↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第七章 失われた記憶と『ビッグブラザー』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/150

第41話 情事の最中に語られた核心

「なるほど、ではそう言うことにしておきましょう。でも、今あなたの所有する重要会社である菱川重工の豊川工場に恐らくあなたの会社が作った最高傑作の法術師対応シュツルム・パンツァー『方天画戟』が存在している。これもまた偶然だと?」


 食い下がるように安城は葉巻をくゆらせる菱川に向けてそう言った。


「あの機体の微調整には尋常でないマンパワーが必要になる。たしかにあれが使用されていた人件費がタダに等しい遼南共和国ならば予算の心配もせずにいくらでもあの機体は動かし放題だ。でも、この人を一人雇うのにも一々書類を役所に提出する必要のある労働者の人権に配慮する余裕のあるこの国ではそのような訳にはいかない。あなたは以前公安調査庁に居た……つまり東和共和国の公務員だったということですね。そうなれば、この国の制度について多少の理解はあっても当然だと思うのですがね。一、民間企業の代表に過ぎない私ではどうすることもできないこともあるということを」


 皮肉を言うようにそう言った菱川の言葉に自分の経歴が出てきたことに安城は菱川の心中が予想していたものとは別の意味で驚いていた。


 今朝、出かける前にも求めてきた嵯峨に自分の思いを重ねていた時に嵯峨が語ったのは菱川はおそらく安城の素性についてなにがしかの形で口にするだろうという言葉だった。


 激しい嵯峨の責めの前に意識が飛びそうになるのに耐えながら聞いた言葉なのにそんな言葉が菱川の口から確かに出てきている。その事実は公安調査庁から遼州同盟機構と言う国際機関に転属になる際に返上した公安調査庁での記憶の中に嵯峨が知りたがっている自分が『ビッグブラザー』本人から直接指示を受ける立場にあったかどうかと言うことについての答えが隠されている事に安城は気が付いた。


「なるほど、では『方天画戟』の司法局実働部隊への引き渡しが遅れているのは純粋に技術的、人的な問題だとあなたは認識しているのですね?」


 安城は半分以上目的を果たしたついでと言うことで確認のためにそう菱川に尋ねていた。


「菱川重工の社長からはそう言う報告を受けているよ……ああ、もう5分経った。これから『菱川郵船』の年頭会議があるのでね……あなたのような魅力的な女性とお話をしている方があの赤字を垂れ流すだけの会社の重役たちの報告を受けるよりよっぽど楽しいのだが……私にも立場と言うものがあるので」


 そう言うとボディーガードの一人が安城に車から降りろとでもいうようにドアを開いた。安城はただ導かれるままにそのまま車を降りた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。