第46話 ドMの本領と虐殺ショー
「まったくかえで様にも困ったものですね……進歩と言うものが感じられません。まあ、ご本人としては多少はお考えになられた結果なのでしょうが……これでは……また私の野望に一歩近づいてしまいましたよ」
待機場を出て真っ先に顔を倒れて痛みと流血のもたらす快楽で打ち震えているかえでから目をそらしている誠の傍まで来たリンはそう言って遅れてきたひよこの治療を言い訳を付けて拒否しているかえでを見ながらそうつぶやいた。
「でも、戦闘訓練にはなりましたよ。茜さんではあそこまで機動的な動きをしてくることは無いですから」
誠はいやがるかえでに無理やりヒーリングをかけた上に胸を隠してその流れる母乳を吸い取るべく厚い毛布をかぶせられたかえでに目をやった。
「そう言ってもらうと嬉しいな……ただ、もっと激しく僕を斬りつけて欲しかった……今からでも……」
真正のマゾヒストのかえではさらなる誠の剣撃を期待して笑顔で誠を見つめてくる。
「自分から怪我をしに行くような人の治療はしたくありません!これは任務だからやっているだけなんですからね!」
自ら痛みを求めるという自分からは理解不能な行動をとりたがるかえでに向けて医療関係者らしくひよこはそう忠告した。
「おい、日野。オメーの学習能力は島田プラス一程度だ。結果が同じじゃしばらくは神前との模擬戦はさせられねーな」
遅れて歩いて来たランはそう冷たくかえでに言い放った。その後ろではいかにも妹の無様な様にサディスティックな笑みで嘲笑するかなめと攻撃的な法術を使用できないために参加できないでいるアンが不安そうに二人を見守っていた。
「クバルカ中佐。じゃあしばらくは嵯峨警部が暇な時か……いつもの中佐による僕の虐殺ショーばかりの日々になるんですか?」
誠はひたすら足のけがの痛みを快感に感じてひよこの治療を拒否しているかえでを見ながらそうつぶやいた。
「日野よりは渡辺の方が学習能力がありそうだ。実力的には神前が手加減する形になるから……まあ、虐殺ショーなんて言い方はねーだろ?あれは愛の鞭だ」
ちっちゃなランは誠の前で腕組みをしてそう言った。
「両手両足を吹き飛ばすのを虐殺ショーって呼ばないでなんて呼ぶんです?僕はマゾじゃないですからかえでさんみたいにそんな事では気持ちよくなれませんよ」
ひよこに押し切られて大量に出血している足の付け根の治療をされながら痛みのもたらす快感に打ち震えているかえでを見ながら誠はそう言ってため息をついた。




