第ニ話 24
宗介が、術式の準備を終わった頃丁度、屋敷の玄関から黒髪の男と背の高い白髪の老人が出てきた。
宗介は、二人の方へ目を向けて見つめていた。
やがて二人は宗介の元へと歩いてくる。
「よう!お前さんが黒崎蓮かい?」
「…アンタ誰だ?」
「俺か?俺は立花宗介ってモンだ」
宗介には、蓮には何一つ私怨も復讐心も無いため至って普通の態度だった。
初めて蓮に会ったが、飄々とした人懐っこい感じの明るい態度だった。
しかし、エルウィンは宗介からただならぬ気配を感じとっており不審な目を向けていた。
当然、宗介はエルウィンの視線に気付いていたが敢えて気付かないフリをしながら蓮に話かける。
「まぁ。その何だ…。用ってわけじゃないんだが」
「?じゃあ何で俺に会いに来た?」
「あ?あー…いや。まぁ。そうなんだが…」
宗介は、後悔していた。というのは、屋敷まで来たのは良いが、いざ蓮を前にして、何故屋敷まで来たのか理由を考えていなかった。元々、蓮には怨みはないし、当然殺す気もない。データを取るだけならば隠れてコソコソしていれば良かった。
井萩…という男の言う事をまるごと聞くのも癪ではあったのだが、本音を言えば闘ってみたい気持ちはあった。しかし、それだけではわざわざ訪ねた理由にはならない。
宗介は考える。
そして、ある方法を思いついた。
「お前さんの事を黒崎…って呼ぶぜ?いきなりでなんなんだけどさ。黒崎。俺と闘ってくれね?」
「は?」
「まぁ。そうなるわな」
「いやいや。闘えって…俺、普通の学生だぜ?」
「知ってる…。それでも俺と闘ってくれ。頼む」
「なんで?」
「とある人物からの依頼でな。お前さんのデータが欲しいんだと」
「データ?」
「…お前さんは、人外だろ?それもかなり強力な力を持ってる。…俺の見立てじゃ、闇の眷属それも…真祖の吸血鬼ってとこか」
「……………」
「お前さんのデータを、俺の依頼主が欲しがっているんだよ」
「立花さん…と仰いましたな。一体どこのどなたが黒崎様のデータを欲しがっているのでしょうか?」
話の一部始終を聞いていたエルウィンは鋭い質問を宗介にぶつける。




