第一話15
「おおおおぉぉぉお!!!!」
蓮の咆哮が、響き、何度かラッシュ攻撃の果てに鶴田の膝がついに折れ仰向けで倒れ込んだ。
意識もあり、呼吸もある、感覚もある、しかし、身体だけが全く動かせなかった。
(動け!動きやがれ!!俺の身体!!!)
鶴田の表情が、みるみるうちに怒りから焦りへ、そして、恐怖に変わっていく。鶴田の今の身体の状態は、筋肉質なだけの普通の肉体と同じ。先程とは違い、肉体強化されていない状態である。
このまま、攻撃を喰らえば、致命傷は避けられない。半端な吸血鬼とはいえ、蓮の力は普通のそれとは訳が違う。蓮は、倒れている鶴田に向けて左腕に力を込める。
「へ。倒れている相手に攻撃すんのか?無抵抗だぜ?」
「お前達は、あのヒト達に抵抗することすらさせず、殺してるだろうが!」
蓮は、そう言いさらに、力を込める。
このまま殴れば、コンクリートは容易く砕ける威力だろう。左腕を上に挙げ鶴田に振り下ろそうとする。鶴田は尚も続ける。
「ま、待てよ?なんでそこまで、アイツ等にこだわるんだよ!!お前とは、無関係だろうが!!」
「ああ…無関係だ。全く全然関係ねーし。知り合いも一人も居ねぇ。…ついでに言うと、貧民街もあのヒト達も今日初めて知ったくらいだ。けどな!そうゆうことじゃねぇんだよ!!」
「ケッ、俺を殺して英雄気取りかよ?対した吸血鬼サマだなぁ!!オイ!!」
「殺さねーよ。てめーらと一緒にすんじゃねぇ。…終わりだ。これで決めてやるよ。てめーが殺した奴ら全員に詫びな!!」
「な、ま、待て!!クソがァァァァ!!!!」
「おおぉぉぉぉぉ!!!!」




