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黒崎くんは吸血鬼  作者: 工藤啓喜
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第ニ話 48

「殺すよりも、住みこみで馬車馬のように、働かせた方が余程楽ですからねぇ…殺した後は後始末も面倒くさいですから。これから頑張って弁償して下さいね。立花様」

「おお!」

「ん?ってことは、立花も屋敷に住むってことか…?なんかやれやれだ」


宗介はとてつもなくブラックな所に働きに来てしまったのではないかという蓮の心配もよそに、宗介は蓮が住んでいる屋敷に住み込みで、働くことになってしまった。


「あ」


宗介が、何かを思い出し、着ていた上着をめくる。宗介が、着ていたのは薄い生地のカジュアルなジャケットだったが、蓮との闘いですっかりボロボロになっていた。


ジャケットの内側に、蓮のデータを取るための小さなボタンの形をした機械を付けていた。


あの時に井萩に、渡されていたものである。


その小さなボタンみたいな機械を外した。すでに、機械は故障していて小さいスイッチを押しても、反応はない。宗介は、機械を荒っぽく取り外すと、上へ放り投げ、刀で微塵斬りにした。機械は、細かくバラバラに散らばって何処かへ消えてしまった。


「これで、良し…と」

「よろしかったのですか?立花様?

黒崎様との闘いのデータを収集していた機械だったのでしょう?」

「激しい闘いの末に、ぶっ壊れた……ってことで。…それでいいさ」


エルウィンは「左様でございますか…」と言って微笑む。

あれほどの激闘をくりひろげたにも関わらず怪我人は、蓮と宗介の二人だけだった。


蓮は、先日に続いてまた怪我をする羽目になるとは思わず、次から次へ色々な面倒事が起きる。うんざりしはじめていた蓮は、苦笑しながら周りを見回す。

エルウィンに、メイド達に、左近寺に…そして立花。いつの間にか色んな奴らとお近づきに、なっていた。


吸血鬼やら人外狩りやら退魔の一族やら…まだまだ、蓮は穏やかな日常を送れそうになかった。


「しばらく…家に帰れそうにないか…」


誰に言うわけでもなかったが、蓮は一人呟く。


宗介が、屋敷に来てからどのくらい経ったのか…

空の色が、橙色に変わり、辺りの風も少し肌寒くなってきた。そんな一日だった。

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