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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第二章 『マリア・テレジア計画』の生み出した母子

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第8話 かえでの犯罪行為『マリア・テレジア計画』の協力者……新部長として配属

「華子さん……そんなに先走らないでくれないかな……ほら、誠君も驚いているよ。それに恋には駆け引きが必要だって僕に教えてくれたのは華子さんじゃないか。あの強引なだけの姉さんとは違う心を引いたり押したりしてお互いを高めあうことにこそ恋は意味がある……僕は華子さんをあの醜い小男から奪う時にそう教わったつもりだよ。おかげで他にも僕を産みたいという女性が次々に現れてしまったのは僕としては意外だった……まあ、僕は魅力的だし、そう言った女性達に僕の魅力を伝えてくれた華子さんの助力が無ければ『マリア・テレジア計画』は成し遂げられなかったのは事実だけどね」


 そう言って屈託なく笑うかえでを見て誠は正直ドン引きしていた。


『かえでさんのほぼ性犯罪行為の『マリア・テレジア計画』の最大の協力者がうちの管理部長?と言うか甲武国の大蔵省の性倫理ってどうなってるんだ?東和だったら解雇はされなくても二度と戻ってこれないよな僻地に飛ばされてお終いになる……ああ、うちは『特殊な部隊』だからな。二度と戻ってこれないへき地であるのは事実だからそれはそれで甲武の大蔵省の偉い人達も考えているんだろうな』


 誠はいかにも色気たっぷりの視線で誠を舐めまわすように見つめて来る鷹司の視線に食傷しながらそんなことを考えていた。


「実は今日は東和の大蔵省の幹部の奥様方と食事会を銀座で予定しておりますの……もう出ないと間に合いませんわ。それではごきげんよう」


 鷹司は十分誠の前身、特に股間辺りを凝視して満足げな笑みを浮かべると娘の風を連れてバックネットの粗末なベンチの続く通路を歩いて行った。


「そうか……華子さんとは今日二人で誠君との既成事実を作って姉さんから完全に誠君を取り上げてしまおうと考えていたんだけど……仕事があるなら仕方がないね……」


 そういってかえでは自分の分の野球道具もその普通の女性の体格の割に軽々と持っているリンに静かに目を向けた。


「はい、華子様はお忙しい方です。それにこれからも『特殊な部隊』の管理部長として公私ともに誠様を支えていくお覚悟をお持ちの方……心強い味方が出来て何よりでございますね」


 そういかにもかえでの幸運を喜ぶような口調はしているもののリンの氷のような表情は崩れることが無い。リンも又、誠独占宣言をしている女性の一人である。かえでによる誠の篭絡作戦が成功してしまえばリンの思惑は脆くも崩れることになる。


「それでは車を回してまいりますので……ああ、誠様の荷物もお任せください。私は『ラスト・バタリオン』です。100キロや200キロの荷物を運ぶことなどなんと言うことはありません。それに……それが私が独占したいと思ってやまない誠様の荷物であればなおさらです」


 それとなくかえでに牽制するような一言を付け加えるところが腹黒いリンらしいと思いながらも誠は下手にリンに逆らうとこの頃亡くなった深夜の夜這いをリンに再開されることの恐怖から野球道具をリンに手渡した。


 リンはそれを器用に背負うとそのまま常人では考えられないようなスピードで駐車場へと消えていった。

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