第97話 『女独眼竜』の法術は『砲撃系』
「良かったな、神前。モテモテだ!しかも相手は純愛一直線!まあ、かえでもついてくるけど」
話を聞いていた嵯峨はいかにも楽しそうにそう言うと誠の肩を叩いた。
「隊長……そんなに僕が女性関係で困るのが楽しいんですか?というか、今回は……」
こんかいはかなめ以上に命に係わると言いたい誠だったが、その隣に当人のかなめが立っているのでその言葉を飲み込んだ。
「ああ、甲武海軍の『女独眼竜』か?アイツもかなりの馬鹿だって聞いてるな。なんでも、飽和火力が大好きで、しかも近接戦闘が大好き。敵のど真ん中にミサイル撃ち込んでる最中に敵に切り込んで重傷を負ってその為にサイボーグになった……って馬鹿か?」
かなめは吐き捨てるようにそう言うとニヤついてその親友である茜に目をやった。
「でも、昔っから祥子さんはこだわりが強くって絶対に自分のものは人には渡さないし人のものを見ると腕力で何としても取り上げようとする……まるで誰かさんみたい」
茜は嫌味のようにその視線をかなめに向けた。
「アタシは自分の撃ったミサイルの巻き添え食ってサイボーグになるような馬鹿じゃねえ!アタシのこの身体はだな……」
「まあ、西園寺さん、ここは押さえて……」
茜の長髪に怒髪天を衝く勢いのかなめを誠はなんとかなだめた。
「その伊達とか言う女……サイボーグ……しかも法術師……そして日野と神前を自分のものにする為にはいかなる手段を用いることもいとわない……正直、日野はどうでもいいが神前を連れていかれるのは私としては困る」
カウラは難しい表情でそう言うと腕組みをして茜を見つめた。
「ベルガー大尉は何時も僕に冷たいんだね。確かに、海軍でも祥子さんは僕と並ぶ法術師として法術の存在を知る階軍上層部の切り札と呼ばれていたのは確かだ。しかも彼女の得意とするのは『砲撃系』だ」
そんなかえでの言葉にいち早く反応したのがかなめだった。
「『砲撃系』!そんな素敵な法術があるのかよ!教えろ!どんなんだ!敵艦隊を巻き込んで全滅させるぐらいの威力は有るのか!」
さすがのガンマニアの発言の狂喜に満ちた勢いでかたを持ってゆすぶってくるという行動に今は喧嘩中ということはあるがかえでは嫌そうな顔をしてそっぽを向いた。
「そんな……でもなんです『砲撃系』の法術って」
誠は自分は『光の剣』と『干渉空間』という格闘戦と防御と移動に特化した法術と砲撃に近いものと言えば誠のそれは中口径の迫撃砲程度の威力の法術弾しか使用できないので興味を持った。




