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黒崎くんは吸血鬼  作者: 工藤啓喜
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第三話 3

動画の中の映像には、若い男が映っており、二人の人物と闘っていた。ただ見ているだけでも闘いの激しさがわかるようだった。


「ここからが、面白いんだ」


シャルデウスが、言うと動画を早送りしはじめた。すると、映像がどんどん切り替わって流れていく。そして、ある場面まで早送りしてストップボタンを押した。


「みんなこれを見てみなよ」


シャルデウスが、動画を止めてタブレットをメンバーに見せた。そこに映っていたのは、紫色のオーラのようなものを腕から出している、黒髪の少年の姿だった。


「おい‥これはどういうことだ!?」


手に持っていた空き缶をメキメキと握り潰しながら背の高い強面の男が、そう呟いた。


「ふふ。これって“彼”のチカラだよね?」


シャルデウスが、髪をいじりながらその男に言った。同調して欲しい為に彼に言ったのではなく、まるで彼を試しているかのようで、シャルデウスの声色は彼のその様をからかっているようにも聞こえた。


「おい。誰だこのガキは?」

「さぁ?僕にもわからない‥でも彼は死んだって聞いてるけど」

「確かにそうね。“あの人”はもういないもの‥」

「死んだかどうだとか、そんな事はどうでもいい!あのガキがヤツの能力を使ってる事の方が問題だろうが!」


背の高い強面の男が、足元の周りに転がっている脚の折れた椅子を蹴りながら荒い口調で、他の四体に言う。


「荒れてるね‥“ダラガロア”。ま、ムリもないよね。キミは特に“彼”を嫌っていたしね」

「とにかく‥アイツは、気に喰わねえんだよ!」


そう吠えると、また椅子を蹴る。蹴られた椅子がくるくると回っている。


「落ち着きなさい。ダラガロア。まだ“彼”の能力と決まった訳ではないでしょう」

「チッ!」


ダラガロアは、苛つきながらカウンターにある椅子に座った。椅子はボロボロになっており、座る部分から黄色い綿が飛び出し中の鉄の部分が見えており、ダラガロアが荒っぽく座った為、椅子の足がグラついた。

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