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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第九章 名君が貧乏なゆえん

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第51話 『名君』遼献が作った国では皇帝=ヒモだった

「皇帝でいいこと……まず!重婚OK!」


 嵯峨は力強くそう言うのを見て誠はあきれ果てた。結局嵯峨にとってそれ以外はすべて譲っても構わない状況だから全部の宮廷費を削り、皇帝の権限を限りなくゼロにした。そうとしか誠には思えなかった。


「ものすごく隊長らしい意見なんですけど……本当に他に何もいいことは無いんですか?」


 誠はいかにも嬉しそうな嵯峨に向けてすがるような視線でそう尋ねる。


「え?何か皇帝の地位に期待でもしてたの?俺はそれ以外何にも期待してないから。というかそんなものを期待するような皇帝は皇帝失格だな。そんな奴は俺の後釜には据えたくない。でもいいじゃん。かえでだけじゃないんだぜ、かなめ坊も、カウラも、アメリアも、リンもパーラも本人がOKと言えば即刻結婚できる!それだけじゃないぞ!かえでの家のメイド4名。シェフ1名ももれなく付いてくる!さらにかえでの『マリア・テレジア計画』の鷹司さんを始めとした美熟女が全員お前さんのものだ!まさにハーレム!でも……まあ、体力的にはお前さんにはちょっときついかな。俺は不死人だからそのくらいの女がいても全然平気だけど」


 嵯峨の脳内の構造が本当に深刻な状況にあることを誠ははっきりと理解した。


「でも、その人たちの生活費とか……どうするんです?皇帝は一文無しなんでしょ?そんなに女の人を食べさせていくなんて僕には出来ませんよ。母に頼んで同情の土地を売ってくれとでも言えとでもいうんですか?」


 誠は嵯峨の皇帝には自由になる金が一円もないという発言が気になってそう言った。


「そんなの問題なし!かえでは甲武四大公家末席の大荘園領主だぞ。黙っていても金は入ってくるから問題ない。かなめ坊も同じ。アイツはそれに関白太政大臣だからその分の所領までついてくる。リンの奴もなんやかんや言いながらかえでやかなめに言い寄ってくる所領のある士族連中を騙して所領を巻き上げて結構な所領を持ってるはずだからな。他の『マリア・テレジア計画』の女達も全員が上流貴族でお前さんの考えられないような金を自由にできる身分だ。お前は皇帝と言う名の『ヒモ』としてこれからの人生を歩めばいい!」


 タバコをくわえて力強く叫ぶ嵯峨に誠はあきれ果てた。


「僕の知る限り皇帝って言うのは国民から多額の税金を搾り上げてその金で贅沢しているイメージがあるんですが……隊長の理想の皇帝像は『ヒモ』なんですか?そんな皇帝これまでの歴史上居ましたか?僕は歴史の知識が少ないせいかもしれませんが聞いたことが無いですよ」


 どや顔の嵯峨を目の前に皇帝=ヒモと言う国家を作り上げてしまった世にいう『名君』献帝本人が目の前にいる事実に誠は正直耐えられなかった。

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