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黒崎くんは吸血鬼  作者: 工藤啓喜
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第ニ話 35

と、蓮は強気な発言をしてはいるものの、今この状態では、宗介の方が有利である。


近距離なら、刀を振るって斬ることが出来、さらに宗介…というよりは、宗介の一族に伝わる歩法、“縮地”があるため離れていても一気に間合いを詰めて攻撃できるのである。つまり、近づいても、近づかれてもアドバンテージが取れる。


一方で、蓮の方は宗介の動きをなんとか見れてはいるが、蓮から攻める方法がなく、近づいても離れても斬られる状態だった。


故に、宗介の方が有利だった。


「縮地で、近づいても……。かと言って陰影(いんえい)を使ったとしても、妙な勘の良さで多分読まれちまう。やり辛いったらないな。まぁ、やり方次第だけどな」


宗介は、手首を使って刀を縦にクルクル回して体制を整えている。呼吸を整えながら、蓮を見ていたが、ふいに何かを思いついたように、刀を回すのをやめ、刀を構え直し蓮と向き合った。


「よし、行くぜ!黒崎!!」

「いちいち、俺に確認取んなって」


蓮が、そう言い終わるのと同時に、宗介は姿を消していた。蓮の紫色の死毒(ヴェノム=パープル)は、まだ数分しか持たず、持続できる時間も少ない為、一度普通の状態に戻し、蓮の眼が紫色から茶色に変化させた。


漫画やアニメでは、良くある攻撃された瞬間にカウンターを狙う発想だった。しかし攻撃が当たる瞬間とはいえ、相手は相当の腕の持ち主である。気がついた時には、身体が真っ二つだった、という事も十分ありえる。


蓮は、注意深く辺りを警戒し気配を探っていた。

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