✒ 【 僕ら、遺跡探検隊❗】 遺跡風ランダムダンジョン 3
──*──*──*── 地下10階
地下10階へ下りて奥に進んで行くと、地下9階よりも多くの子供達の死体が転がっている。
既に息絶えて亡くなっている子供達の首には隷属の首輪が着いている。
如何にも安物でボロボロのヨレヨレな状態の捨ててしまう寸前の粗末な防具を身に付けていて、手には刃こぼれしていて使い道のないボロボロの武器を握った状態で倒れている。
顔も全身も傷だらけのボロボロで血が流れ出ている。
このまま放置していたら、死体はDMの餌になるだろう。
痛ましい光景に腸が煮えくり返りそうだ。
ぶっちゃけ、オレには攻略者達の行いを責める資格も権利もないと思う。
だけど…………日本人として生きてきた記憶のあるオレには許し難いんだ。
奴隷が出る洋画を見た事はあるけど、子供の奴隷に対して、こんな酷い仕打ちや扱いをしていた洋画はなかったと思う。
小説,漫画,アニメ,ゲームでなら普通にあるかも知れないけど、此処は異世界だけど現実なんだ。
リアルで起きている事なんだ。
ベアリーチェ
「 セフィ……、この子達の亡骸も回収してよ。
DMの餌になるなんて、あんまりだよ。
後でお墓を作って弔ってあげたいんだ… 」
セフィ:セフィーロ
「 ベリィが望むなら… 」
セフィーロは渋々と言った感じで事切れている子供達の死体を回収してくれた。
──って言うかさぁ、何でセフィーロは気が乗らなそうな嫌そうな素振りをするんだろう??
死者を弔うっのって悪い事じゃない筈だろ??
ベアリーチェ
「 セフィ……オレが何処の誰かも分からない奴隷の子供達を弔うのが気に入らないのか? 」
セフィ:セフィーロ
「 ベリィ……そんな事はありません。
ベリィは立派だと思いますよ。
奴隷の死体を弔うなんて普通はしませんからね 」
ベアリーチェ
「 じゃなんで、気が乗らないような素振りをするんだ? 」
セフィ:セフィーロ
「 ……………… 」
ベアリーチェ
「 セフィ? 」
セフィ:セフィーロ
「 回収は済みました。
先へ進みましょう 」
ベアリーチェ
「 う、うん…… 」
セフィーロの様子がおかしい??
どうしてだろう??
セフィーロに手を引っ張られて奥へ向かって歩いていると子供の声が聞こえて来た。
1人じゃなくて、何人も居るみたいだ。
子供の悲鳴や泣き声だけじゃなくて、大人の怒鳴り声や罵倒する声も聞こえて来る。
ベアリーチェ
「 セフィ、これって奥で攻略者達が子供達に戦わせてる声じゃないの? 」
セフィ:セフィーロ
「 そうでしょうね 」
ベアリーチェ
「 セフィ!!
助けよう!
これ以上、身勝手な攻略者達の犠牲者にする訳にはいかないよ! 」
セフィ:セフィーロ
「 それがベリィの望みなら… 」
セフィーロは何かを諦めたような表情で返事を返してくれる。
セフィーロ…………本当にどうしたんだよ?
何時ものセフィじゃないみたいだ…。
だけど、今はセフィーロの事を考えてる場合じゃない!
一刻も早く、無理矢理戦わされている奴隷の子供達を助けるのが最優先だ!!
オレはセフィーロに握られている手を振り払うと猛ダッシュをして走った。
後ろからセフィーロの声が聞こえたけど、オレは振り返らずに走った。
何体もの妖精さん達がオレを守護る為に飛んで来てくれている。
何度も転び掛けながら走った先には、巨大なドラゴンと対峙して戦わさせられている数人の子供達の姿があった。
地面に横たわっている子供も何人か居る。
巨大で凶暴なドラゴンの相手をさせるとか正気の沙汰じゃない!
子供達を助けないと!!
だけど……、セフィーロを置いて来ちゃったから無力なオレに子供達を助ける事は出来ない。
だけど──、考えるんだ。
助けられる方法──、手段──、手立てはある筈なんだ!
オレには護衛をしてくれる妖精さん達が居てくれる──。
そんなオレだからこそ、出来る事がある筈なんだ!!
なんてオレが悠長に考えている間にも主の攻略者達から無理矢理戦わさせられている奴隷の子供達は、ドラゴンに追い詰められている。
早く何とかしたいとっ!!
奴隷の子供
「「「 ──うわぁぁぁぁぁぁ!!!! 」」」
奴隷の子供
「「「 きゃあああぁぁぁ!!!! 」」」
叫び声が聞こえた瞬間、気が付いたらオレは走り出していた。
凶暴なドラゴンに襲われそうな子供達の前にオレは颯爽と──はいかなかったけど、立ち塞がった。
防具も武器も持たない丸腰のオレは、興奮していて激怒しているドラゴンの前に出ると両手を広げた。
ベアリーチェ
「 ──止めろぉ!!
ドラゴンに攻撃するなぁっ!! 」
本来ならドラゴンに攻撃されている奴隷の子供達を守る為にドラゴンと向かい合う形で止めるべきだろうけど、オレはそうしなかった。
オレは奴隷の子供達じゃなくて、ドラゴンを守る為に奴隷の子供達と向き合う形で立ち塞がったんだ。
ベアリーチェ
「 ドラゴンから離れろぉ!!
これ以上、ドラゴンに近付くなぁ!! 」
奴隷の子供:A
「 えっ──?? 」
奴隷の子供:B
「 何してるんだよ!
其処を退けよ!! 」
ベアリーチェ
「 このドラゴンは子供を守る為に威嚇をしてただけだ!!
ドラゴンの縄張りから出るんだ!!
そうすればドラゴンも大人しくなるんだよ! 」
奴隷の子供:C
「 退けってば!!
オレ達にはドラゴンのタマゴと子供が必要なんだよ!! 」
奴隷の子供:D
「 そうよっ、邪魔しないで!!
命令に逆らうとアタシ達が酷い目に遭うんだからぁ!! 」
奴隷の子供達がドラゴンを庇うように立っているオレに敵意を向けて来る。
オレは完全に奴隷の子供達から敵視されてしまったようだ。
奴隷の子供達は刃こぼれしているボロボロの武器を構えながら、丸腰のオレに対して威嚇を始めた。
此処で怯んだら絶対に駄目だ!
オレが此処を退いたら、親子のドラゴンは攻撃をされるし、怪我をして弱っている子供のドラゴンは多分きっと高い確率で酷い目に遭わされる。
弱って抵抗の出来ない子供のドラゴンの傷の手当てをして何とか助けてあげたい。
ベアリーチェ
「 ドラゴンを傷付ける気なら、このオレを倒してからにしろぉ!! 」
丸腰のオレは助ける筈だったのに敵側となった奴隷の子供達へ向けて啖呵を切った。
こうなった以上、退く事も後戻りも出来ない。
とことん抵抗してやろうじゃないか!!
日本人の心、大和魂──いや、大和撫子魂を見せてやるぜ!!
◎ 「 名探偵コナン 緋色の弾丸 」を見ていた影響を受けて、方向転換しました。
本当は奴隷の子供達をドラゴンから助ける為にベアリーチェがドラゴンと対峙する予定でした。
ドラゴンを庇う形になったので人間と敵対する羽目に……。




