第9話 年度初め……そしていきなりの幼女からの説教
4月2日。
一応は国際公務員で遼州同盟の経済を握る東和共和国の制度に準拠した会計年度を取っている司法局実働部隊もこの日が年度初めと言うことになる。
誠はいつも通り朝の島田曰く『誠の性欲を増幅させて自分を襲ってもらうために考えた日野少佐の罠』と言うようなマカや亜鉛を大量に含んだ食材ばかりを並べられた特別食を食べ。その時間を見計らって食堂に降りてきたかえでから渡された中ジョッキほどのグラス一杯のかえでの母乳をかえでの熱い視線を浴びながら一口飲んでは感想を聞かれるというルーティーンを済ませてかえでがオーナーを務める寮をリンの運転するかえでの高級車の後部座席にかえでと一緒に乗って『特殊な部隊』にたどり着くと着替えを済ませていつもの人型機動兵器シュツルム・パンツァーパイロットの詰め所に顔を出した。
「おい、神前……テメー最近なんだか疲れてねーか?今日から新年度……整備班にも第二小隊の新型機が入ったということで何人か新人が入った。それに西園寺の言い出した『警備部』のおかげで18の若造が12人も配属だ……そんな新入り相手に先輩のオメーがそんな死にそうな顔をしててどーするんだ?少しは考えろ」
入り口には言った途端、そこで待っていたのはどう見ても8歳女児だった。戸籍の年齢は34歳だという。そして話を聞くと4億年は軽く生きているというこの部屋の主である機動部隊隊長にして司法局実働部隊副隊長のクバルカ・ラン中佐は厳しい口調で誠に向けてそう言い放った。
「はあ……でもそんなに疲れているという自覚はないんですけど……」
言い訳をしようとする誠をランは子供の目とは思えない猛禽類を思わせる鋭い視線でにらみつけた。
「テメーのいいわけなんざ聞きたくねーんだ。アタシはこれまで何千人と言う部下を持ってきた。そのアタシの目を節穴だとオメーは言いてーのか?オメーが疲れてる理由は知ってる……また日野の馬鹿の珍行動のせいだよ。まー、最近はアイツの全裸徘徊や少女に自分の大事なところを見せながら変なことをしているところを警察に見つかってその度にアタシが迎えに行くようなことがねーのはアタシとしては楽だと言えば楽なんだが……その分オメーが疲弊してどーすんだよ。オメーの疲労は上司であるアタシの疲労だ。だが……あの『駄目人間』は今の日野の珍行動はまだマシな方だから止めるなとか言いやがる」
ランの不満の矛先はランが常日頃『駄目人間』と呼んでその人間失格な数々の所業により『特殊な部隊』の司法局内部での評価を隊長自ら下げまくっている隊長の嵯峨惟基特務大佐に向いた。そして、策士として数々の作戦を成功させてきた嵯峨がその作戦の死君車である誠の今の環境による疲弊した精神状況を『マシ』と表現した理由が分からずに小首をかしげて身長187cmの誠よりもはるかに小さいランの腕組みをして誠を見上げる姿にただ頭を掻いてなんとかその説教が終わるのを待つことにした。




