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黒崎くんは吸血鬼  作者: 工藤啓喜
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第ニ話 20

これから、何か有事の際に能力を使う時に紫色の死毒(ヴェノム=パープル)と叫ばなくてはいけないのか…。

そう思うと、なんとなく気恥ずかしい感じがする。子供の頃にやったヒーローごっこをやっているようで、緊張感が損なわれる気もしなくもない。


それならばいっそ声に出さず、心の中で、叫んでおこうと蓮は思った。

そんな蓮の心中を察したかのように、エルウィンはこう告げる。


「黒崎様は、技の名前を叫ぶのが恥ずかしいと思ったでしょう」

「え?い、いや?そんなことは…」

「技の名前を叫ぶと言うのは、なかなか理にかなった事なのですよ?」

「え?そうなん?」

「ええ。魔法使いの方達も呪文詠唱の時は、念じるだけよりも、実際に口に出した方が効果や威力も上がると、仰っていましたよ」

「マジで!?」

「究極のところ。自己陶酔に過ぎないのですが、自身に酔いしれれば、酔いしれる程、最大のパフォーマンスが期待できるのです」

「あ、アッハイ」


なんだか理屈は分かったような、分からないような、釈然としない感じがしたが、特撮ヒーローとか、アニメとかはそこら辺の事情があるのだろう。


正直、名前自体気に入っていない訳ではない。

蓮はとりあえず、名前を頂くことにした。

晴れて能力名が決まり、エルウィンは満足そうに微笑んでいた。

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