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黒崎くんは吸血鬼  作者: 工藤啓喜
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第ニ話 36

だが、蓮にも少しだけ自信があった。

能力の持続時間はあまりに短いが、能力発動までの時間はそれなりに、早くなった。これは、日頃の訓練の賜物である。


ヒュッ、と、風を切る音がした瞬間、宗介の姿を感じ取れた気がした。あくまで“気配を感じた”レベルだが、蓮は気を抜かず、宗介が攻撃してくる瞬間をじっと待つ。


「そこだっ!!」


蓮が腕を出した。宗介の刀を腕で受け止めたが、刃が蓮の腕に深く食い込み、蓮の表情が苦痛に歪む。


「っ…痛って!!」


腕からは、大量の出血が出ている。

宗介は、大量の出血をら見向きもせずそのまま、腕ごと斬り落とそうと刀に力を入れる。


蓮も腕に力を入れ、食い込んでいる刀を無理矢理離した。


「はァ…はァ」


蓮の腕は、骨が断たれ、身体から千切れかけてはいたがどうにか皮一枚で繋がっていた。


この程度なら、すぐに再生し、元の腕に戻るだろう。


「まさか、動きが読まれるなんでな…俺もちょいと、本気ださねーといけないか…」


宗介は、脚を交互に上げたり下げたりした後に軽くジャンプをしてまるで、マラソン選手が運動前のアップをしているように動いている。


それから、息を一つ吐き、蓮を見たかと思うと一気に蓮のいる位置まで、距離を詰めた。勿論、軌道は真正面で真っ直ぐ。しかし、今までの宗介とは考えられない程単調な動きだった。


蓮も正面から迎え撃つ為、構えを取る。

真っ直ぐに来るなら、カウンターを狙いやすい。

蓮は、ゆっくりと指を折り曲げて拳を作り宗介に向けようとする…が。


その時、突然宗介の姿が蓮の視界から消えていた。

姿が、消える程の早さの動きをしたわけではなく、単純に消えている。蓮がカウンター狙いで、拳を突き出した。しかし、刀の方が早く、蓮の身体が横一文字に斬れた。


「な…に…!!」


蓮の身体が、上半身と下半身が真っ二つになり、斬られた上半身が屋敷の石畳の上に落ちる。宗介は、石畳に落ちている下半身を斬り刻み消滅させると、上半身を斬るために、倒れている蓮の元へと歩いて来る。

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