第5話「におい」
パーティーいきたくない。ドレスきたくない。
そんなことをまいにちまいにちおもっていたら、あっというまにそのひに。このひになっちゃった。
「わーい」
すっかりオシャレにきめたユキ。みずいろのドレスをきこなしている。にあってる。きんいろのかみには、みずいろのかみかざり。
「ユキ、かわいい」
「ありがとう、おねえちゃん」
つぎはボクのばんなんだ。なんとかにげようとおもったけど、かんたんにつかまっちゃった。はあ。
「逃げても無駄です。お母さんがもっとかわいくしてあげますからね。下手に抵抗すると長くなります」
きたくない。ただのパーティーなのに、なんでドレスをきないといけないのか。ボクにはわからない。
けっきょく、まっかなドレスをきさせられてしまったし、ぎんいろのかみには、まっかなかみかざりをつけられてしまった。くやしい。
「ウフフ……ウフフ……私の娘たちは世界一です。いくら目に入れても痛くありません」
「尚更嫁に行かせたくなくなったぞ」
おやバカだ。いつもの反応だ。いつもいつもオーバーなんだ。はずかしさがふえるからやめてほしい。
※ ※ ※
「いっぱいひとがいるよー」
しってるひとも、しらないひともいっぱい。みんなオシャレをしてきれいだよー。
たてものから、いいにおいがする。おなかがすくにおい。
「おかあさん。わたし、おなかすいた」
「ユキは食べることが好きですね。ちゃんと食べられます」
「なかにはいろうよ」
「はいはい。では入りましょう」
「かあさん。とうさんはこないの?」
「お父さんはお仕事なのです。まあ、お父さんの気持ちは充分に満たされているので大丈夫。3人でパーティーを楽しみましょう」
わたしは、おかあさんとてをつなぐ。いっぱいしらないひとがいてこわいけど、おかあさんといっしょならへいき。
「わあー!」
きれいなひかりにこえがでちゃったよー。おそととはべつのせかいみたい。ゆめみたい。
「う……! こうすい、くさい」
「ミア、そういうこと言わないで。大人のたしなみなのです」
「わたしはすきだよ」
「そのうち貴女たちも使うようになるでしょうから、今のうちに匂いに慣れておくことです」
「わかった」
「なれたくない。かぎたくないもん」
おねえちゃんがはなをつまんでいる。そんなにいや? わたしはすきだよ。あんしんする。
「食事の用意ができました。どうぞ召し上がれ」
つくったひとがよんでいる。おなかすいてしょうがないよ。
「おねえちゃん、いこう」
「たべてにおいをごまかそう」
なにからたべよう。やっぱり、コーンポタージュからたべよう。わたし、コーンポタージュすきだよ。




