↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 新年度の『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第六章 新部長と賢帝

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/144

第29話 狂気と無責任の政治体制『民主主義』

「確かに僕には無理ですよ、皇帝なんて。でも、誰なんです?その僕を皇帝の器に育てる……!」


 そこまで言って誠は鷹司もあの『マリア・テレジア計画』の一人であることを思い出した。


「答えは決まってるじゃないの?かえで君以外に君にふさわしい女性が居るのかしら?居るなら紹介してほしいわね……かえで君には君を導ける知性がある。君を本当の意味で愛して支えていく覚悟がある。そしてその家柄は皇帝の后としては決して恥ずかしいものではない……このような女性が君の周りに他に居るのかしら?」


 そう言って笑う鷹司の笑みには誠は少し恐怖すら覚えていた。


「そう、そうすれば私達24人のお友達。それにかえで君が選んだ女達が側室として使え、同じく君を支える……、まあ私達はそれぞれに甲武に血筋を守るべき家があるからその子はその家を継ぎより遼帝国と甲武の結束は固いものとなる……隊長は遼帝国は貧しいままでいいという……でもそれで本当にいいのかしら?甲武は東和に比べると貧しい……でもそれは今のかえで君のお父様の改革で変わろうとしている……まあ、私は貴族主義者だから民主主義で選ばれたかえで君のお父様の事はあまり信用していないんだけどね」


 鷹司の言葉に誠は息を飲んだ。


 鷹司は自らを『貴族主義者』と呼んだ。


 誠が初めて戦場を経験した時の敵は貴族主義者の近藤忠久中佐の貴族主義クーデター未遂の事件の時である。


 その倒した敵と同じ思想の持主を誠は目の前にしている。


 そして誠の身近にも貴族嫌いで貴族主義者に敵意を燃やすかなめと言う存在がある。


「なんだか私が貴族主義者であることに戸惑っているみたいだわね。でも、民主主義で選ばれた指導者が常に正しいって誰が決めたのかしら?多くの人が支持したから?じゃあ、その多くの人自体が間違った考えに突き動かされていたら誰が責任を取るのかしら?その人たちに責任をとれるの?地球圏は常に民主主義を信奉している。そして民意で隣国に核戦争を仕掛けてその国民を皆殺しにして併合することを民意と呼んでいる……あの民主主義の国を自認するアメリカ合衆国。結局その民意による核攻撃を使って極東を制圧かに収め、南北アメリカを統一した。私達甲武に住む元日本人や遼北の漢民族、ハンミン国の朝鮮族は地球圏を追われた。中南米のヒスパニックの人達の扱いはもっとひどい。核による攻撃を生き延びたほんの一部の彼等はそのまま砂漠の収容所に監禁されて100年かけて絶滅させられた……それも過半数を占めるアメリカの白人の強固な信仰を持ったキリスト教徒が民意を握っていたから。民意を握れば何をしても許されるのが民主主義。しかもそれを実行した政府には何の責任もなく、それを支持した有権者もその非道を恥じることもない……そんな民主主義が正しいなんて誰が言えるのかしら?」


 鷹司の言葉に誠は返す言葉が無かった。地球圏で広大な領土を持つアメリカ。そのことはいくら社会常識に疎い誠でも地球儀を見ればわかる。その巨大さが民主主義と言う狂気の無責任な政治制度によるものだという鷹司の主張に誠は反論することはできなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。