第87話 痴女たちに『人格に問題あり』と認定される新たなる女サイボーグ
「まあこれくらいにしたいところなんだけど……ちょっとこの写真の子を見てくれる」
もはや呆れるを通り越して精神が完全に死んでいた誠に鷹司は一枚の甲武海軍の軍服を着た人物の写真を示した。かえでと同じく男装。かえでが超を超える巨乳でどう見ても女性に見えるがその人物の胸のふくらみは確かに女性だなと分かるかなめくらいの巨乳だった。
甲武海軍らしい制帽の下には流れるような髪と整った意志の強そうな顔には眼帯がありその右目の眼帯に空けられた穴からその人物がサイボーグであることは誠にも分かった。
「サイボーグの人もいるんですね……で、この人はこの婚姻届の誰なんです?」
誠はかえでのことだから全員生身の女性を選ぶものだと思い込んでいたがどうやら事情は違うらしいと察した。
「ああ、この書類には名前は無いわ。それとサイボーグ差別はいけないわよ。この私が選んだ中にも3人ほどサイボーグの女性は居るけど……サイボーグの女性は性感帯が生身のそれの1万倍以上まで上げることができるからきっと一緒に過ごす一時は激しく甘いものになるでしょうね……でもこの人……『伊達祥子』さんは面接で外させていただいたので。かなり『人格』に問題があると私も思いましたから」
鷹司の言葉に誠は唖然とした。
『あのー、かえでさんや鷹司部長に『人格に問題あり』認定されるってどんな人ですか?かえでさんはすでに性犯罪者認定されてる変態ですよ。鷹司部長もたぶん同類……完全に『痴女』認定して良いレベルですよね?その人から『人格に問題あり』って……ああ、うちにもいたわ、そのレベルの『性格破綻者』。西園寺さんだ』
サイボーグ。かえでや鷹司に『人格に問題あり』と認定されるレベルの性的に異常な嗜好を示す人物がかなめ以外に思いつかなかった。
「いま、藤太姫……ああ、ここでは西園寺かなめ大尉と呼ぶべきでしょうね。そう、この伊達さんはあの人に匹敵するサディストでマゾヒストでしかもストーカー……」
『えー!ドSでドMなのにストーカーってのまでついてくるんですか!そんなのになんで僕の情報を漏らしたんですか!やめてくださいよ!』
あきれ果てた誠はもはや声を出すことすらできなかった。
「元々気が荒い子でね。甲武海軍でも陸戦隊の最前線部隊勤務以外は希望しないとか言ってベルルカンではかなりの大暴れをして、その結果重傷を負ってサイボーグ化したの。自分でも『私はこの血を引く伊達政宗公の生まれ変わりだ!』とか言って右目はかなめさんみたいに普通に治せるのにスナイパー用の特殊望遠レンズ機能付きの眼帯まで付けて……この時点ですでにかなり変わってるでしょ?」
鷹司の『変わっている』のレベルは誠の理解を超えているのは分かっていたので誠はもうどうでもよくなって丼物に手を伸ばし食事をしながら話を聞くことに決めた。




