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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第十三章 『特殊な部隊』の新たな日常

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第78話 待ち人来たらず

「おはようございます!」


 そんなところに入って来たのはアンだった。いつも通り女子の制服を着てかなめの正面の席に腰かける。


「おい、アン。オメエからも言ってやれ。かえでは究極の変態で愛の究極の形は愛するものに殺されることだと考えるほどのド変態だってな!」


 誠に無視されてキレかけているかなめは入ってきたばかりで状況がつかめないアンに向けてそう叫んだ。


「あのー、西園寺大尉?何をおっしゃっているのか分からないんですけど……日野少佐は別にそんなおかしい人じゃないですよ?」


 何を言ったらいいのか分からないというようにアンはそう言った。誠以外の男には全く関心のないかえでがアンに仕事の話以外をまるでしなかったことは誠も知っているのでアンが何かを言うことはあり得ないし、今の状況からアンが誠を救い出すような機転を利かせることも考えられない話だった。


『アンが来ても仕方がないんだよ!こういう時には西園寺さんを止められるのはカウラさんしかいない!カウラさん早く来てください!』


 誠は心の中で機動部隊の社会不適合女子の中で一番社会に受け入れられやすい存在であるカウラの来訪をただ待ち続けた。


「おっはよう!あれ?やけに少ないわね」


 完全に誠の機体を裏切って現れたのはそもそも機動部隊の隊員ですらないアメリアだった。


 アメリアは不機嫌そうに貧乏ゆすりをして誠とアンにガンを飛ばしているかなめと我関せずと機動部隊の隊長席ですでに昨日途中だった詰将棋を始めているランを見て呆れたようにそう言った。


 そして、誠の表情が中でも一番暗くいじりがいがあると直感したアメリアは迷うことなく誠に向けて歩いてきた。


「誠ちゃん、昨日はランちゃんの所にお世話になったのよね?どうだった?童貞喪失の相手が34歳幼女と言う感想は?」


 アメリアならそう言うだろうと誠が予想していた通りの発言をするアメリアに呆れながら誠はその視線を無視を決め込んでいるランの方に向けた。


「おい、アメリア。オメーは運航部長だ。運航部長の机はここにはねー。とっとと帰れ。それと昨日はアタシは神前に人生を語ってやっていたんだ。それとも何か?今日一日アタシがオメーにアタシが思う人生とは何たるかを語って欲しいというのか?だったら付き合ってやる。第三会議室を今日の夜9時まで抑えておけ。二人っきりできっちり語ってやる。当然飯抜きでな」


 ランは将棋盤から目を離さずにアメリアに向けてそう言い放った。さすがのアメリアもランならば本当にそのようなことをやりかねないので誠を弄って遊ぶことは諦めて、今度は相変わらず貧乏ゆすりを続けているかなめに矛先を向けた。

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