第82話 キレる幼女、ギネス巨乳を目指す男の娘
「オメー等……アタシがここにいることを知っててそんな話をしてんのか……?」
怒りに打ち震えたような幼女の声が機動部隊の詰め所に響いた。
その声の主はこの部屋の主でもあるクバルカ・ラン中佐のものだった。
「うん、知っててしてた」
あっさりとそう言うアメリアの言葉を聞いてランは激怒して机を叩くとそのまま立ち上がってアメリアに向って歩み寄った。
「ここは職場だ!女子高の更衣室でブラジャー片手に着替えてる餓鬼じゃねーんだよ!オメー等は!それを何だ!胸がでかいだの小さいだのそんな話をする為にオメー等は給料をもらってるのか?そんな仕事は島田の好きなアダルト業界にでも行ってからしろ!今すぐ転職しろ!退職届の書き方の書式は教えてやる!うちの『駄目人間』にはそっち系の仕事のコネもある!今すぐ書け!」
烈火のごとく怒るランの勢いにはさすがに何事にも動じない質のアメリアも怯んだ。
「遅くなりました!で、渡辺大尉、相談があるのですが」
部屋に駆け込んできたのはアンだった。その登場でランの怒りの矛先が変わると誰もが安堵しながら誠は空気が軽くなるのを感じていた。
「アン軍曹。何でしょうか?あなたが私に用があるなんて珍しいですね」
アンには全く関心のないリンはいつものように無表情に駆け寄ってくる『男の娘』アンに向けてそう言った。
「渡辺大尉は美容整形にも詳しいと聞いたので……その……シリコンで98のGまで豊乳すると手術費用ってどれくらいかかるんでしょうか?」
アンの言葉に部屋の中の空気の音頭は一気に冷え込んだ。男まの子のアンまでもがそっちの話題を繰り出したことに誠は頭を抱えた。
「そうですね、ですが、シリコンでの豊乳は技術が進んだとはいえかなり不自然……と言うかその大きさなら脂肪注入の方が適切ではないかと私は思うのですが」
淡々と答えるリンに一同の視線はアンとリンの真面目なのか真面目でないのかよくわからない会話に視線が集中した。
「いえ、そうなんですけど僕の彼氏が外人モノのどう見てもシリコンおっぱいのビデオが好きだというので……」
アンの話題の方向性が怒りに手を握りしめて震えているランの爆発の時が近づいてきているのを感じさせる。
「ああ、あの手のビデオの女優は大体シリコンで無理やりかえで様レベル以上……PやQまで豊乳手術を施しますから。それにシリコンであれば特に大きさにより金額に変わりはないのでどうせならその上て…Rくらいまで大きくしてみてはいかがでしょうか?」
リンの回答は無茶苦茶だ。誠は聞いていてそんなことを感じていた。
「そうですか、そうすれば日野小隊長を超えられますね!年度末賞与とこれまでの貯金で何とかして見ます!ご相談に乗っていただいてありがとうございます!」
そう言うと元気よく自分の席に戻ろうとするアンの首元をちっちゃなランは掴み上げた。
「おい、アン。オメーは何がしたくてここにいるんだ?それにRカップってバストがオメーの身長を超えるぞ。オメーは馬鹿か?」
ランの言葉に誠は静かにうなずいた。
「でも……彼氏もそのくらい大きい方が……そしてそれぐらい大きければ神前先輩も振り向いてくれるかも……」
アンの言い訳に誠は頭を抱えた。
『僕はいったいどこまで巨乳好きと言うことになってるんだ?と言うか170センチのシリコンおっぱいってなんだ?それ毛人類の範囲を超えてるだろ』
ただこの部屋にはアホしかいない。誠はその事実だけは誰にも否定できない事だけは理解できた。




