6話
6話〜…です!
「西門から出よう」
「…?」
「北の街にいくんじゃなかったか…?」
この街には東西南北にそれぞれ門があるが、行き先のカモフラージュの為に北門ではなく西門から出るべきだと思ったから北門には行かないことを伝えると
「…なんで南門から出ないの?」
と、今度はふゅーからの質問が来た。多分、ふゅーは南門から出たほうが1番遠回りにはなるがその分時間稼ぎになると思ったのだろう。それでもいいんだけど…もしもぼくたちが南門から出た場合、南門が罠かもしれないと組織も当然考えるだろう。そうなると行き先の候補地に反対側の北も加えられ、同時に北の街にも追手を送ってくるかもしれない。
「…なるほど」
「あっ、ちなみに西門じゃないのはただの勘だよ。」
「わかった、今の意見を聞いて納得したぜ。」
「うん、僕も。」
こうしてぼくたちは追手がいないかを確認しながら西門近くの出店が多く、人がたくさん行き来している通りまで辿り着いた。ここに来るまでは裏路地など人がいない道を選んで進んでいたが、ここからは、西門に自然体で近づけるようにこの人の多さを利用して進むことになった。
「逸れないように行こう。」
「あぁ」
裏路地から自然に見えるように通りに出てきて好みの服の話など、若い女性の人が話していそうな会話を心がけながら進んでいく。
─ドンッ
「す、すみません」
前からわざとぶつかってきた人は見るからにガラの悪そうな人で、他にも仲間らしき人がふたりいる。咄嗟に恐怖で震えてしまう女性をイメージしながら女性の声で謝る。しかし、それで見逃してはくれないようで
「オィオィ、嬢ちゃん、きちんと前見てあるかねぇとなァ。」
殴りかかろうとしてきたが受け止めたら変に思われてバレるかもしれないし…と悲鳴をあげながらそのまま殴られる。
「…!」
「オィ…」
しゅうが低い声を出して威嚇しようとしたので慌てて口を塞ぐ。
「?」
ぶつかって来た人は幸い気がついていないことに安堵する。しかし、しゅうだけではなく、ふゅーも抑えてはいるが苛立って来ているので早くなんとかしないと…と思考を巡らせる。
「お兄さん、お兄さん」
「アァ?」
ぶつかって来た人が振り返るとそこにはゴツくてイカつい人が立っていた。
「ヒィ」
ぶつかって来た人が悲鳴をあげる。さっきまでの態度と比べるとまるで別人のようだ。
「女の子を殴るなんて…ハァ」
「イテテテ、すみませんでしたぁ」
イカつい人はぶつかって来た人の肩を持って力を思いっきり入れたらしい。ぶつかって来た人が慌てて逃げていく。
「ところで、君たちはなんで─」
そこまで言いかけてイカつい人の慌てて口を塞ぐ。実はこの人もぼくたちの親友なのだが変装を流石に見破られてしまったのだろう。ぼくたちの真剣な表情を見て少しだけ首を動かして頷いたので塞いでいた口から手を外して解放する。
「ありがとう」
「…門に行くのかい?…俺もそっち方面に用事があるんだ、一緒に行かないか?」
小さく頷いてイカつい人を含めた4人でぼくたちは再び歩き始める。
─途中、人にぶつかってしまったり追手らしき人を見かけたりして、ヒヤッとする場面もあったが僕たちは無事に西門まで辿り着き検問を待っている人達の列に並ぶ。門の前には門番が立っていて身分証明証の確認と荷物の確認を行なっている。ただ、身分証明証の方は門番と知り合いなのでどうにかなると思っている。それよりも問題は近くにいる追手だ。門番に自分の名前を呼ばれたり騒がれたりすると勘付かれてしまう。しかも、今日の門番はよりにもよっていつもふざけて絡みに来るお調子者で無駄に声がでかいのだ。
「おい、今日の門番はカルティアだぞ。大丈夫か?」
『………。』
列が前に進んでいき、とうとうぼくたちの番になる。
「その格好…」
ありがとうございました!




