LV360 模倣
剣術勝負においては、以外にも口だけと思われたイレイザの方が押していた。暗黒大陸渡航に向け彼なりに努力していたのであろう。
「さあ、どんどん行くぞ」
「やるな!」
イレイザは剣に炎を纏わせる。
「くらえ、豪炎煉舞!」
剣を受け止めた、リザイダの肩がぶすぶすと焦げる。
「なるほど……そういう使い方があるのか」
「ますいのう」
「なにが?」
リザイダは、イレイザをマネる。リザイダは自身の剣に黒い炎を纏わせたのだ。
「やはり、魔界の炎だのぅ」
「それまずいの?」
リザイダは、イレイザに切りかかる。嫌な予感を察知したイレイザは相手の剣を受け止めず、躱す事を選択した。
綺麗に躱したイレイザであったが、黒炎の剣から飛んだほんの数ミリの火の粉がイレイザの鎧に付着する。その火種は少しずつ大きくなりイレイザを燃やしだした。
「なんだこの炎。消えねえっ」
やがて炎はイレイザを包み込む。
「しまった。これでは剣術勝負にならない」
「ぐああああああ」
「メロ! 出番だ」
フミヤは、カバンの中で休ませていたメロをイレイザに向け投げた。
「モキューー」
メロが大きく口を開け、体内貯蔵していた水を放水すると、イレイザを包んでいた炎が消えていく。
「モキュッ」
「メガヒール!」
ヴィオラはイレイザをすかさず回復する。
(なんだこのスライムは? 俺の魔界の炎は単なる水では消えないはずだぞ)
リザイダは少し戸惑っていた。
「まあいい、それよりスライム今度はお前が相手か?」
リザイダは再び剣を構える。
「モキュウーー」
※メロは巨大化した。
「えっ?」
リザイダは大きく上を向いた。
※メロ、会心の一撃。
メロの振りかぶった拳が、リザイダを完全に捉えた。
「ぶべぇ」
奇妙な声を上げ、リザイダは遠く吹き飛ぶ。
※リザイダはピクピクしている。
※メロは魔王リザイダを倒した。
それはあっけない幕切れであった。もはやメロは四層の魔王でも歯が立たないほどの成長を遂げていたのである。
そして、メロはこの時を境に進化のための深い眠りに就くのだった。




