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魔王転生(2)

こちら、前作同様で深夜テンションで書きましたのでとてもぶっ飛んでます。最後まで読んでいただけると幸いです。

プロローグ「追」

私は梨花。小学6年生。最近お兄ちゃんが死んじゃって、笑いたくても笑えなくなった。死ぬときは一緒って約束したのに。年の差で死んじゃうのは分かる。でもお兄ちゃんの死因は寿命じゃない。腹部を刺されたって言ってた。だから私も・・・そっち側に。崖から飛び降りる。落ちていく。どんどん地面が迫る。グチャッ。潰れた音が辺りに響き渡った。20☓☓年、4月5日 斎藤 梨花 死亡......目が覚める。生きてる?なんで。私は草原に横たわっていた。落下したとこでないのは確かだ。ここ・・・そこで気づく。服が違う。それに、この杖・・・何?試しに持ってみる。すると急に杖がひかりだして上へと向かって飛んでいった。途中で向きを変え、今度は地面と平行に。「あわわ!」私は振り落とされないよう必死に杖を掴んだ。しばらくして村が見えてくる。そこにいたのは、魔物だ。「うそ...」私は異世界に来ちゃったんだ。

第1章「光」

俺はいつも通り起きる。窓の外を見る。いつも通りな石造りの町並みと飛んでくるなにか・・・なにか飛んできてる?!しかもこの家に一直線で?!よく見ると人間だ。襲撃か?しかしそうでもなさそうだ。その飛んできた人間は涙目で止めてと言わんばかりに杖を引っ張ろうとしている。そして、[ガシャーン!]俺の家の窓を割って入ってきた。「誰だ?!」俺が叫ぶとその女性は「す、スミマセン!」ん?なんかこの顔覚えが・・・梨花?いやまさか。ここに居るはずがない。「誰だ。何が目的で来た?」女性は「えっと、崖から飛び降りて、気づいたら草原にいて・・・横に落ちてた杖を拾ったら急に飛んでって・・・」飛び降りて?まさか俺と同じ転生者?!「お前、転生者か?」そう聞くと女性は「多分、そうです。」と答える。「なるほど。じゃあ俺と同じってわけか。」女性は驚いて「え?じゃああなたも元は人間だったってことですか?!」そういうことだ。なんか反応まで梨花みたいだな。「ところで名前は?」俺が聞く。「あ、えっと・・・落下した衝突で忘れちゃったのかも・・・わかんないです。」なるほど。「兄はいた?」それには即答だった。「居ました。大好きなお兄ちゃんが。いっつも遊んでくれてとっても優しいお兄ちゃんが・・・」こいつ、梨花だ。絶対梨花だ。この顔でそれは完全に梨花しか居ない。「梨花・・・」女性はハッとして「そうです!私の名前...知ってるの?」ああ。やっぱりだ。「お兄...ちゃん?」梨花・・・「そうだ。俺は斎藤 壱おまえの兄だ。」しかし「いや、そんなわけ無い。お兄ちゃんは人間だもん!これはきっと夢だ。お兄ちゃんはもう・・・!」と言って飛び出していった。やっぱ信じられないか。こんな人間離れした見た目ですぐ信じるほうがおかしい。俺は梨花を追いかけた。

第2話「兄」

梨花は木の下で座り込んでいた。「あの魔物、私の名前とお兄ちゃんの名前を知ってた・・・でも、いるわけ無い。だってこれは夢なんだもん。絶対。」けど、面影は感じた。本当にお兄ちゃんなのかなって一瞬思ったけどあんな見た目、お兄ちゃんじゃない。けど、写真で見た小学校の時のお兄ちゃんとちょっと似てたな。「おい。」後ろから声をかけられる。「ひゃい?!」ついさっき私の兄だと言ってきた魔物がいる。「し、しつこい!」あ、でも似てる。私を放っておかない所とか・・・「本当に...お兄ちゃん・・・なの?」魔物は頷く。「俺の小学校の頃の写真にそっくりだろ?」なんだか涙が出てくる。「それでお前はなんで...っておい!」私は大好きなお兄ちゃんだった魔物を抱きしめる。そして「先に死んじゃって、寂しかったんだよぉ・・・」涙が止まらない。嬉しいはずなのに悲しくなってくる。「会えて良かった。」お兄ちゃんがそう言った。私はもっと泣いた。涙が収まり始めると、「じゃあ、まず俺の村を案内するよ。」俺の・・・?「ここ、お兄ちゃんの村なの?」大きい・・・「ああ。ここの...今は村だから村長ってとこかな。」なにか視線を感じる。とてつもなく鋭い・・・誰あの2人?!なんか怖い。片方が近づいてくる。「ティル様...?」お兄ちゃんがなんだかヤベって顔してる。「この方とはどのような関係で・・・?」怖い!「私、妹です!妹!」私はとっさにかばう。2人はふーん・・・という顔をして「ではティル様の妹様、村を案内いたします。」あれ?なんか急に怖くなくなった・・・なんだろこの人たち。「それにしても〝人間の〟妹ですか。珍しいものですね。」なんかまた雰囲気が・・・「それに関しては深く考えないでくれ。ちゃんと血はつながってる。」目付きがまだ鋭いよぉ・・・「お、お兄ちゃん、この人たちは?」角の生えた片方の女性が代わりに答える。「私はティル様の一番の側近です。」それに全体的な色がピンク色っぽい、角の生えた人が「いえ、一番は私です。」なんだろこの人たち。「2人とも一番じゃないぞ。」お兄ちゃんが即答した。二人の顔がなんだか え?という顔になる。「じゃ、じゃあ一番は誰なんですか?」なんだか2人とも泣きそうなんだけど。「黒霧だ。お前らよりしっかりしてて頼れる。お前らは強いけどなんというか、俺がふりまわされるから・・・」そこに全体的な色が黒っぽい角の生えた人も来た。これが黒霧さん?「お、黒霧。梨花、紹介する。黒霧だ。それとこっちが刹那でこっちが咲良だ。」もしかしてこの人たち・・・「私たちはティル様の部隊の幹部に当たる。」え?というかティルってお兄ちゃんのことか。この世界ではお兄ちゃんってすごいんだな。なんだか嬉しくなった。

