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最後のキス

『う、嘘だ!嫌だ!』


『嘘じゃないんだ。』


テルは普段とは違い、叫ぶように

鉛玉を喉元から吐き出すように事実であることを

認めようとしなかった。



『う、、うう。』



病院の中庭。

運良く人はいなかった。



『ルナが、、ルナが、、死んじゃうなんて!』


『ごめんね。プロデュースやってくれる時に

話すべきだったよね。』



私の襟首をくしゃくしゃに掴み縋るように泣く。

私はそんな彼女の頭を撫でる。


北風が吹く。


『寒いからさ、、もう中入ろ?』


『ああっ、ああああああ!!』



テルは泣きじゃくっている。


テルはこの病院のインターンをやっていて、

精神科のカウンセリングでケイと出会ったという事も聞いた。


ケイとテルはただそれだけ。

カウンセリングとカウンセリングを受ける人。



それだけの関係。




あの時、感情的にならなければ

なんとかなったのかな。



なんとかまた、

みんなをつなげられないだろうか。






でも。


それは。








テルにもりょーちゃんにも、エリカにも

私の死に向き合わせることになるだけだ。





そして、りょーちゃんは私が辿る末路を

知っている。






りょーちゃんのお母さんと同じ病気だから。





それは残酷なことだ。






このまま1人寂しく、

朽ち果てていく方がいい。









『テル。このことは、りょーちゃんとエリカには言わないで。』



『うっ、いや!そんなの!私1人じゃ!抱えきれない!!』






テルは私の胸元を拳で叩く。

畜生、畜生と言いながら。








『お願いだ。テル。こちらを向いて。』



『いやだ!!だったら!私もあなたに要求する!あなたが私を好きにならないことは!わかっている!そして、あなたはいなくなる!もう私の人生で願うことなんてない!ただ一つを除いては!』



テルは顔をあげる。







『今、ここでキスをしてーーー』







♦︎♦︎♦︎


今日は精神科通院だ。


あんなことがあってから面倒だ。


薬もカウンセリングも何もかも。

今の私には、、、





『ん?』


中庭の方から叫ぶような声が聞こえてくる。







『な、、なんで、、、』





ルナとテル。

2人が口づけを交わしていた。


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