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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第十六章 『女ターミネーター』と茜の友情

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第99話 法術特捜増員計画

「おいカウラ……ハンヴィー知ってるか?」


 かなめは突然いつもの戦闘狂の顔でカウラに目を向けた。


「まあな。島田の馬鹿がパーラに最初に提示したのがハンヴィーだった。20世紀末前後のアメリカ軍の四輪駆動戦闘車両だ。確か、対戦車ミサイルランチャーを搭載可能だった。パーラがそのことを知ってそんなものはいらないというから普通にランドクルーザー70になったんだ。それにしてもあんなにバカでかくて目立つ車……本当に潜伏しているつもりなのか?その『女独眼竜』は」


 カウラの言葉に誠の表情は曇った。戦闘用車両。しかも対戦車ミサイルまで搭載可能。ほぼ兵器である。そんなものを乗り回して本人は潜伏しているつもりになっているらしい。ここまで来ると祥子の脳内の構造はかえで的な性的変態性に加えてかなめの戦闘狂的性格をさらに1万倍くらい増幅した上に派手好きにしたような女性ということが想像できた。


「でも……とんでもないのに目を付けられちゃったね、かえでも神前も。できればさあ、茜。コイツ等と一緒に行動してやってくんない?あの『女独眼竜』が言うこと聞くのこの宇宙でお前さんしかいないじゃん。それにもしかしたら……」


 嵯峨は茜に向けてそう言うといつもの何か悪だくみをしている策士に笑顔を向けていた。


「お父様のお考えくらいお見通しですわよ。今の祥子さんには甲武海軍の軍籍は無い。つまり、いつも人手不足で何かというと司法局実働部隊に頼るか人海戦術が必要になる時は東和警察頼み。しかもその東和警察の法術師の質はとてもじゃないがこれから動き出すであろう『法術武装隊』の比較にはならない……かえでさん以上の法術師の才能とかなめお姉さま以上の戦闘能力。しかもそれなりの法術師の能力のある家臣までついてくる……法術特捜に祥子さんを引き込む……悪い話ではないですわね。待遇は祥子さんは警部、千代さんは巡査部長待遇でよろしいかしら?」


 茜は意外にもあっさりと嵯峨の要求を見抜いてそれに応えた。この状況を見脱がさなかったのがかえで、かなめ、カウラの三人だった。


「おい!茜!あの『女独眼竜』は神前の童貞を奪った上に最上級のドM兼ドSに仕立て上げようとしているんだぞ!一緒に調教されるかえではいいとしてなんであんなあぶねえ女を法術特捜で雇うなんて言い出すんだ!」


「西園寺の言う通りだ!性癖は異常。戦場においては西園寺以上に危険。そんな女に隊の敷居を跨がせるわけにはいかない!」


 激しく茜に抗議するかなめとカウラ。かえではじっと押し黙ってさっきのこもった視線を茜に向ける。


「そんな個人的な人間関係などお仕事には何の関係があるのか理解しかねますわね。それはそちらの方で解決してくださいな。それに、祥子さんは私の言うことなら何でも聞きます。法術特捜は司法局実働部隊と違って軍事警察ではなくあくまで警察……戦闘は主任務ではなく偶発的に発生する事故に過ぎません。それならば隊員がより強ければ問題はない……私の言うことに何かおかしな点はあるでしょうか?あるならご指摘いただいてもよろしくてよ」


 誠は所詮は茜は机上の空論を扱うだけのエリートなのだとその言葉から理解して、祥子の異常性癖のターゲットになる自分の身の上を思いため息を漏らした。

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