第3話「杖」

「なあ、そういえばお前、崖から飛び降りたって自殺したのかよ。それにその杖、起きたら横にあったって言ってたよな。なんなんだ?」俺は聞きたいことをすべて話した。「だって、お兄ちゃんがいないとつまんないんだもん。それにこの杖、あれから反応がなくって。」魔力切れかな。「ちょっと貸してみろ。」俺は梨花から杖を受け取ると魔力を込め始めた。梨花が不思議そうに見つめてくる。杖の先端に埋め込まれていた丸くて青い宝石が光りだした。成功だ!「すごい!」「これぐらいたいしたことないぜ。」俺は強気だったが、意外と魔力を持っていかれ貧血のような状態だ。「ついでにその杖に何種類かの魔法を覚えさせた。魔法の名前を言えばすぐ使える。よく覚えとけよ?ファイア、炎系魔法だ。エレキショット、これは電気。ケアル、これは回復。エーテルキャノン、これは・・・俺の師匠の技。」ロン、見ててくれよな。俺は絶対騎士団を潰す。「師匠って?」梨花が聞いてくる。「師匠ってのはだな、ロンっていう人間だ。人間と行っても半分モンスターの血を継いでた。ただ、騎士団に殺された。お前も実際俺とかかわらないほうが良いんだ。」「どうして...」「騎士団にモンスターと同類と見られ殺される。」梨花の顔が一瞬曇った。だが、「それでも、お兄ちゃんといっしょにいたいから私はここに居る。」だったら、死なないでくれよ。「それとあとの魔法は、ウォタラ、水系。それぐらいだ。」必要な魔法は全部与えた。それに杖に封じ込めた魔力はそれらを全て100回以上使ったって尽きないくらいだから。「じゃあ俺の家に行こう。」梨花はハッとして、「窓ガラス・・・」そういえば。「大丈夫だ。すぐ治せる。」そう言って俺らは家に急いだ。

第4章「新住」

朝起きる。隣を見るといつの間にか俺の布団に梨花が潜り込んできている。この兄大好き娘が。俺はこっそりそこを抜け出し、外に出た。とその時、「ここが噂の魔物の町かぁ〜大きいなぁ。」なんだ?俺は声がした方に目を向ける。狐の耳が生えた人形のモンスターだろうか。妖狐だろう。俺は声を掛ける。「大きいでしょう。これでもまだ石などを使い始めて数日も経ってないんですよ。」その狐(高校生ぐらいかな?)は驚いたように「もう石の使い方をわかっていた感じでしょうか?」まあそうだな。「ところでこの町の長はどちらに?」何も知らないっぽいな。「長?眼の前に居ますよ。」え?という目で見られた。分かってないなこいつ。「俺がこの町の長だ。」狐高校生の顔がえぇぇ?!という顔になった。「こんなちいさ...子供が?」おいおい、小さいって言おうとしただろ。「こう見えてそんな小さなお子様じゃないから。」というとへぇ〜という顔をした。信じてないなこいつ。「じゃあ私をここに住ませてほしいんですが。」ああなるほど・・・ん?え?ああ。「ならこのまままっすぐ進んだ先にある北地区に空き家が何個かあるので、そこを使ってもらえば。これ、許可証です。空き家の前らへんにいるやつに見せればその空き家を使わせてもらえるんで。400銀貨です。」狐高校生は袋を取り出し・・・え?その中には金貨がざっと50枚ほどと銀貨が50枚ほど入っていた。金貨4枚を取り出す。銀貨100で金貨1だから「確かに銀貨400枚分いただきましたので、どうぞ。」狐高校生は去っていった。「ここで新住民か。珍しいな。旅してる魔物なんて。」あれは魔物と言えるのか?いや、そこが問題じゃない。そもそもこの町の情報をどこで・・・「何してるのお兄ちゃん?」後ろから急に話しかけられてびっくりした。何だ梨花か。「お兄ちゃん早くこっち来て!」俺が部屋に入ると目隠しさせられた。敵襲か?「お兄ちゃんは座っててね。」違うっぽい。なんか服を着せられている気がする。嫌な予感が・・・目隠しを外される。嫌な予感的中だ。

第5章「おもちゃ」

俺が着ていたのはフリフリとリボンがたくさんついたブラウスにやけに短いスカートだった。「やっぱり、可愛い!」おいおい、梨花。いつこんなふうになった?俺が小さくなったからか?「梨花・・・あのな..ふごぉ!」脱がされて次は違う服を着せられる。「うん、これもありだな。」アリじゃねぇよ。「やめてくれないか・・・フゴォ」口を塞がれる。「お兄ちゃん、ちょっと黙っててね。」こうなったら・・・俺はスライムに変身して抜け出す。「え?!お兄ちゃんがスライムになった?!」そりゃ驚くか。「それよりもともと着てた服くれ。」梨花は渋々俺が着ていた服を俺に渡した。渡す前に抱きしめてスンスンしていた。なにしてんだか。俺は服をもらい、元の魔王フォルムに戻った。「さて、今日は何もすることがないな。」とその時、持ち上げられた。「おい、梨花。下ろせ。」「いやだ〜」梨花は俺を猫のように抱きしめている。なんでこうも身長差があるんだよ!なんで梨花はそのままで俺は子供に戻ってんだよ!俺は人形じゃないんだ。この状態じゃスライムになったとしても抱かれてるから逃げるのは不可能。大人ぐらいの女性になったところでまた着せ替えが始まるだろう。とその時、鍛冶屋の方から爆発音がした。なんだ?

第6章「部隊」

べリムが爆発を起こしていた。「何やってんだよお前。」「ティル、わりいわりい。ちょいとこいつ作ってたら爆発しちまって・・・」扇のようなものだ。「こういった自分で作ったものを身に着けて戦う。俺がこの村に来る前にやってた行動だ。それとこれはあそこの嬢ちゃんから頼まれたんだ。」あそこの・・・狐高校生だ。「あ!長の人!」その呼び方やめろ。「俺にはティルって名前があるんだぞ。」まあ元は壱だけど。「じゃあティルさん、私も軍事力になってよろしいでしょうか!」え?何を言ってるんだ?「魔力操作には自身があるんです。」狐高校生がすこしニヤッと笑う。「私は白神 稲荷です。」なんか聞いたことあるぞ。たしかこの前黒霧が・・・「ここらに最近かなりの手練がうろついているそうだ。名は稲荷というらしい。」そうだ。間違いない。「なら、実力を見せてもらおうか。べリム、あそこに案内してくれ。」「了解!さあ稲荷さんもついてきて。」べリムと俺と稲荷は鍛冶屋の奥に案内された。「ここは俺が作ったイモータルルームだ。この中では死なないし怪我もしない。さて、本気で殺り合おう」俺の目は本気だ。稲荷は俺に危機を察知したのか耳が立っている。俺が突進する。稲荷が扇を上手く動かし、風の壁を作る。そのまま押し返される。そして前を向くと目の前に炎が迫っている。瞬時にバリアを作り「暗黒竜(アビス・ドラゴン)!」俺の手から暗黒の龍の形をした波動が出る。それも扇で水を操り粉砕された。こいつ、なかなか強い。「なかなかやるな。ならこれはどうだ!」俺は地面に手をつけ、思いっきり魔力を込めた。衝撃波が走る。「!!」稲荷は避けれなかったようで一回足が消えた。そしてすぐに再生する。「まあ合格だ。それと痛くないだろ?」稲荷は不思議そうに足を見ている。ついさっき吹っ飛んだのに。そう思ってるのだろう。「お前の強さは分かった。ただ仕事はあまりないぞ。騎士団やドラゴンが来たときぐらいだ。」稲荷は目を輝かせた「それでもやる!」急に敬語なくなったな。まあいいか。そっちのほうが対応しやすい。それで、稲荷は普通部隊隊長に任命した。「そういえば軍の作りってどうなってるの?」おっと?良いことを聞いてくれた。「それはだな、まずは通常部隊。歩兵と副隊長、隊長で分けられている。ちなみにまだ普通部隊は1つしか無い。副隊長はべリム。あの鍛冶師だ。」ほぉーという顔で聞いてくれる。「それともう一つは俺が率いる部隊、特殊部隊だ。俺が隊長というか中心で、側近4名、黒霧と雷牙と刹那と咲良がいる。それとべリムは仮でこちらにも所属している。今のところこれで全部だ。」なるほど〜という顔をしている。なんかちょっと可愛いかもしれない。「分かった!じゃあ私は普通部隊隊長、がんばります!」まあ仕事はあんまないけどね。生活はほとんど一般市民と同じだ。まあ、これからそうもいかなくなりそうだがな。

