第ニ話 21
色々考えていたが結局は(まあ。いいや…)と思い、エルウィンの表情を眺めていた。
その後、しばらく、部屋で談笑していると、エルウィンの表情が険しくなる。
「はて?今日は、来客の予定がありましたかな?」
そう言って、蓮の部屋にある内線電話を使い、使用人に確認を取り始めた。
エルウィンは二、三言話すと、使用人に丁寧に挨拶をし、受話器を置く。
「…黒崎様」
「ん?なんだ?じいやさん?」
「今日は、黒崎様のお客様がいらっしゃる日でしたか?」
「?いや?ないと思うけど…」
「左様でございますか」
エルウィンは、鋭い目で屋敷の外の門に視線を向ける。
蓮もつられて、エルウィンが見ている方に視線を向けるが、特別異変は感じられない。
だが、エルウィンには何か感じるものがあったようで、
背筋をキリッと伸ばして、エルウィンは蓮の部屋を出て、外へと向かった。
慌てて蓮も、エルウィンの後に続いた。
長い廊下をスタスタと歩き、やがて大きな螺旋階段がある。それをエルウィンはスタスタと降りていった。降りる速度がだんだんと上がっていき、あっという間に下へ辿りついてしまった。
それから、遅れて、蓮も下へ降りる。
外へ出るには、客室間と応接間、ダンスホール、キッチンを通り、長い廊下を歩く必要がある。エルウィンは姿勢を変えず背筋をピンと伸ばしたまま、早歩きで歩いている。
蓮もエルウィンの後について長い廊下を歩く。廊下の絨毯はふかふかで、歩く度に靴が絨毯に沈んでしまう。
しかし、エルウィンは長年の屋敷暮らしで慣れているため、絨毯に足を取られることなく、進んでいく。
どんどん進んでいくエルウィンに、蓮は質問をぶつけた。
「一体、何があったんだ?じいやさん!」
エルウィンは、歩きながら答える。
「どうやら、お客様がお見えになられているようです。しかも、あまり歓迎できそうもない、お客様が…」
「そいつは、敵なのか?」
蓮は、エルウィンと横並びに歩きながら聞く。




