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黒崎くんは吸血鬼  作者: 工藤啓喜
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第ニ話 15

宗介は、後悔していた。井萩に蓮の周辺の人間関係やら普段、行く場所やらを、調べてもらうべきだったと。

あまり、気乗りしない依頼だったから、ついそんなことを忘れていた。

通常の仕事なら、下調べした上で依頼に臨むのが普通なのだが、今回は殺しでもなく、狩りでもなく、封印でもない。ただのデータ収集である。

宗介の中で面倒臭さが募り、依頼を蹴ろうかと思っていたところに、着信が入る。


「もしもし」

「立花さんですか?私です。井萩です」


電話の相手は、幸か不幸か井萩だった。嫌味な感じの声色で一発で解る。


「アンタか。なんだ?」

『相変わらず、つれないなぁ。立花さんは、…もう特区へ入りました?』

「…これから入るところだ」

『そうですか。では、データ収集をお忘れなく』

「ああ…。いや、ちょっと待て。黒崎蓮の周辺のデータとかないか?」

『周辺…というと?』

「人間関係とか、嗜好とか趣味とか、どこに行くとか。そんなんだ」


早めに電話を切たかった為、宗介は急ぎ足で会話する。それとは、対照的に井萩の方は至ってマイペースに『ん〜そうですねぇ』とか言っていた。

そういう部分も、恐らく宗介と井萩が相容れない部分かもしれない。

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