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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第十四章 親子丼ぶりと婚姻届

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第85話 間違った努力をする幼女と男の娘に囲まれている誠

 三つ目のランにはきっちり『日野かえで』の記名捺印があるのは誠は当たり前すぎて言葉が無かった。


「ああ、この提案もかえで君の発案なのよ。あの子本当に気が利くわね」


 鷹司の笑顔が誠には痛かった。


 さらに記名が続く。


「この『近衛茂子』って誰です?どうせ『マリア・テレジア計画』で二番目にかえでさんの餌食になった人ですか?」


 誠はうんざりしながらそう言うと半分諦め顔でどんぶりに手を伸ばした。


「さすが、察しが良いわね……この方よ。ちなみに娘さんの名前は『近衛欅』ちゃん。写真がこれ」


 鷹司は完全に誠の意図を察したようにおっとりとした大人しそうな美貌の三十代前半と思われる女性と6歳くらいのこれも少年高少女だか分からないどう見てもかえでの子供の頃にしか見えない二人が笑顔で並んで映っている写真を取り出す。


「もしかして、この欅ちゃんにも風ちゃんみたいなことは……まさか……6歳ですものね」


 鶏肉を口に運びながら誠は冗談でそう言ってみた。


「ええ、欅ちゃんもかえで君の初めての年だからぜひお願いしたいって……ほら、茂子さんの下には欅ちゃんの名前もあるでしょ?」


 微笑む鷹司の言葉に驚いて婚姻届に目をやると確かに『近衛欅』の名が記されていた。


「これって名前だけですよね?そう言ってくださいよ……そうでないと僕は完全に性犯罪者になるんで。それ以前に色々と僕には問題がありまして……クバルカ中佐も『オメエは馬か!そんなの入る人間が居るか!』とか言ってたぐらいですから」


 完全に呆れるを通り越した誠は箸を止めてそう言った。


「大丈夫よ。欅ちゃんも誠君の大きさを聞いて『頑張ります!』ってこの前電話口で元気に答えてたわよ」


 笑顔の鷹司に誠は恐怖を覚え始めた。そして似たようなセリフをアンの口から聞いたことをもい出して自分の周りには意味不明な努力をする人が多いと言う事実を再確認した。


『アンにしろ……その欅とか言う女の子にしろ……そんな頑張り方を僕は一度もお願いした記憶は無いんだけど。頑張る?何を?なんか努力の方向性が完全におかしくないか?この人達』


 誠はすでにあきらめの境地に入って再び婚姻届に目を移した。


「今度は『鍋島しずる』と『鍋島紅葉』……この『紅葉』って子……何歳です?」


 だんだんパターンが読めてきた誠は鷹司にそう尋ねるとすでに鷹司は写真を用意して誠に見せた。


 ここには鷹司とよりより武人然とした凛とした長い紙の和服の表情の女性と剣道着を着た5歳くらいのこれもまたどう見てもかえでの子供の頃のようなまた男か女かよくわからない子供が写っていた。


「この二人は肥前守鍋島家当主……まあ、爵位は伯爵だけど所領の収入は私より多いのよね。それとこの紅葉ちゃんは凄く強気でかえでちゃんの子供でもリーダー格みたいな子なのよ。そして『かえでお母様は6歳で出来たのなら私は5歳で出来る!』と強がっているみたいだから……その時は優しくしてあげてね。いくら気が強くても所詮5歳の女の子なんだから」


 誠は確信した……自分はかえでと鷹司の導きにより犯罪者への道へと誘導されているのだと。

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