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黒崎くんは吸血鬼  作者: 工藤啓喜
44/78

第ニ話 23

★★★


話は、エルウィンが蓮の部屋を訪ねた頃に遡る。


短髪で赤髪の少年が、屋敷の前の呼び鈴を鳴らした。

呼び鈴の向こうから、女性の声が聞こえてきた。声は可愛らしく何となくおしとやかそうなイメージを持った。


「すみません。立花と言う者なのですが、黒崎くんは居ますか?」


宗介がそう言うと、屋敷の門が開いた。すると、メガネをかけた宗介が予想した通りのメイド姿の女の子がいた。


「ああああ、あの…黒崎様ですか?え、えっと、あ、あの、い、いる…じゃなくてあ。あの!!えとえと!!いらっしゃいますよ!ええ!」


メイドの女の子の余りのテンパり具合に宗介も思わず笑ってしまう。


「ぶはっ!!」

「………!!!」


女の子は、すごく恥ずかしそうに下を向いて俯いていた。


本当に……仕事じゃなかったら…

そう思いつつも、宗介は、任務を遂行するために、再び女の子に質問をする。


「……。えーと。…ゴホン!黒崎は、今、居るんだよね?」

「あ、あの…はい!!居ますです!はい!!」

「くくく…。や。ゴメンね。くく……」

「ッ……….!!!!」


女の子のテンパりに、宗介はすっかりツボに入ってしまい。笑い続けてしまう。

さらに、女の子が恥ずかしそうにする度に、可愛らしさの反面、余計に面白さがこみ上げてくる。


「えっと、じゃあ会わせてもらえるかな?」

「アア、ア、、アノ、アノ、オヨ、ヨロシケレバ、ぉお呼びいたたたし、ましょうか!!」

「ああ。よろしくお願いします」


メイドの女の子は、そう言うと屋敷へ走って行った。

転ばないかと見ていたが、流石にそこまでドジっ娘ではなかったらしく、みるみる姿が小さくなっていく。

宗介はメイドの女の子を見送ると、紙の様なものを準備した。


正方形の形ではなく、人の形によく似た紙だった。

宗介が、何かを呟きながら人の形に似た紙に軽く息を吹き込み、自分の周りに投げる。

普通は紙を投げるとまっすぐには飛んでいかず、ヒラヒラと揺れながら飛ぶものだが、宗介が投げたそれはまっすぐ宗介の狙ったところに飛んでいく。


人の形をした紙は、屋敷の床に溶け込み消えた。

それを、3回繰り返し、向きを変えながら同じように投げた。人の形をした紙は屋敷を囲むように設置し、何らかの術式のようだった。

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