第7章「勇者」

あるところに勇者がいた。勇者は最近魔物が街を作っているという噂を耳にした。大きくなる前に潰さなければ。そう思った。みんなの平和を守るのが役目だと自分に言い聞かせる。危険を犯してでも脅威を払う。「おい、ハル。行くぞ。」ハルと呼ばれた魔法使いが「もう行くの?」と言う。洞窟でティルたちを襲った魔法使いだ。「もうちょっと休もうよ〜」「そんな暇はない。」「むぅ。ケントはせっかちなんだから。」勇者はケントというらしい。勇者一行の2人は魔物の町の前に来て驚いた。かなり発展している。「これ、本当にモンスターだけで?」ハルが言う。「みたいだな。ただ、これだけ発展するとなると人は関わってくるはず・・・」どういうことだ?モンスターと人間は敵同士。協力できるわけ無い。「おい!そこの魔物共!この町の最高責任者を出せ。さもないと焼きつくすぞ!」一部のモンスターは逃げていく。フッ、俺の魔力量に恐れて逃げたか。それでは存分にぶっ壊させて・・・奥からなにかすごい圧のものが4人ほどか?歩いてくる。なんだ?何だこの魔力量は・・・煙の中から現れたのは4人の角の生えた亜人らしきモンスターだ。「なにか用か?」黒い亜人らしきモンスターが関節をポキポキ鳴らしながら言ってくる。なんだコイツら・・・なんでこんな魔力量の多い亜人がいるんだ?「お前らは・・・」亜人は「そんなことはどうでもいい。何の用だ?」まあ俺には叶わないはずだ。「この町を人々の脅威になる前に潰しに来た。」亜人は潰しに来たという言葉に反応し、「じゃあ・・・」一瞬にして消えた。どこへ消えた?「敵だな。」後ろから声がする。しまっ・・・[ドォォン!]爆発音がうるさい。なんなんだこいつは。明らかに只者じゃない。「なんだ黒霧、騒がしいぞ・・・」なんだ?新手か?「あ!あの洞窟の珍しい亜人!」新しく出てきた亜人はゲッという顔をした。「お前はあの洞窟でモンスターを片っ端から狩ってたクソ魔法使い!ここでアイツラのかたきとってやる!」そいつもまた同じように消えた。こいつら、早い!「きゃぁ!!!」ハルが悲鳴を上げる。背中から殴られ空を舞っていた。このままだとまずい。「次はお前か?」ちっさい亜人の目が黄色く光る。これは、想像以上だ。「撤退するぞ!ハル!」俺はハルを掴むと走り出す。「覚えてろよ!」「もう来ないでくれ〜」となんだか情けない声が響く。くそ。あんなふざけた野郎らに・・・

第8章「再戦」

勇者どもが去ったあと。俺がべリムと話していると、「見つけたぁ!」稲荷がスライディングしてくる。「なにしにきた?稲荷。」俺が呆れて返すと、「あの時負けたのが帰ってから悔しくなって、もう一回勝負!」なんだよ。「分かったよ。じゃあこっちは戦術でも変えるかな。」俺達はイモータルルームへ行き、対戦を始める。「先手必勝!」稲荷が竜巻を2つ起こし俺に向かわせる。へぇ、この短期間でそこまでその武器に慣れたか。「インファイト!」俺の拳が腹に当たる。「ピギャ!」謎の悲鳴を上げて後ろにふっとばされる稲荷。それでも向かってくる。いい度胸だ。「叫声乱舞!」部屋の中だと言うのに強風が吹き荒れ、雷も落ちる。さらには竜巻も起こる。これは・・・「ならばこっちは、灰風吹!」俺の周りに灰色の靄が出現し、稲荷に襲いかかる。「ひぇ?!」稲荷は灰に囲まれ周りが見えない状態。「これで最後。グラビティ・ナックル!」稲荷の上半身が一回吹き飛ぶ。部屋の能力ですぐに再生する。「あ。」まずい。この部屋、人体の再生はできるけど服までは再生できないんだ・・・つまり...「え?!なんで服が?!」やっぱそうなるか・・・「俺は見てないからその間に着替えてくれ。そこら辺にそうなった時用の服が用意されてる。」稲荷は「別に見てもいいよ。だってティル君性別無いでしょ。」まあ、無いようなもんだけども・・・抵抗があるんだよなぁ。「そういえば性別無し、ティルちゃんでも良いってことかな。」「それだけはやめろ。」ちゃん付けは流石に嫌だ。「それで、着替えた?」「着替えたよ。」やっとだ。俺は目を開ける。「さーて、もう一戦やろー!」いやもうやらんよ。「俺は帰る。」稲荷がえー?という顔をする。えー?じゃないんだよえー?じゃ。「そんじゃーな。」俺はイモータルルームをあとにする。やれやれ、ひどい目にあったぜ。

