第ニ話 41
宗介はしばらくもがいていたが、やがて石畳の上にサツマイモの色のような紫色に身体が変色している宗介の姿があった。身体が変色しているとはいえ、一応、毒の濃度は下げた、が、猛毒の拳で攻撃した事には違いない。
サツマイモ色になって倒れている宗介は、ピクリとも動かなかった。
「やべぇ…。やり過ぎたか?」
蓮は、宗介におそるおそる近づいた。すると、宗介の指がピクリと動く。
そして、横に回転しながら勢いよく立ち上がる。
「熱っつ!!何だこれ!!ってか痛い!!しかもなんか痒い!ヴォェ、てか気持ち悪っ、吐きそう」
「…元に戻ったのか?」
「元?あ…あーまた、やっちまったか…。誰も、死んでねえか?俺は誰も、殺してないか?」
「…誰も死んでねーし。誰も殺してねーよ。アンタは」
「そうか…」
宗介は、安堵の表情を見せる。己の中に潜む“鬼”に心を喰われ、暴走状態だった宗介が完全に元に戻っていた。
「悪かったな。お前さんに迷惑かけちまって」
「最初っから、迷惑かかってるっつーの!てゆうか、俺に謝るんじゃなくてメガネのメガネの娘に謝れって!」
蓮は、そう言いながら、例の女の子の方へ顔を向ける。
女の子は、他のメイドの後ろに隠れてこちらの様子を伺っていた。宗介は、その娘を一瞥し「そうだな…」と呟く。
蓮はその様子を見ながら、尚、いたずらっぽく笑いながら宗介へ問う。
「さて。続きをやろうぜ?立花…まさかこのまま終わりってことはないよな?」
「俺は構わないけど、お前さん…。かなりへばってるじゃねーか。そんなナリでやれんのか?」
「全然やれるっての!」
「だがな黒崎。言っておくが、俺はさっきより強いぜ?」
「だからどうした。んなもん闘わない理由にはなんねーよ。それとも俺のデータは諦めるか?」




