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黒崎くんは吸血鬼  作者: 工藤啓喜
34/78

第ニ話 13

「コレはなんだ?」

「ドローン用の小型カメラです。貴方はそれを付けて黒崎蓮のデータを取って下さい」

「こいつは、どこに付けたらいい?」

「どこでも。ご自由にどうぞ」


そう言って、井萩は、再び得体の知れない飲み物を飲む。井萩が飲み物を飲む度に甘ったるいような、抹茶のような、コーヒーのような訳の分からない香りが漂う。

その匂いがきつくて、宗介もコーヒーを飲む。

この喫茶店も、よくこんなものを出せたものだ…と、宗介は思った。


「話は分かった。で?いつ闘えばいい?」

「それなんですけどねぇ。実は、私、上から別の任務を任されてしまいましてねぇ。しばらく特区に立ち入れないんですよ」

「なら、いつならいいんだ?」

「貴方が、都合の良い時に、特区へ行って下さい。その時に、私に連絡をくれれば、準備しますから」

「完全に、人任せなんだな。アンタ…」

「こちらから依頼しているのに、すみませんねぇ。ご迷惑おかけします」


井萩は、宗介に謝罪をしてはいるが、誠意というか気持ちの込もっていない、口先だけの謝罪に聞こえた。

どちらにしても、宗介は井萩という人間はあまり信用できる男ではないと思ったが、とりあえず意味の無い井萩の謝罪を受け取っておいた。


それからの二人は、あまり会話が弾むこともなく、井萩の方から任務だとかで席を立ち店を出て行った。

その際、井萩はキチンと二人分の伝票を持ち会計を済ませていたので、一応の大人の対応は持ち合わせているんだと、宗介は初めて彼に感心した。


そして、宗介はもう一度コーヒーを頼み直し、特区へ向かう日取りを確認していた。

黒崎蓮という男に全く怨みなどない。

宗介は、熱いコーヒーを飲みながらスケジュール帳を確認していた。


☆☆☆

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