第9章「報告」

俺は急いで街に向かう。あんな魔物の町、脅威になるに決まっている。早く国王に知らせなければ。街につくやいなや俺は城に駆け込む。「国王!」国王と呼ばれたおじさんは、「なんだね?ケントくん。その呼び方は堅苦しいからやめてくれと言ったはずじゃ。」「そんな事どうでもいいです!それよりも最近できたという魔物の村、勢力がとんでもないことになってるんです。」国王はそうかと頷く。「もう少し様子を見ていなさい。」なんでこんなにも冷静でいられるんだ。「なぜです?」国王は少し考え、「なあ、ケントくん、ハルくん。モンスターと戦うことは本当に良いことだと思うかね?」何を言ってるんだ?「もちろんです。」そうかと国王が頷く。「そうか。話していなかったが、実はわしの親友は騎士団によって殺されたあの街にひっそりと住んでいた亜人なのじゃよ。」なんだって?でもなぜ?「もちろん殺せと命令したのもわしじゃ。」親友だったらなぜ・・・「あいつは国王相手でも敬語をあまり使わない。そんな生意気なやつじゃった。」だからか?「しかしわしはそんな性格が気に入っていた。皆、わしのことを国王と呼び、誰もが敬語を使う。堅苦しいと思わんかね。」は、はぁ・・・「ですが、なぜ?」「それはじゃの。あいつの願いじゃ。俺がこの街にいるとそのことを知った者が広め、国王の地位がなくなる。だから息子と娘を活かして、俺と妻のことは殺してくれと。」なんだって?「そしてわしは命令した。亜人がこの街にいると。家の場所まで言った。子供は見逃せとも言った。」なぜそんなことを。「親友の頼みだ。無視するわけにもいかんじゃろう。」国王の目から涙があふれる。「わしはモンスターと共存したいんじゃ。たとえ亜人だろうと、スライムだろうと、ゴブリンだろうと。みんなで生きていくのが正しいのではないか。」間違ってる。そんなの絶対。「どうかね?君も賛成...」「私は断ります。」俺のはなった言葉はそうだった。「そんなことをしたら国は滅びます。モンスターと共存など、もう不可能なのです。」可能ならば俺は何のために戦ってきたんだ。「そうか。ならば好きにするが良い。」国王は俺らに背を向けた。俺らも国王に背を向ける。「それでは。」俺はそれだけ言うと街をあとにした。〈国王〉「わしは争いをなくしたいんじゃ。すまないな、ケントくんにハルくん。それに、」柱の方に目をやる。「居るんじゃろ?ガープ殿。ロンくんを殺すよう指示したのも君だね。」柱から人影が現れる。「これはこれは、お気づきでしたか。」ガープと言われた男はそれだけ言うとナイフを持って国王に向かって走り出す。「やはりそう来るか。亜空展開!」国王の周りに空間が広がる。ガープを飲み込み、消える。国王の生み出した次元に引き込まれたのだ。次元の中では戦いが始まっていた。「俺はお前を殺してこの国の王になるんだ!」私を殺したところで何にもならないことを分かっているはずなのになぜ・・・「わしを殺したところで国王にはなれんのじゃよ。」ガープの顔が少し赤くなる。「うるせぇぇぇ!」ナイフが腹部に刺さった。「ふぐっ・・・」口から血が出る。わしもここまでじゃな。あとは任せたぞサナ。扉のところで一人の女性が覗いていた。「おじちゃん・・・」この娘がサナである。次元がなくなり、国王の亡骸と血にまみれたナイフを握ったガープが現実世界に引き戻される。「さらばだ。国王。」ガープがそう吐き捨てると同時にサナは走り出した。逃げないと。あの人に見つからないところまで・・・グサッ「・・・!」白いワンピースが赤く染まる。意識が遠のく。なん、で。「お前は目撃者。生かしちゃおけん。」

第10章「生」

心臓が脈打つ音が聞こえる。私は、生きているの?声が聞こえてくる。〈起きなさい。あなたにはまだやることが残っています。魔王を、探して。〉言葉が一度途切れる。〈サナ。〉「お母さん!」そこで目が覚める。手を見る。ちゃんとある。あれはお母さんの声だった。とっくの昔に死んだ母。「私、生きてる。」しかし、ワンピースは赤く染まり、腹部の傷もまだ癒えてない。体の上に埃が溜まっている。「どれだけの間私は・・・」何があったのか思い出せない。おじいちゃんは・・・「・・・!」そうだ。全部思い出した。おじいちゃんが殺されて、私は逃げた。そのにげるとちゅうであの男に背中から刺されたんだ。でもなんで生きてるの?確かに心臓部を刺されたはず・・・でも今はそんなことより、「逃げなきゃ・・・」私は走り始めた。城から抜け出し、街からも出て、走って走って走って走った。どれだけ進んだのだろうか。一つの町が見えてきた。魔物の町だ。私は思わず息を呑んだ。あれが・・・「そこで何をしている。」後ろから話しかけられた。不思議と驚けなかった。見上げると背の高い優しそうなおじさんだった。「オデは雷牙。あの町にいるティル様に仕えてる。」ティル?「そのティル様って、魔王?」雷牙と名乗ったおじさんは「そうだとも。優しいお方だよ。あんたは敵意がなさそうだ。町に入れても異論はないだろう。」やっぱりおじいちゃんの言った通りモンスターそのものに悪意は無いんだ。 町につく。なんだか向こうの街とは違って空気が済んでいてきれいだ。「おーい、ティル様!」奥から小さな子どもが歩いてくる。「雷牙か!戻ったんだな。」この子供が魔王なのだろうか。魔王らしき子供が私に気づいて「なあ雷牙、そいつは誰だ?」「ついさっきその草原の真中で立ち尽くしていたんですよ。敵意がなさそうなので連れてきました。」「お前、モンスターは襲わないな?」やけに真剣だ。「襲わない。襲える魔力もないしそもそも動機が無いから。」ティルと呼ばれた魔王らしき子供がニッコリと笑う。「じゃあ大丈夫か。俺はティル。魔王だ。」やっぱりだった。あのお母さんの言葉だと魔王を探してだっただろうか。お母さん、魔王見つけたよ。

第11章「襲来」

俺は新しく来たサナという少女を雷牙と一緒に住ませることにした。その時だ。なんだかものすごい魔力量のものが近づいてきている。窓の外を見る。あの亜人だ。俺は羅生門を手に取る。黒霧達と魔力で通信をとる。「黒霧、刹那、雷牙、咲良、べリム、稲荷、その他の兵。出撃だ。亜人が街の正面から接近中。」「「「「「「了解」」」」」」みんなが一斉に走り出す。四方八方に散らばり、亜人の気を逸らす。その隙に俺が接近する。羅生門と亜人の右腕がぶつかり火花が飛ぶ。「前やられた時の俺とは違うんでね!」そう言って思いっきり押す。亜人は体勢を崩した。そこに黒霧の紅丸が叩き込まれ、咲良のデバフがかかり、雷牙が地面に思いっきり叩きつける。最後にべリムが炎、稲荷が水を刹那の太刀にまとわせて刹那が斬りつける。亜人はよろめく。しかし傷はついているもののまったく倒れる様子がない。「くそ・・・やっぱ硬いな。」俺はウルフブーストを発動させ、羅生門をパワーアップする。稲荷が風を起こし、べリムがそこに火を放つ。一瞬で炎の竜巻と化する。そこに俺が「ヴォイドストーム!」黒い竜巻を追加させる。さらに追い打ちでウルフソードを放とうとした時、眼の前に亜人が一瞬にして現れた。俺は咄嗟にガードしたが一撃が重く、多少のダメージが入った。「クソ・・・」そこに一番来てはいけない人物が来る。「お兄ちゃん!」梨花、くるな。「!」梨花が放つ。標的が梨花へと映る。「エレキショット!」さらに梨花が放つ。「エーテル・キャノン最大!」リミッターが解除された。おいおい、切り札もう使うのかよ。巨大なエーテルキャノンが亜人を襲う。亜人はだいぶ負傷していたがまだ動けるようだ。俺に突進してくる。防いで攻撃をする。避けられる。俺は殴られた。もう一度。更にもう一度。なんだかサンドバックにされている気がした。「クソがぁ!ギガント!」俺の体が光る。大爆発が起こる。これで引き剥がせただろう。しかしこの技は自傷ダメージが危険すぎるがゆえに一回しか使えない。「さあかかってこいクソ野郎!」煙をかき分けて拳が飛んでくる。羅生門で弾く。さらに斬りつける。胸元に傷をつけた。さらに斬りつける。左腕を切り落とす。「これで、最後だ!」俺は亜人の首を思いっきりはねた。しかし亜人は首をはねただけじゃ死なない。「お前は何がしたいんだ?」「・・・俺はただ殺すのみ。」そうか。俺は思いっきり顔の中心に羅生門を突き刺す。亜人、討伐完了だ。

