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黒崎くんは吸血鬼  作者: 工藤啓喜
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第ニ話 43

その、ただの突きに吸血鬼の力と、さらに猛毒の力を加える。宗介は、蓮の前から完全に姿を消していた。最初に斬りかかってきた時よりもハッキリと気配を絶っているのがよく分かる。


いまや全く“無”の状態である。


蓮は、四方八方に目を動かして視線を合わせる。己の全神経を集中させ、全力で宗介に拳を叩き込む。


狙うのは、刃が身体に当たる瞬間。その瞬間に蓮も攻撃をする。


ヒュン!!シュッ!!


風を切る音がしたと思うと、宗介が蓮の背後に回っており、刀を横に振った。宗介は蓮の首を明確に狙っていた。

刃が、蓮のうなじの部分に当たるーー


その瞬間、蓮は咄嗟に宗介の方へ半回転しながら向き、半回転した時の勢いのまま突きを宗介の腹部に、叩き込んだ。


「ぐっ…はッ!!!」


拳が、宗介にクリーンヒットし、そのまま宗介は、前のめりに倒れ込んだ。

蓮は、肩で呼吸をしながら手で首の後ろを押さえている。


「はァ…はァ…ハッ。ハッ…」


呼吸は、かなり乱れ、首からはかなり出血している。後、少し振り向くのが遅ければ、蓮の首が石畳に転がっていたはずである。蓮は出血している首を手で抑えながら、倒れている宗介の元に歩いた。


しかし、石畳に倒れているはずの宗介の姿が見えなかった。蓮が、辺りを見回していると、突如背中と胸に鋭い痛みが走った。同時に、おびただしい量の血が噴き出した。めいっぱい、水道の蛇口をひねった時に出る水のようにとめどなく流れ出していた。


「ぐ…」


蓮は、低く呻くとそのまま倒れこんでしまった。


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