私の生きざま
りょーちゃんを泣かす事。
エリカはそう言った。
りょーちゃんを泣かすような事を
私がやらかしたような言い方だった。
それはいったいどういうことだろうか?
しーんとしたリビングルームで
高級中華料理屋で、エリカが残した餃子を
食べながら思考を巡らす。
もちゃもちゃと肉を噛む音だけが
空間を支配する。
唇についた醤油を舌で舐めとる。
『・・・・。』
まさか。
テルとのキスを見られたのだろうか。
だとしたら少し厄介だ。
エリカは私の事をただのすけべな百合にしか
思ってないだろう。
りょーちゃんがそれを知ってしまったら?
私の夢はどうなる?
いや、そもそももう踊るだけの体力はないのだ。
夢はもう、あきらめたのだ。
だったら私はなんであんなにダンス部を裏から
支え続けようとしたのだろうか。
りょーちゃんが輝く姿を見たかったのではないだろうか。
そしてエリカをパートナーにすれば、、
私と同じ、ダンスが上手くなければ愛されない
りょーちゃんを、絡めとって私に沼らせて
私から離れられなくして、、、
そうすれば、ベクトルは私に向く。
りょーちゃんを輝やかせて、誰しも羨む存在にして。
でもそれは私がいなければなし得ない。
その事実はりょーちゃんの中に生き続けるから、
私から離れることはできなくなる。
「・・・・ふ・・・・」
結局は、親に愛されたなかったという事実が私をここまで
導いたということか。
あの病院の日。
「りょーちゃんのお母さんのお見舞い、私も行く。」
「なんであなたが来るのよ。その・・・邪魔なのよ。」
母は私を邪険にしていた。
恋人との逢瀬を邪魔されたくなかったのだろう。
だから。
りょーちゃんが来て、私はすぐ病室をあとにした。
そのあとにどんなことが起きるかなんて知っていたから。
絶望に顔を染めて、病室を出てきたりょーちゃんを
堕とすにはちょうどよいシチュエーションであった。
夕日にあてられたりょーちゃんと重なりあうのは、
私の中で計算していたことだったから。
私はそうやって生きてきた。