第12章「反転」

俺らは今、素材調達のため森に来ている。黒霧は「こんなに入り組んでいると移動が大変ですね。」と言っている。たしかにな。「転んでしまいそうです・・・」咲良が足元を注意しながら進んでいる。「足元にきをつけろー。それと、お目当てのものが見えてきたぞ。」俺らの眼の前にぽっかりと木が一つも生えていない空間がある。「あそこにあるのか。」だと良いが。フローズンベリー。これを食べると氷魔法が使えるようになり、とても便利な塗って使う薬にもなる。「これかな?」俺は手を伸ばす。すると木が生えていない場所が光る。「へ?」よく見ると魔法陣のような物が浮かび上がっている。「ちょ、まて?!なんだこれ!」俺達の足元が空く。これって・・・「落ちるぅぅぅぅ!!!!」俺れらは地面に衝突した。いてて・・・逝ったかと思ったぞ。ほんといろいろと起こりすぎだ。眼の前に黒い靄のようなものが広がっている。なんだこれ・・・その黒い靄は俺達を包み込む。靄が晴れる。と同時にみんなの悲鳴が聞こえる。「な、なんだこれ?!」黒霧に目を向ける。これは・・・黒霧がツンデレそうな女子になり、雷牙もゴツい女子に。刹那はイケメン男子に。咲良はちょっとかわいい系男子になっている。ん?これって・・・どういうこと?「ここらへんには何でもかんでも反転するモンスターが居ると聞きましたが、もしかするとここが巣なのでは?」女声になった黒霧が言う。「俺は・・・大人になってるな。それにしても黒霧おまえ、」服ぶかぶかすぎだろ。「服がサイズ的にあってない。」そこは刹那にツッコまれた。「仕方ないだろ。」いちおう俺は服のサイズをあわせる魔法を持っているが・・・ブカブカのほうが可愛いな。「ティル様?あの魔法使ってください。動きにくいです。」あぁ〜使っちゃうかぁ・・・どうしようかな・・・使う。なんか可哀想になってきた。俺は例の魔法を使う。「うぅ・・・ぶかぶかじゃなくなるとここの大きさがわかりやすく・・・」黒霧、そこは気にしちゃあかん。黒霧はなんだか落ち込んでいる。プライドが傷ついたのだろうか。雷牙はいつも通りだ。なにも動揺していない。刹那はちょっと混乱しているようだ。そして咲良は・・・とても動揺している。「わ、わたしが・・・お、おとこに・・・」顔が赤くなっている。同様というかこれは異性への感情というものだろうか。まあとにかく、このまま帰るわけにも行かないよな。「じゃあ、もとに戻るためにそのモンスター倒しに行くか。」「やけに軽く行きますね。あの亜人と同じくらい強いですよ。」え?そんな強いの?やべぇじゃん。「やめとく・・・?」俺は聞く。すると黒霧が「こんな目に合わせたことを後悔させてやるぅ・・・」とすごい形相で言っていた。でも顔は可愛い。

第13章「討伐」

俺達は奥へ進んでいく。そしてついた。そのモンスターのところへ・・・「デカくね?」横はおよそ10メートルはあるだろうか。縦が5メートルろいったところか。「とりあえず、あいつなんだな?」「はい。あいつがその例のモンスターです。」俺は構える。前よりも魔力量が多くなってる気がする。反転したからか。しかし足が・・・遅い!普通の人間なみだ。そしたら・・・「クイックブースト!」スピードを3倍にする。「これでちょうどいい。」俺達は構える。さあ、戦闘開始だ!タコのような触手が伸びてくる。俺はそれを切り刻み、「4人は隠れててくれ。その子供の体じゃ戦えない。」俺がそう言うと、「いえ、こちらのほうが戦える気がしてきました。」黒霧?何を言って・・・黒霧が飛び上がる。とてつもないスピードで触手の上を駆ける。本体に一発叩き込んだ。強い。いろいろが反転しているからだろうか。とにかく「じゃあみんな戦えるな?」それを拍子に残り3人も飛び出していく。俺も触手を切りながら進む。しかし相手も負けてはいられない。触手をブンブン振り回す。「きゃあ!」黒霧が捕まり、可愛い声を上げた。「なぜこんな声が出るんだ・・・」すごく恥じている。俺がその触手を切り落とす。「ありがとう。」黒霧は顔を赤らめながらモンスター本体に向かう。俺もいっちょやりますか。「サンダースネイル!」電気の蛇を作り出す。本体に・・・命中!触手が動かなくなる。みんなの姿がもとに戻る。服をもとに戻す。「やっと戻れた。もうこんなのは懲り懲りだ。」咲良に関してはもう言葉が出てこない状態だ。「咲良・・・大丈夫か?」俺が声を掛けると、俺を急に抱き寄せ人形のように両腕で抱きしめた。まあ、今日ぐらいは許してやるか。そのあと町に帰るまで離してくれなかった。

第14章「突然」

今日も平和だ・・・「ティル様!」雷牙が飛び込んできた。何だ朝っぱらから・・・「サナがいなくなったんです!」ふーん?・・・ん?え?「いなくなった?!」雷牙は紙を差し出す。「こんな紙をおいて。」その紙にはこう書いてあった。〈雷牙さんへ。いままで優しく世話をしてくれてありがとうございました。人間の街の者が私を狙っています。私がこの町にいるとここにまで被害が及んでしまうかもしれないので、私は出ていくことにしました。絶対に探さないでください。それと魔王様、私の父、国王を殺したガープという男を殺してください。どんな人だったのか知りませんが、亜人と人間のハーフのロンさんを殺すよう言ったのもその人です。それに父はモンスターとの共存を願っていました。お願いします。そして人間とモンスターの共存できる世を作ってください。〉俺は思った。論を殺したやつが国王じゃない?!それに国王がモンスターとの共存を?・・・面白くなってきたじゃねぇか。分かったよ。敵、うってやるよ。それと、探さないでおいてやる。だから死ぬんじゃねえぞ。「分かった。これからの目標が出来たな。」人間の頃、こんなにワクワクして同時に恐怖することなんてなかった。なんだこの感覚は。

