第一話 18
エルウィンの本音が、出たところで、蓮は、凹んだが思いのほか早くエルウィンは帰ってこれたようで、改めて、蓮の怪我の有無を確認する。
蓮の怪我は、ほとんど再生しており目立った外傷はなく、エルウィンは、ほっと一息ついて微笑んだ。そして、エルウィンは、電話をかけ、消防隊を手配した。
エルウィンが、手配してすぐに消防隊が到着し、貧民街に上がっていた火の手はあっと言う間に鎮火した。そして人外狩りの犠牲になった人外達の遺体を収容し消防隊は、貧民街を後にした。
彼らを、護れなかったエルウィン自身といとも簡単に人外狩りを特区に侵入させてしまった防衛管理状態にも苛立ちを隠せず、収容されていく様子を見ていたエルウィンは悲痛な表情をしていた。
…蓮は、ドサクサ紛れで出てきたエルウィンの、蓮に対する本音っぽいものを確認して置きたかったが、エルウィンの表情を見ると、とてもそういう気にはなれず、黙っておくことにした。
「…さて。私達も帰りますか?黒崎様」
エルウィンは、明るく振る舞いながら言う。
「ああ」
蓮もそう答える。二人は、荒れ果てた貧民街を歩き始める。蓮は、エルウィンの方を向き立ち止まって言った。
「じいやさん。…さっき俺に、何をしたいのか聞いたよな。まだはっきりとわかんねぇ。けど…俺は俺が護りたいと思ったものを護りたい。それだけは、今日はっきりした」
「黒崎様…」
「ここに来たばっかで、よくわかってねーし。さっきまで、普通に死にそうになったけど、どーもアイツ等のやり方は、気に入らねぇ」
蓮が、ひとしきり言うと、エルウィンは一瞬驚いた表情をしたが、すぐに笑顔で頷いた。




