空間の主①
エンデの目の前の空間が浮かびあがるとフレイアへと形をかえる。
「エンデ。交代です。」
それを一瞬唖然とした顔で眺めると、深いため息をついた。
「なぁ。俺は最近働きすぎだと思うんだよ。」
「安心してください。全員です。」
「安心できね~。で、今度は何をすればいいんだ。
神殺しに残党狩り、次は何をさせるんだ。」
「地脈と空間の安定化ですよ。」
「げ、島かよ。無理だよ。無理。神、それも戦神が歪ませ、
精霊がさらにひどくした地だぞ。
エレメンタラーと虚無がいて治って安定しないんだぞ。」
「一応拮抗するように処置を施しました。」
「?ああ、なるほど。月光に世界樹、聖獣っか。」
そう言って頭の後ろで手を組んで背中を倒した。
「流石ですね。この距離で感知ができるんですか。」
「一応っな。でも、そうか。この方法しかないか。
ほおっておけば、第2第3の邪神に近い存在が大量に生まれるっか。」
「それを流治も六花も懸念しています。」
「は~~~~~~~~~~~~。しゃあなし。行くか。」
そう言って、勢いよく立ち上がる。
「長い長い、ため息ですね。でも、心情はお察ししますよ。
そして、やはりあなたは流治ですね。
いやだいやだと言っても結局力を尽くして、
どうにかしようとするのですから。」
それを聞いたエンデはふっと笑ってその場から搔き消えた。
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ーじゃりっー
「随分遅かったのね。渋ったの?」
六花は音のした方を見ずにその相手に問いかける。
「ああそうだよ。ここんとこ俺ばかりが働いていないか。」
「ノブレス・オブリージュ。」
「『高貴なるものの義務』っか。
なら、俺やフレイア、お前ら兄妹は働き続けないとならないな。」
「そうね。だから、頑張っているじゃない。私たちも、フレイアも。
その中でも私や貴方、流治は頑張らないとね。」
そう言って振り返った六花から、それを聞いたエンデは
ふっと笑って視線を外した。
そして、深く息を吸って真剣な顔になって、見返した。
「だが、お前や流治が出張ったら世界はもう終わりだろうよ。」
「それもそうね。だから、あなたやフレイアまでで止めてもらわないと。」
「そう言われると逆らえないな。さてっと。」
そう言って、片膝を着いて、地面に手を当てると
周囲の空間が振動を始めた。