第15章「勢力拡大」まずはだ。「お前らの中で兵になって戦いたいやつはいるか?」手は上がらない。一人上がった。「私で、よければ・・・」なんだかか弱そうなやつが出てきた。が、魔力はものすごく感じられる。「お前、名前と種族は?」出てきた人形のトカゲのような者は、「私はリゲル。リザードマンです。」リザードマンか。たしかリザードマンって飛べたよな。「なら、他のリザードマンも連れてきてくれないか?」リゲルは、「分かりました。」と急いで呼びに行った。すぐに20人余のリザードマンが集まる。「じゃあお前たちは今日から上空特攻部隊だ。」ザワザワする。〈まさかこんな俺がやくにたてるなんて!〉〈でも俺飛ぶの下手だよ。〉〈私戦い好きじゃない。〉「はい静かに!戦が苦手なものは残っても良いが、怪我人の応急処置などをしてほしい。それと上手く飛べないものは陸上でも良い。空でも陸でも自信がない場合、俺が特訓する。」〈俺、飛べないけど走りには自信ある!〉ならよし。「それじゃあよえろ敷く頼むぞー」「「「はい!」」」さてと。「あ、それとリーダーはリゲルだ。」リゲルが驚いた表情で顔を上げる。「わ、私ですか?!」俺は頷く。「・・・頑張り...ます!」ちょっと心配だな。まあとにかく空、陸が揃えられ、遠距離と近距離・・・遠距離はちょっと少ないけどまあ今のところは完璧だ。さて、最近見かけないけどアクリアはどうしてるんだろ。俺はアクリアの家をたずねる。「おーいアクリア!いるか?」ドアが開く。「あ、ティルさん。ちょうど良いところに!」俺は家の中に引きずり込まれる。なんだ?「あのですね、ちょうど今、こんな物ができたんですよ!」なにか機械が目の前に現れる。なんだ?これ。エスプレッソのやつ?俺が首を傾げていると、「これはですね・・・」となんだか自身が有りげに話し始める。

第16章「理想」

「ここのパネルを操作してボタンを押すと飲み物が出てきます。この飲み物を飲むとパネルで設定した効果が現れるということです!」へぇ・・・俺は試しにパネルをいじる。「この、⚠️ってのはなんなんだ?」アクリアが少し慌てた様子で「それは・・・!待ってください!それだけは押さないで!」俺は好奇心が勝ち、押した。飲み物が出てくる。それを俺が飲む。「あ・・・」アクリアが顔を赤らめる。人の姿になっている状態なのでとても可愛い。そして俺の体に変化が起こる。体がスライムになっていき・・・姿形が完璧にアクリアと同じになった。しかし背の高さとあそこの大きさが違う。「これは・・・」アクリアが顔を赤らめて消え入りそうな声で言う。「私の・・・理想像です・・・」俺もちょっと恥ずかしいんだが。「なんでこんなものを作ろうと?」アクリアは少し怒った表情で「理想像になれたら良いなと思って・・・効果は1分ですけど・・・」「じゃあ1分間ここにいさせてもらうよ。それと、やっぱ女の子は胸が大きい方が良いんだね。」アクリアは顔をさらに赤くして「そこはツッコまないでください・・・」「でも俺は今のアクリアが好きだな。」それに更に顔を赤くしてアクリアが「・・・照れます・・・」と消え入りそうな声で言う。〈アクリアパート〉私はそのあとティルに聞こえないほど小さな小声で「ありがと」と言った。もちろん聞こえていない。「さて、そろそろ変身が解ける頃かな?」ティルがそんな事を言う。私はこっそりと機械をいじって一時停止をする。ティルにもうちょっと居てもらいたい。「あれ?1分たったよな。なんで変身解けないんだ?」私はすこし笑い、「なんででしょうね?故障でしょうか・・・」ととぼけた。それから色々話した。私がこもっていた間に起こった出来事とか、色々。楽しかった。私は機械をいじり、一時停止を解除する。「お、変身解けた。んじゃ、またな〜」じゃあねと手を振る。部屋に私以外居なくなる。またこの感覚だ。私、ティルに恋してるのかな。

第17章「正義」

俺は魔物との共存は絶対にしない。したところですぐに人は滅ぶ。争いが起き、戦争になり、またモンスターと人間の間に差ができるだけだ。モンスターを殺し、人の平和を守る。それが俺にとっての〝正義〟だ。絶対に共存なんて出来やしない。俺はそこらへんでうろついてるゴブリンを切り倒し、スライムを潰す。しかし毎回思う。なんだこの“罪悪感”は、と。なぜ、良いことをしているはずなんだ。それなのに・・・なぜ・・・!なぜ罪悪感が出てくる!「ケントくん・・・大丈夫?なんだか顔色悪いよ。」ハルの言葉で我に返る。罪悪感がなんだ。俺の指名は平和を守ること。「今回はあの森の奥にいるタコのモンスター、バルトルヴの討伐だ。」俺たちは森についた。「ここらへんに開けた場所があるはずなんだ。」少し進むとあった。魔法陣が薄っすらとある。「ここの上にのるんだったよね?」ハルが聞いてくる。「そうすると地下へ行ける。そこがやつの巣だ。」俺達は地下へと落ちていった。魔王たちが先にこてんぱんにしていったことを知らず。このモンスターは第2形態が恐ろしい。ケントとハルを待ち構えているのはティル達一行が倒したあとの、1時間かけて第2形態へと十分に進化したバルトルヴ。勝つことはできるのか。

