流れを治し管理するもの
「おや?」
六花はそう言うと北西の方を見上げる。
「ははん。なるほどな。」
エンデもそう言って、座ってその方向を見上げる。
「どうしたんです?」
セレスが問いかけると、緑色の光が立ち上ったかと思うと、
その光の柱がはじけて体を通り抜けた。
「何です?これは。」
「流治の能力の一つよ。あれで風の流れと龍脈を把握して、
細かい空間の状態を把握するの。
付随の効果は・・・。やっぱりね。」
六花が説明をしながら周囲を見回し、世界樹の前で視線を止める。
そこには透明なウインドウが浮かび上がっていた。
「これは。この周囲の地図ですね。おお。
刻一刻と範囲が広がっているのがわかります。」
「恐らくこれだけではないと思うわ。見ててご覧。」
言われた通り、地図を見ていると、不思議なことが起こり始める。
「あれ?外側の地図もできてきましたね。」
「これが流治の力よ。本人は気づいていないけどね。」
「どういうことです?」
「流治の名前。本人の権能と反対だとは思わない?」
「そういえば、「死」または「無」でしたっけ?
あれでも、流「治」ですよね。治すがついています?」
「そう。もう一つ「治める」という意味もあるのよ。
流治の名前は流れを治して、管理するという意味なの。
流治は自分の名前を[流れを治める者]と認識しているけど。
違うのよね~。」
「それとこれとどんな関連があるんですか。」
「恐らく、木のエレイアと風のゼロスの力を使ったから、
世界樹に地図が表示され、風の力で周囲の概要を把握、
流治と二つの力が合わさって、龍脈と空間に残っている瘴気が
少しだけ浄化されて、エンデの力の残照と合わせて、
周囲の空間を徐々に押し上げているのよ。
それに、浄化のプロセスを考えるとあながち流治の権能は
マッチしているのよ。浄化は不浄を殺して、
綺麗な空気に入れ替えることだから。
流治はその辺の考えが抜けているのよね。」
「どうしてです?」
「ネガティブな考え方なのよ。流治は自分の力は周りを
不幸にするって思っているの。」
「はぁ~。なるほど。」
「周囲はそんなこと思っていないけどね。だから、黙って手を貸して、
副次的な効果を発生させることでこっそりと流治の株を上げる努力しているの。」
「そうなんですね。おっ、話している間に半分以上地図ができました。」
「いい感じで、魔境化しているわね。これなら、うちの兵を投入できるわ。」




