
影治たちは、その姿が見えなくなるまで、ただ頭を下げ続けていた。
薄闇の中に揺れる、松明の微かな灯り。
「召し役」を運ぶ籠、そこに小さく開けられた景色だけが外界の様子を見る唯一の手段だ。
奥社の境内。両脇に焚かれた松明、が古ぼけた社殿の扉を僅かに照らしている。
ひんやりとした少し湿った夜気の中に混ざる土と草木と焦げた薪の匂い。
籠の周りを囲うように置かれた松明から、ときおりパチパチと火の爆ぜる音が聞こえる。
外から遠く聞こえるのは、祭りばやしだ。この籠が止まってからどれほど経っただろうか。
紫音は、手のひらで顔を覆った。
――怖い。
身体が、理性とは裏腹に、ガタガタと震えを止めることができない。
乱暴に引きちぎられた片腕、叔母の棺の中にポツリと残されたようなそれを鮮明に思い出す。
――ヒビキ。
私の友達。最後の最後まで私の為にその身を賭してくれた親友。彼女の片腕を棺に収めるのはごめんだ。
そう思う事だけが、今の私を奮い立たせている。
刹那、妙に空気が重くなるのを感じた。草木の中に混じる生臭い匂い。
松明の灯りの届かぬ闇の中から、確かに何か巨大なものの息遣いが聞こえる。
『紫音……紫音……マッテタ』
唐突に、見知った声が聞こえた。
『紫音……キテクレタ』
『ウレシイ』
『ウレシイ』
――これはヒビキじゃない。
カチカチと鳴り始めたのが、自分の歯の鳴る音だと紫音は今更に気づいた。
―――お母さん、お父さん、ヒビキ!!
そう思った瞬間、ミシミシと籠の上部が悲鳴を上げる。
まるで箱を開けるようにむしり取られた屋根。その上部から覗き込む何かと目が合う。
影だ。恐ろしく長身で、人の形をしたそれがニタリと笑ったように見えた。
その大きな影が手に持っているのは人形のようにぐったりした何か。
ピクリとも動かない。息をしているのかさえ分からないその姿を見て、紫音は思わず叫んだ。
「ヒビキ!!」
そう叫んだ瞬間、影たちが一斉に嗤った。
人のようなそれでいて明らかに人のモノではない嘲笑。その定かならぬ正体とは裏腹に、そこに込められた悪意だけはハッキリと分かる。
ガチガチと歯は鳴り続けている。それでも紫音は箱の中で立ち上がった。
「山入様、約定に従い…召し役が、参りました。ヒビキを、嫁役をお戻しください」
『カワリ……ミガワリ』
『シラナイ……』
周りでもう一度嘲笑の声が上がる。
「は?」
『ミガワリ……シラナイ』
『ソノ娘……ミズカラ……サシダシタ』
悪意に満ちた嗤い声が紫音の周りを取り囲む。
体に力が入らない。この化物共はいったい何を言っているのだろうか。
「……約束を、破るつもり!?」
何とか言葉を紡ぎだす。そんな事が許されるなら、今までの犠牲は何だったのだろう。
『サシダサレタモノ……モラウ』
『モラウ……約定ドウリ』
紫音は、人形のように抱えられたヒビキの体から目を逸らせなかった。
「違う! やめて! 貴方たちにそんな権利ない!!」
怪異たちがニタニタと笑いながら、彼女の四肢をその手に掴む。
棺の中にポツンと残された腕。半狂乱になって泣き崩れる母。
幼い頃に最後に見た叔母の少し寂しげな笑顔。
様々なモノが紫音の脳裏を駆け巡る。
「お願い!! やめて!!!!」
紫音の叫びが闇の中に響いた刹那、怪異たちのニヤけた表情が凍り付いた。
直後、一斉に境内の入口の方へ振り返る。
「――じゃあ、交渉決裂って事で良いんだよな?」
「え?」
闇の中から声が響いた直後、銃声が夜の帳を切り裂いた。
と言う事で実は出オチ的な作品でした。
もともと「ホラーの典型的な巻き込まれ主人公が実は怪異スレイヤーだったら」というコンセプトで執筆しました。
なので結構ミーム優先で書いてます。主人公のモデルはFPS「DOOMエターナル」の主人公「ドゥームスレイヤー」です。
あちらの場合「戦って理不尽を蹴散らす主人公」=「海兵隊員」みたいなミームがあるので、それを日本風に直すと「戦って怪異を倒す主人公」=「男子高校生」というミームになるかな、という発想で書いて見ました。
みなさま引き続き楽しんで頂ければ幸いです。