第18章「激闘」

俺達は洞窟を進んでいく。開けた場所につく。すると突然体に異変が起こる。「な、なんだ?体が、縮んで・・・」おかしい。胸が重い。そして鎧がぶかぶかだ。横を見るとしらない子供の男の子がいた。「ど、どうなってるの?!」話し方がすこし女性っぽい。こいつ、ハルなのか?俺の体を見る。と同時に顔が赤くなる。胸がある。股間に手をやる。ない・・・そういえば聞いたことがある。バルトルヴは何もかも反転する魔物だと。めんどうな。俺はハルに言った。「おい、ハル。こいつは何でもかんでも反転する。気をつけろ。」「魔力が出ないよぉ・・・」当たり前だ。ハルは魔法使いとしては最高峰。反転したら魔法使いの下っ端以下だろう。「その代わりにこれを使ってみるか?」俺が剣を差し出す。「え?」ハルが剣を持つ。「すご!なんかすごい手に馴染むよ!」ハルが走り出す。「その前にこの魔法だけかけさせろ。」おれは咄嗟に服のサイズを変える魔法をはなった。まさかこんな魔法が役に立つとは。自分自身にもかける。「胸が重いな。」ハルが置いていった杖を持つ。「じゃあ、魔法使いとしてね。」俺の周りに魔法陣が浮き出る。触手を一本一本壊していき、本体に叩きつける。ハルも本体に斬りつける。あっけなく終わった。「弱かったね。」俺達の身長は元に戻った。そう、〝身長は〟だ。「なんで性別と魔力とかが戻んないの?」ハルがちょっと不機嫌そうに言う。「戻れる方法は無いのか?」「今すぐは無理そう。」俺達は少し絶望した。そう。第2形態のバルトルヴの反転能力はかけられたあとに倒すとどれか一つランダムで戻るが、ほかはそのままになってしまうという少し凶悪な呪となっている。「教会行って聖女に解いてもらうか。」「だね。」俺達は歩き出した。「まって、教会最近建て直してなかった?」うそだろ?終わった。まあ良いか。戻るまでは俺が魔法使い、ハルが剣士でやっていこう。慣れない戦法だが、頑張るしかない。

第19章「硬」

「なあ、ゴルバ。」「なんですか?ティル様。」俺は続ける。「お前ってなんか能力とかあんのか?名前つけたけど。」それには即答だった。「私の変化はガタイが良くなったというものだけなので、魔力は元のようにほとんどありません。それにただ力が強くなっただけなので。」なるほど。でもそうなると怪力で使えるか?「なあ、お前。防御力上がってんじゃないか?」俺はイモータルルームに行く。この部屋ほんと使えるな。「じゃあまずはアビスゲイル!」俺の手から黒いビームが出る。ゴルバは余裕で耐えた。「じゃあ今度は」俺は魔力を込めて地面を思いっきり浮き上がらせる。こちらも耐えた。「上がってるかもしれません。防御力。」自覚なかったのかよ。「もっと試してみるか。」俺が羅生門を取り出す。ゴルバはちょっと焦って、「さすがにそれは・・・」と言いかけると同時に俺は斬りつける。弾かれる。「硬っ?!」さすがに硬すぎねぇか?俺はウルフブーストを発動する。斬りつける。弾かれる。ウルフソードをかます。弾かれる。へ?「おまえ、硬すぎないか?」ゴルバが自分でも驚いたように、「自分がこんなに硬いなんて・・・思いもしなかったです。」ただ、一つ理解不能なのがいつも触ったりするときは普通の人間ほどの柔らかさなのだ。もしかすると・・・俺はゆっくり剣の刃をゴルバの腕に押し付ける。やっぱりだ。「お前は食らった攻撃が弱いと攻撃が通ってしまうが、食らった攻撃が強ければ強いほど強力で頑丈になるんだ。」なんだか難しいな。この弱点が知られたら終わりだ。蘇生はこの世界では現実同様出来ないらしく、死んだら即終了だ。だから弱点に気づかれたら引っ込んでいてもらおう。死んでも良いのはこのイモータルルーム内だけだ。

第20章「聖女」俺達は一応教会に行った。「申し訳ございません。現在教会は立て直し中です。また今度お越しください。」俺は声を張り上げる。「今すぐ呪いを解いてほしいの。お願い・・・」俺は自分が話し方まで女子になっていることに気づく。恥ずい。「どうにか出来ないかな?」ハルが言う。なんだかハルがとてもかっこよく見えてくる。いや、そんなはずはない!俺は男だ!しかし、男になったハルはイケメンだった。くそぅ・・・心まで反転してやがる・・・シスターは少し考え、「マザーに相談してみます。」マザーとはこの教会の聖女のことだ。まだ14歳の子供だが底しれない力を持ち、どんな呪いも解いてしまう。「ねえケント君、俺・・・私たち、戻れるのかな?」今俺って言いかけたな。「分かんない。話し方も変わってるしちょっと危険かも。」〈ハルパート〉もし戻れなかったらどうしよう・・・そんな私の顔色に気づいたのか、「大丈夫!絶対戻れるから。」その時私の胸らへんに熱いものを感じた。かわいい!いや、でも相手は元男。でも実際元からケント君のことは好きだった。恋愛とかじゃなく、かっこいいなって感じで見てた。そこにシスターが出てくる。「お二人様、中へどうぞ。」やった!やっと戻れる。中へ入る。前方には14歳ほどの少女。マザーがちょこんと座っている。この聖女ちゃんはいつ見てもかわいい。私たちが目の前に立つと同時に聖女は何かを唱え始めた。「遥かなる大いなる御手よ、光の揺り籠に座す至高の神よ。 今ここに、理を歪められし哀れな迷い子がおります。 天は高く、地は深く、満ちる潮は引き、夜の闇は朝の陽光へと還る。 これぞ世界の正しき輪転、何者も侵し得ぬ絶対の秩序なり。 邪悪なる混沌の徒が穿ちし、歪みの楔を今ここに退けん。 表を裏とし、内を外とし、光を影へと反転せしめし、不浄なる因果の糸よ。 聖なる祈りの炎を以て、その結び目を焼き切らん。 我が声に応えよ、万物を在るべき姿へ導く白銀の息吹よ、偽りの器を砕き、奪われし本質を呼び覚ませ。 魂の檻を解き放ち、元の血、元の肉、元の霊の階層へと、その時間を巻き戻さん。 歪みし鏡よ、砕け散れ。 反転せし天秤よ、正位へと還れ。 神聖なる光の御名において命じる。 ――縛鎖を解き、全ての呪縛を此処に霧散せしめよ!」長いな・・・そう思った時私たちの周りを白い光が包む。ひかりが収まった時、私たちは元の姿に戻っていた。しかし聖女は「呪が強力だったゆえに完全には浄化できませんでした。私にできることはこれまでです。今は姿は戻っていますが、水に濡れるとまた呪いが発動するでしょう。」え?ってことは・・・いやだ!お風呂入れないじゃん!横のケント君を見る。これには絶望しているらしく、涙を流している。さらには弱々しく「風呂はいる時どうすりゃ良いんだよ・・・」と嘆いていた。「乾いたら戻ると思うので。私はこれ以上呪を浄化することが出来ません。きっと貴方がたはバルトルヴの第2形態の呪を受けたのでしょう。バルトルヴはまだ謎が多く、呪いもよく分かっていないため、解くことは困難なんです。」なら仕方ないかぁ・・・とりあえず我慢しよう。

