第39話「いっしょにいきたいのじゃ」
どうにか穏便に済ますことができたねえ。街のみんなの理解力に感謝だ感謝だ。
筋肉隆々大男、イケメン細マッチョ、キュートガールから話を訊いて得られたことは、ティル教信仰者は各地にいるってことだ。
「お姉ちゃん。3人はどうするの?」
「街の人たちの許しは得たとはいえ、これまでの行いがチャラになったわけじゃない」
「ミアちゃん。3人を王様のところへ?」
「いいや、この街で役に立ってもらう。生きてな」
「ティル教によって不幸になってしまったのは3人も同じです。不幸の連鎖を断ち切る役割を与えてもいいということですね。ミア様は心が広い」
「甘いだけだ。苦しんでいる方からすれば、ふざけるなって話だ。けどそれはボクとユキも同じ。だからこそ許さないと。憎しみの連鎖ってのがあるんなら、そいつも断ち切らないと」
とはいえ、3人の身の安全まで面倒見れない。あとは各自で自衛してくれ。
「もういくのじゃ?」
「ボクたちがここにいる理由がなくなったからねえ。さっさと去るさ」
「……いっしょにいきたいのじゃ」
「なんだなんだ、寂しいってか。子どもは大人しくしているのが一番だ。父さんと母さんが寂しがるぞ?」
「……いない。あっしにはパパもママもいないのじゃ」
「いない?」
「ミア様。私が街の人たちから話を聞いております。リフェア様の両親は、とある集団に殺されてしまったとのこと。リフェア様に物心がつく前だそうです」
「……そ、それって……!?」
「はい。ミア様とユキ様のご両親を殺害した者たちと同類と見て間違いないでしょう」
なんてこった! リフェアもボクたちと同じだってのかい!
「お姉ちゃん。リフェアちゃんも一緒に連れてってあげようよ」
「簡単に言うな。ボクたちと行動を共にしていれば危険と隣り合わせなんだ。無責任に受け入れるわけにはいかない」
「心配には及びません。既に許可を取っています。リフェア様の親代わりをされている老夫婦は、リフェア様の気持ちを尊重されるようです」
「え!?」
なんじゃそりゃ!? 若いボクたちに任せた方が安全ってわけなのか?
「決まりね。リフェちゃんがいれば癒しになるし」
「おいおい。そんな簡単に決めちまっていいのか。命を預かるってことはだな――」
「――分かってるわ。軽はずみで決めたわけじゃないわ。ちゃんとワタシたちで守らないといけない」
「いい……のじゃ……?」
嬉しそうにボクを見るな。そんなつぶらな瞳で見つめてくるな。断るに断れなくなっちゃうじゃないか!
「うん。これからは一緒だね! リフェアちゃん」
「よろしく頼むわ。リフェちゃん」
「リフェア様、よろしくお願いします」
「よ、よろしくなのじゃ!」
ボクの意見は無視かあ~。トホホ。
ロリババアなんか“リフェちゃん”て呼んでるし。冒険者とかじゃないのにねえ。




