表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プロファーン・サンタクロース〜俗なるサンタクロース〜  作者: めんだCoda


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/22

第9話 プロファーンの仕事②

 パチパチという小さく細かい音と、体に向けられた暖かい何かに、セイヤは薄らと目を開ける。


「お帰りなさい。どうだったかしら、最初のお仕事は」


 目の前には、あの大きな椅子に座ったプロファーンが、大きな猫のような瞳をじっとセイヤに向けている。

 そして、絨毯の上でうずくまっているセイヤの背後には、暖炉の中で火が勢いよく燃えていた。


「あ…え…あれ…?僕は…戻ってきた…?」


「そうね。お仕事お疲れ様」


「仕事…はっ!そうだ!藤咲さん!藤咲さんは、どうなりましたか!?それに、僕はまだ何も仕事を終えられて…」


「終えてるわよ」


 椅子の近くにいつの間にか置かれている、小さな机の上の瓶を、プロファーンが指で弾いた。

 そして、瓶の上から手を勢いよく手を入れると、瓶から水のようなものが溢れる。


 そして、プロファーンのその白い手が瓶の中から出てきたとき、その手には、薄だいだい色のゴムのようなものと、赤とピンク色を合わせたような塊が掴まれていた。


「それ、なんですか…?」


「さっきの人間の皮膚と肉よ」


「は…さっきのって…誰…」


「刺された女性、藤咲の皮膚と肉よ」


「え…な…どういうこと…ですか…?」


 チャポン


 愕然としているセイヤの前で、プロファーンはその皮膚と肉を、もう一度瓶の中へと落とす。


「願いが叶うとき、プロファーンが目の前に現れる。そのときに、願いが叶うでしょう」


 プロファーンは猫のような大きな瞳を、じっとセイヤに向ける。


「叶ったでしょう?三島紗子も、藤咲も」


「な…!」


「三島紗子の願いは、三島海斗、藤咲の両人へ制裁を加えて欲しい。結果、藤咲は死亡、三島海斗はあの後、警察からの聴取を受け、勤務先からは解雇されたわ。藤咲の願いは、自分から三島海斗を遠ざけて欲しい。死んだことで、もう二度と会うことはなくなったでしょう。つまり、あなたは、仕事を完遂かんすいしたということよ」


「仕事…僕は何もしていない、ただ2人に偶然会って話を聞いただけで…」


「偶然じゃないわ、会うことは決まっていたの。手紙を出した人物2人に出会ったのち、願いを叶えることが、あなたの仕事だったのよ」


「だとしても、あんな殺されるような結果は…!」


「残念ながら」


 プロファーンが椅子の横に置いてある箱から手紙を取り出し、暖炉に投げ込む。


「プロファーンが現れた場所では、必ず人が死ぬ。それは昔から変わらない」


「…まるで悪魔じゃないですか」


 歯を食いしばり、プロファーンを睨みつけるセイヤ。


「プロファーン・サンタクロース。私は、大人の邪な願いを叶える、俗なるサンタクロース」


 プロファーンは立ち上がると、肉片が入った瓶を両腕で抱きかかえる。


「仕事はまだまだあるのよ。仮眠でも食事でも、好きに過ごしなさい。また数時間後に呼ぶわ」


 プロファーンは静かに部屋を出ていき、セイヤは床に拳を打ち付けて、うずくまったまま、しばらく動かなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