第21章「うっかり」

「ちょっと釣り行ってくる。」「分かった〜」ケントくんが今川で魚釣ってる間に私はそこら辺で食べれそうな木の実を探す。それから少し経った時、ふと思った。ここらへん、食べれない物しかなくない?その時川の方からバシャッという音が聞こえた。ケントくん落ちた?〈ケントパート〉俺は川についてすぐ釣りを始めた。ここでは大物が釣れるとよく言われている。「さて、どんなのが釣れるかな?」俺は釣り竿を投げる。それから少し経つ。「全然かからないな・・・」その時、手応えがあった。「お!来た!」俺は竿を掴む。「意外と力が強い・・・おわ!」俺は引っ張られ、川の中へ・・・バシャッ!落ちた。俺の体が少し縮み、胸が膨らみ髪が伸びる。クソぉ・・・「なんでこうなるんだよぉ・・・」そこに、「おーい、ケントくん?」とハルが来る。俺は「川に落ちた〜」と少し情けなく返事をする。「呪い発動しちゃったかぁ・・・」俺を見るなりハルはなんだかちょっとうれしそうに言う。「なんで嬉しそうなの?」ちょっと怖い。「まあ、焚き火にあたって乾かそう。」俺はハルといっしょに焚き火まで歩いた。〈ハルパート〉「うう・・・寒い。」ケントくんがそう言っている。私はこっそりと後ろから〝女物の服〟を持って忍び寄る。 この世界では自分よりも小さいかわいい子には着せ替えをするというのが流行っているのだろうか・・・  「ケントくん!」「きゃあ!」ケントくんから可愛い声が出る。私は素早く着せ替える。思った通り、似合う。「ちょっ、ハル!」怒ってるところもかわいい。私は少しづつケントくんに近づく。「ハ、ハル?」撫で撫でしたい。ギューってしたい・・・私の頭の中はそんなことでいっぱいだった。ケントくんが逃げる。「待ってよ〜!」私が追いかける。「ひえぇぇ!」ケントくんが逃げる。私が追いかける。その時、ケントくんの姿がもとに戻る。服が小さくてキツそうになる。「ハル・・・お前・・・」私はハッとする。ケントくんの顔には怒りが満ち溢れている。そして・・・数分後。私の頭には3つのたんこぶが出来た。「3回も殴らなくても・・・」ケントくんはとても怒っていた。「あのな・・・本当にそういうのやめてほしい。勝手に服着せて、追っかけ回して・・・」ごめんって!ほんとごめん!それから一週間、会話のない旅が続いた。

第22話「城」

そろそろこの建設予定地に俺の城を建てたい。「なあ、ここに城を作れないか?」と建設ゴブリンの収蔵に聞くと、「今すぐ作り始めれます!」と元気よく返事をした。よし。「じゃあ今すぐ取り掛かってくれ。」収蔵は敬礼すると、「おーい、お前達、仕事だぞ!」と声を掛ける。どこかしこからゴブリンが出てきて建材を運ぶ。「お前、すごいな。」「これでもティル様が来る前からリーダーやってましたから。」褒められてとても嬉しそうだ。かわいいやつよ。「それじゃああとは頼んだぜ〜」「はい!」元気のいい返事が響き渡る。それから数日後・・・町の一番奥に大きな大理石の城が出来た。「おぉぉ!すっげぇ!」俺とアクリアと梨花が目を輝かせる。収蔵が、「ティル様一行が住めるよう、部屋も複数用意しました。案内しますね。」俺は収蔵に案内される。まず黒霧の部屋。刹那の部屋。雷牙の部屋。咲良の部屋。ゴルバの部屋。アクリアの部屋。そして・・・「ここがティル様と梨花様のお部屋でございます。」ん?「なんで俺達だけ同じ部屋なんだ?」収蔵は、「梨花様のご要望です。」梨花・・・このお兄ちゃん大好きっ子め。まあとにかく全員の部屋を移動させよう。みんなを召喚する。「こ、これは・・・」「すごい・・・」「ティル様と同居・・・」「オデがこの部屋使って良いってことか!」4人の反応だ。まあそうなるよな。んでゴルバは・・・泣いてるぅ?!「私の部屋まであるとは・・・」そうだった。こいつ涙もろいんだった。とにかく全部荷物を持ってきて各自の部屋が完成した。黒霧は至って普通な大人びたシックな部屋だ。刹那は・・・恥ずかしがって中を見せてもらえなかった。きっと俺のなにかが大量にあるんだろう。そうだ。透視で見てみよう。壁紙が紫なのは良い。カーテンにびっしりミニキャラのような見た目の俺の顔がプリントされており、腰に手を当ててふんぞり返っている俺のフィギュアと王座に堂々と座っている俺のフィギュアがものすごく強調して置いてある。なに自作してんだよ・・・そして雷牙の部屋は・・・もう鍛冶屋である。「おいおい、すげぇなこりゃ。」雷牙が恥ずかしそうに「趣味なもので」と言う。やっぱ喋り方が一番やんわりだな。そして咲良の部屋は・・・またもや刹那と同じで見せてもらえない。こちらも透視で見てみる。全体的にピンクで可愛い部屋の中に俺がこの前着た咲良の服がある。なぜかケースに入っていたが、張り紙で分かった。『これはティル様が着たもの。永久保存級の代物である。』と。何いってんだこいつ。それとまたもや自作フィギュアのようなものがある。ワンピースを着てカツラも被ったあの時の俺の座り込んでいるバージョンのフィギュアと、てかあんな女子みたいな座り方しない。もう一つは覇気のようなものをまとった俺だ。これは普通に良いかも。いつも通りだ。でもフィギュア作成ってどうやって・・・べリムかぁ・・・絶対あいつだ。販売してないと良いけど。せめて非売品であることを祈る。それと刹那の部屋の絵柄とは違うミニキャラの俺が描かれた服がある。寝間着かな?まあとにかくそんなものか・・・ベッドの上になにかがある。俺のイラストが印刷された抱き枕だ。なに無許可に作ってんだ!そもそも純愛が過ぎるぞ!まあとりあえず今度はアクリアの部屋だ。予想どおり実験室と化していた。そして梨花の部屋は・・・ドアが開く。梨花が出てくる。俺だと分かるとすぐ引きずり込んでドアを閉める。どこぞの隙間の妖怪かよ。「お兄ちゃん!」結局俺は猫吸いをするように頭らへんをスンスンされる。やめてくれ。今日はまだ風呂に入ってないから汚いぞ。部屋を見渡す。全体的に黄色っぽい。そこにまたしても俺のグッズがある。しかしココにあるのは全部前世の俺だ。まさかフィギュアとか作ってるのって・・・・梨花か・・・このお兄ちゃん大好き娘が。とりあえず全員の引っ越しが終わり、一旦一段落したのであった。

第2巻~完~

最後まで読んでくれてありがとうございます!まだまだ続編は出ますので、3もできれば読んでいただきたいと思います。

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