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プロファーン・サンタクロース〜俗なるサンタクロース〜  作者: めんだCoda


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20/22

第20話 ノウ①

「いっ…たー…」


 背中に大きな衝撃を感じ、セイヤはまた手紙の主の場所へと移動してきたことを理解した。


 座り込んだセイヤは目を開けると、目の前にはコンクリートの壁が聳え立ち、背中にもコンクリートの壁。どうやら、来たときに背中を後ろのコンクリートの壁に打ちつけたようだった。


「ここは、どこかの路地裏か…?」


「あの……大丈夫ですか…?」


 消えいるようなか細い声に隣を振り向くと、人2人分程開けた隣に、髪の毛がショートカットの若い女性が膝を抱えて座っていた。


「ああ…大丈夫ですよ、ありがとうございますあなたは…大丈夫ですか?ここは薄暗い所で、女性1人いるには危なそうに思いますが、どうされたのですか?」


「あ、えっと、私…今…仕事の休憩時間なので…」


 よく見ると女性は制服を着ていた。そして、ハンカチを広げて、コンクリートの上に座っていた。


「…いつも嫌な思いばかりしてたけど、私にも少し運が向いてきたかな…」


 体に顔を埋めた女性は顔を上げると、セイヤをじっと見る。


「あなた、プロファーン様でしょう?黒い服…素敵…」


 女性は、お尻をずりながら近付いてくる。


「それでは、あなたが手紙を送ってきた…」


「そうです、メリシェです。よろしくお願いしますね」


 頬に薄くそばかすが見えるメリシェは、ニッコリと笑う。


「こちらこそ、よろしくお願いします。私はプロファーン様のつかいで、セイヤと申します。少しお話をしたいのですが、休憩時間はあとどのくらいですか?」


「時間…ああっ、やばい、もう戻らなきゃ!あ、セイヤさんは、うちの職場のロビーで待ってて!ほら、急いで立って、一緒にきて」


 セイヤの腕を引っ張りあげるメリシェ。

 見た目は真面目そうだが、話し出すと少し慌てん坊で人懐っこさも感じられる。


 メリシェに連れられて入った彼女の職場の建物は、全面ガラス張りで縦に長く横もどっしりと広く、一目で大人数がそこで働いているのが分かった。


「じゃあ、行ってくるね。その長椅子で座って待ってて!」


 セイヤに手を振りながら、エレベーターホールへ小走りで向かうメリシェ。


 その間、広々としたロビーで、何をするでもなく、ただボーッと長椅子に座っているセイヤ。


 メリシェを待ちながら、プロファーンのことを思い出していた。


 セイヤの仕事はもうすぐ終わると言ったが、プロファーンはどうなのか。同じく仕事が終わるのか?それとも、セイヤが去ったのち、また違うつかいの者がくるだけで、プロファーンはあの仕事を続けるのか。


 セイヤには、プロファーンがあの仕事を楽しんでやっているようには見えなかった。

 いつもどこか寂しげで、感情をあえて見せないようにしているようにも見えた。


「もう少し、プロファーン様と話せればな…」


 セイヤは高い天井を見上げると、背後で男性の話す声が聞こえた。


 振り返ると、ロビーにあるエスカレーターから、スーツを着た複数人の男性が降りてきた。何を話しているかは分からなかったが、男性達は楽しそうで大きく口を開け笑いながら歩いて行った。


 そしてその男性らが右に曲がったとき、その後ろにメリシェが1人下を向いて歩いているのに、セイヤは気がついた。

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