月を見張る者
姿が変わったフレイアはふわりと浮かぶと
狐窓を作りそこから、月を覗く。
「我は月を見張る者。月の運行を管理し者。
その秘密を知りし者。それを人々に伝えし者。
月よ、我の声に答えよ。」
そう祝詞を唱えると不思議なことに月が一段と明るくなる。
「汝、陰陽の光を持つもの、時を刻みしもの。
其の力は神秘なる力。其の力は不変なる力。
この場に描きし陣に神秘を与え、
偉大なる力をこの場に満たし給え。」
そうフレイアが唱える中、月の光が陣の中心となる神社に降り注ぎ、
周囲が光に包まれる。
暫くして、光が落ち着くと、フレイアの姿はいつもの姿に戻っていた。
そして、薄い膜のようなものが、ドーム状に周囲を包みこんでいた。
「これで、毎晩夜になれば、領域の拡大ともに、このドームも拡大する。」
「ありがとう。」
「でもこれでも、領域の拡大は微々たるものだぞ。」
「そんなに意味がないの?」
「ああ、エンデがいれば詳しくわかるだろうけど、空間が歪みすぎていて、
それこそ、歪みが正常な状態になっている感じだと思う。」
「厄介ね。取り敢えず、これで様子を見ることにするわ。」
「恐らくだけど、ここはこのまま監視をして、
神々と精霊の復活を優先したほうが良いのでは?」
「うーん。」
フレイアにそう提案され、六花は腕を
組んで悩む。
「このままでは魔物の強さが天井知らずになるだろう。」
「それは・・・。そうだね。」
流治にいわれ、フレイアは困ったようにうなずいた。
「どうする?」
ゼロスが問いかける。
「どうするって言われてもね。」
「龍を生み出して。防衛につかせますか?」
セレスが提案をするがそれを六花は否定する。
「そうじゃないのよ。領域の拡大スピードを上げたいのよね。
やっぱり、エンデを呼ぶしかないかな。」
「そうですね。ここまでお膳立てしましたからね。」
「それには人員を向こうに補充しないとね。」
「それなら、私がいきますよ。」
フレイアがそう言う。
「そうね。その人選が良いわね。」
六花もそれに同意をする。
「では、秋さんのサポートに入ります。」
「よろしくね。」
言われた、フレイアは影に沈み込むように消えた。




