第ニ話 10
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ある喫茶店で、誰かを待っていた。赤く染め上げられた短髪は、後ろから見ても目立つだろう。
しかし、顔立ちは見た目よりも幼く、髪の色とのギャップを感じる。
女性の店員が、コーヒーをテーブルの上に置くと、男は店員に軽く会釈をしてテーブルに置かれたコーヒーを一口飲む。仄かな苦味と香ばしい香りが口の中に広がる。
男だとわかるが歳はそんなに歳上ではない印象を受ける。むしろ蓮と変わらないくらいだ。
その男はため息を一つつくとコーヒーをテーブルの上に置いた。
それから、携帯をいじり時間を過ごす。
「おや?早いですね。まだ、約束の時間よりも早いですが」
男の座っているテーブルに、声が聞こえてきた。
男が、携帯を置いて声の主の方を見る。すると、そこには細目で髪の長い男が立っていた。
「こうして、顔を合わせて話すのは始めてですかね。はじめまして。井萩と申します」
「どうも…立花宗介っす」
宗介は、ぶっきらぼうに自己紹介した。宗介という男はこの井萩を警戒していた。
警戒している雰囲気を察したのか、井萩は笑みを浮かべながら、宗介に話しかける。
「ふーむ。あまり私の印象が、よろしくないでしょうかね?」
「いや?別に…こんなもんっすよ」
井萩は大げさに落ち込んでいるような素振りを見せているが、宗介は警戒をくずさなかった。井萩に対してつい、慇懃になってしまう。
「…時間がないのでとっとと打ち合わせしましょう」
宗介は、淡々と言い放つ。だがそんな宗介の態度に怒る訳でもなく、かといって特別に気にしている風でも無く、井萩は宗介の座っている向かい側に座った。そして、店員を呼ぶと、飲み物と食事を注文していた。




